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世界自動車業界のAIDV覇権争い-『Tesla vs NVIDIA vs 中国勢』の技術競争構図と収益モデルの変化-

9月 9日(水)
株式会社フォーイン 技術調査部 チーフアナリスト
李 強福(い がんぼく) 氏
2026年1月、米国Las Vegasで開催されたCES 2026で、世界AI・半導体大手のNVIDIAが、自動車業界において課題となっている、ADAS/自動運転、SDV(Software Defined Vehicle)対応、スマートファクトリー等に効果的に対応できるソリューションとして、Alpamayoを含むフルAIスタックを発表しました。NVIDIAは、AIフルスタックを提供するために、AIとデータセンター、AI半導体を含む車載ハードウェアプラットフォームなどをパッケージとして提案し、このフルパッケージを活用すれば、高度自動運転(レベル4相当)が可能になり、同分野の競争で遅れていた自動車メーカーも、競争をリードするTeslaやTeslaを追従する中国系OEMと同等の技術を実現でき、競争での遅れが挽回できるとアピールします。実際、NVIDIAとMercedes-Benz、GM、Hyundai Motor Group、BYD、いすゞなどがパートナーシップを結んでおり、高度自動運転の実現に向けて世界主要地域で技術的な検証を活発化しています。
NVIDIAの事例にありましたように、AIはこれまで自動車業界で掲げてきたCASE(Connected、Autonomous、Service、Electrification)や、SDVの実現を可能にする鍵とされています。AIが車載化されることで、これまでの「移動手段」としての車から、「パーソナライズされた」車に変化します。つまり、ユーザーのニーズに合わせて、自動運転、各種サービスなどが車両で可能になります。これは、従来の車の価値が、車両そのものではなく、車両+機能(サービス)という形に変わることを意味します。こうした動きに対応して、世界自動車メーカーを中心に車載AIの導入を急いでおり、ユーザーインタフェース段階から車両制御に至る領域でAIが関与できる形へ開発を進めています。こうした中で、NVIDIAのみならず、既存のGAFA、Qualcomm、Huaweiで代表される中国系IT業界等との提携も活発化。また自動車メーカーでは、自前のAI開発やデータセンターへの投資も手掛ける等、AIをめぐる事業展開を大規模で進めています。米・中を軸に鮮明化しているAIDVの実現をめぐって今後、誰が主導権を握るのかについても注目されるところです。
さて本講義では、AIをめぐる自動車業界の最近の動向と、AI導入に伴う自動車の在り方と収益性モデルの変化、そして、AI競争の今後の展望について説明し、これにみる日本自動車産業への影響と新たなチャンスについてお話させていただこうと考えております。
1.SDV→AIDV:主要自動車メーカーのAI取り込み状況
2.AI+ADAS/自動運転の競争状況
3.AIの車載化に伴った自動車の在り方と収益性モデルの変化
4.AIDV競争の今後の展望
5.質疑応答/名刺交換


1981年 韓国生まれ。2008年 名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士前期課程修了(文学修士)。2010年 名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士後期課程満期退学。2010年4月〜2016年8月 (株)フォーインアジア調査部アナリスト。2014年6月〜2014年10月 (株)フォーインアジア自動車産業調査月報副編集長。2014年11月〜2016年8月 (株)フォーインアジア自動車産業調査月報編集長。2016年9月〜2023年3月(株)フォーイン企画調査部シニアリサーチャー。2023年4月〜現在(株)フォーイン技術調査部チーフアナリスト。主な調査報告書(日本語のみ):Teslaの将来戦略(2024年3月)、世界自動車メーカーのxEVバッテリー戦略(2024年8月)、世界自動車メーカーのSDV戦略と半導体獲得競争(2025年5月)、電動車部品サプライチェーンシリーズ(モーター/インバーター/eAxle、2023年より現在継続中)ほか、マルチクライアント調査報告書など執筆。
