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【契約の「連鎖」と「切断点」を徹底解説】
〜基盤モデル規約・開発契約・利用規約をどうつなぐか?〜

12月10日(木)
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
パートナー弁護士
高瀬 亜富(たかせ あとむ) 氏
生成AIを組み込んだシステム・サービスの開発・導入は、多くの企業にとって現実の課題となりました。もっとも、その契約は、従来のシステム開発契約とは様相を異にするところもあります。基盤モデルを提供する事業者の利用規約という、交渉の余地のない「上流」が存在したり、AIの精度という不確定要素が存在するなどするからです。
AI案件の契約は、①基盤モデル提供者の利用規約、②ベンダ・ユーザ間の開発・導入契約、③エンドユーザ向け利用規約という三層構造をなします。上流の制約は下流まで伝播させなければ効力を持たず、伝播が切れた箇所では、中間に立つ者が、自らコントロールできない事由について責任を負うことになります。
本講座では、この三層構造の読み解き方を出発点に、技術構成の違いが契約条項に及ぼす影響、経済産業省「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を踏まえた案件の型判定、基盤モデルの調達の留意点までを解説します。
1.AI契約の三層構造
(1)基盤モデル提供者・ベンダ・エンドユーザ
(2)交渉できない上流、責任を負う中流
(3)AI法・ガイドライン・改正個情法の現在地
2.「開発」と「利用」の境界
(1)RAG・ファインチューニング・プロンプト
(2)境界が権利帰属と契約類型に与える影響
(3)請負か準委任か、検収の対象は何か
3.AIシステムの技術構成
(1)API利用・RAG・追加学習・オンプレミス
(2)AIエージェントの権限・ログ・停止
(3)技術に詳しくなくても確認できる内容
4.技術構成別の留意点
(1)用途制限と秘密情報・個人情報の流出
(2)成果物の帰属(プロンプト・追加学習)
(3)誤情報(ハルシネーション)と精度の約束
5.契約の連鎖と「切断点」
(1)上流・中流・下流の契約の一覧化
(2)伝播させるべき5つの制約
(3)切断点の典型例とその帰結
6.案件の型判定
(1)自社開発か調達かの分岐
(2)経済産業省チェックリストの3類型
(3)初回ヒアリングで何を聞くか
7.基盤モデルの調達
(1)自社開発・調達・ハイブリッドの選択
(2)オンプレミス/専用環境という選択
(3)ライセンス条件と各種業法への対応
8.学習データの権利処理
(1)データ提供契約と利用目的の範囲
(2)著作権法30条の4の射程と限界
(3)個人情報の取扱いと令和8年改正法
9.質疑応答/名刺交換


2007年3月北海道大学法科大学院2年課程修了、2008年12月東京弁護士会登録。都内法律事務所において勤務後、2013年5月に弁護士法人内田・鮫島法律事務所に入所。2019年7月同事務所パートナー。現在に至る。著書に、伊藤雅浩=久礼美紀子=高瀬亜富『ITビジネスの契約実務』(商事法務、第2版2021年)、田村善之=高瀬亜富=平澤卓人『プラクティス知的財産法II 著作権法』(信山社、2020年)、共著『著作権法コンメンタールⅠ〜III』(第一法規、2020年)等がある。
