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【IAA Transportation 2026 現地報告】
〜自動運転、エネルギー転換、中国勢の現在地、欧州規制から読み解く物流の大転換〜

10月15日(木)
イノベーションアナリスト
アンディ 近藤(あんでぃ こんどう) 氏
※講師によるIAA Transportation 2026(2026年9月、ハノーファー)の現地取材にもとづく内容です。
2026年9月15日から20日まで、ドイツ・ハノーファーで欧州最大の商用車展示会 IAA Transportation 2026 が開かれました。2年前の会場は、電池・水素・LNG・バイオ燃料が横一列に並ぶ「どれにするか」の会場でした。今年は「いつから」の会場でした。大型トラックの主役は、どのブースでも電気。背景にあるのは技術ではなく、メーカーへの罰金、運送会社の通行料と燃料費、荷主の脱炭素目標という3つの圧力です。
本セミナーでは、CES・Hannover Messeなど世界の主要展示会を長年定点観測してきたイノベーションアナリストが、プレスデーから1週間の現地取材をもとに報告します。部品・充電・電池・自動運転まで揃えて欧州に入り込む中国勢。計画が先送りされた水素と、その中で燃料電池を前に出したトヨタ。電動化の先に見え始めた物流の自動化。
会場で撮った写真と各社の公表値、EUの制度をもとに、日本の物流・メーカー・周辺産業にとっての意味まで踏み込んで解説します。
1.IAA Transportation 2026で何が起きたか -「動力をどれにするか」から「大型もEVにする」へ
(1)出展1,400社超・40か国超。プレスデーの9月14日から1週間、会場を歩いて見たもの
(2)大型トラックも電気で決まっていた:欧州大手とテスラ、どのブースも主役は電気
(3)2024年は電池・水素・LNG・バイオ燃料が横一列。2026年はBEVトラックが発売中・受注中の製品に
(4)決まったのは「主役」であって「全部」ではない:ディーゼル・ガスも併売
2.なぜ欧州は40トンのトラックを電気で走らせるのか -3つの圧力
(1)メーカーへの罰金:大型トラックのCO2規制は2030年43%減・2040年90%減(2019年比)
(2)9月14日、トラック7社のCEOが求めた「3年延期」は後退か、罰金回避か
(3)運送会社の財布:CO2連動の通行料とゼロエミッション車の減免、燃料への炭素価格
(4)荷主の脱炭素目標:Scope 3で「どう運んだか」が取引条件になる
3.充電網とTCO -「クルマを売る」から「輸送を売る」へ
(1)商用車を買う理由はTCO。公表航続はボルボ700km・テスラSemi欧州仕様550km(40t)
(2)ボルボのブースの仕分け表:1日700km・積載35t・充電の有無で電気で運行可能かを判定
(3)EUは幹線道路120kmごとに大型車用充電を義務化。メーカー自身が充電網と金融まで売る
(4)会場の外で:スウェーデンの幹線道路脇で、電動トラックはもう普通に充電していた
4.自動運転と都市 -電動化の先にある物流の自動化
(1)2026年の主役は電動化。自動運転は、その延長線上に姿を見せていた
(2)自動運転の配送車、無人配送車、港湾・製鉄所向けのレベル4電動大型トラック
(3)商用車固有の追い風:ドライバー不足と、決まったルート・決まった時間という条件
(4)都市が市場をつくる:オランダの貨物車ゼロエミッションゾーンで電動バン比率11%→78%
5.中国勢はどこまで来たか -そして水素はどこにいたか
(1)中国企業の出展は300社超(2022年は70社・中国メディア報道)。どっちを向いても中国
(2)完成車だけでなく、部品・充電器・電池・自動運転まで「全部あります」の物量
(3)中国設計・オーストリア組立の電動大型トラック:欧州の規制を参入条件に織り込む
(4)水素計画が先送りされる中、トヨタは第3世代燃料電池を前に出していた
6.日本企業にとっての意味 -Scope 3は国境を越えてくる
(1)3つの圧力のうち、日本の物流とメーカーに直接かかってくる2つ
(2)欧州の荷主に納める日本企業は、輸送のCO2データを求められる側になる
(3)欧州で商用車を売る日本メーカーは、同じCO2規制と罰金の対象
(4)電池・電力・充電・金融を事業として設計する:完成車メーカー以外にこそ波及
7.質疑応答/名刺交換


欧州を中心に、モビリティ・AI・エネルギー領域の技術調査、展示会レポート、産業動向分析を行うイノベーションアナリスト。CES/IAA Mobility/Hannover Messeなど世界の主要展示会での10年以上の現地調査をもとに、日本企業の未来戦略を支援している。企業向けセミナー登壇、行政・政府機関との国際プロジェクト、スタートアップ連携支援など、技術と事業をつなぐ活動を展開。「技術を人間の言葉で語る」スタイルに定評があり、YouTubeチャンネル「Andy Kondo-未来をほどくイノベーションアナリスト」を発信している。
Advantage Austria(オーストリア大使館商務部)シニアコンサルタント -半導体・スマートマニュファクチャリング/German Accelerator(ドイツ連邦経済省スタートアップ支援)メンター・審査員/Swissnex 技術解説員/TechBizkon(欧州4カ国共催テックスタートアップイベント)メンター・アドバイザー
https://www.andykondo.jp
https://www.youtube.com/@Andy-InnovationAnalyst
