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2026年個人情報保護法改正のポイント

8月 5日(水)
長島・大野・常松法律事務所 弁護士
日置 巴美(ひおき ともみ) 氏
2023年秋から長らく検討が進められていた個人情報保護法いわゆる3年ごと見直しは、2026年4月にようやく改正法案が提出され、5月現在、国会での審議が進んでいます。検討の過程では、見直しの議論を踏まえた4つの柱-①適正なデータ利活用の推進、②リスクに適切に対応した規律、③不適正利用等の防止及び④規律遵守の実効性確保のための規律-が示されていましたが、改正法はこれを踏襲する改正事項を含むものとなりました。利活用の側面では、AI開発を含む統計作成等の特例(いわゆるAI特例)及び個人情報取扱事業者の義務に関する例外事由の拡大があり、保護の側面では、16歳未満の子どもの個人情報に関する規律の新設、特定生体個人情報(顔特徴データ等)に関する規律の追加が挙げられます。また、これらを含む規律遵守の実効性確保のため、違法行為中止のための措置の第三者への要請、課徴金制度の導入等、監督権限及び罰則が強化されているなど、大きな改正となっています。実務への影響としては、例えば、データ処理等の委託を受けた事業者に対する規律が追加されたことから、委託契約や利用規約の改定がなされるなど、個人情報を用いて商品開発やサービス提供を行っている事業者のみならず、主として従業員情報を取り扱う事業者にも、少なからず影響があると考えられます。また、国会での審議においてAI開発のためのデータ提供に対する不安などが問題視されているなど、改正事項について消費者等の本人に配慮し、対応することを意識する必要があります。
本講演では、個人情報保護法改正法のポイントと、その実務への影響について解説します。
1.個人情報保護法の改正概要及び関連する法改正
(1)データ利活用のための政府戦略及び法改正
(2)個人情報保護法の改正概要
2.個人情報法改正ポイント
(1)適正なデータ利活用の推進
①統計作成等の特例(いわゆるAI特例)
②個人情報取扱事業者の義務に関する例外事由の拡大
(2)リスクに適切に対応した規律
①16歳未満の子どもの個人情報に関する規律の新設
②特定生体個人情報(顔特徴データ等)に関する規律
③データ処理等の委託を受けた事業者に対する規律
④漏えい等報告対象事態についての通知義務の緩和
(3)不適正利用等の防止
①特定個人への働きかけ可能な個人関連情報等(連絡可能個人関連情報)に係る規律の新設
②個人データの第三者提供に係るオプトアウト制度に関する確認義務の追加等
(4)規律遵守の実効性確保のための規律
①勧告・命令に係る是正措置の追加及び命令の要件見直し
②違法行為中止のための措置の第三者への要請
③罰則強化
④課徴金制度の導入
3.実務への影響・留意点
(1)データ利活用に関するケース(AI開発とサービス提供、医療・ヘルスケア領域での商品・サービス開発等)
(2)個人データの取扱いの委託を含む取引(漏えい等報告対象自体の対応、契約条項の見直し)
(3)従業員及びその家族の情報を取り扱うケース(本人認証等)
(4)個人情報保護委員会の権限行使への対応(プラットフォーマー・SNS事業者への要請等)
4.その他
(1)プライバシーガバナンスの実践(体制・ルールの整備又は見直しと施行準備)
(2)2026年改正と残された課題
5.質疑応答/名刺交換


弁護士(第二東京弁護士会所属。長島・大野・常松法律事務所)。
内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室及び個人情報保護委員会事務局にて、平成27年個人情報保護法改正の立案及び施行準備を担当。
現在は弁護士として、AI・データ・サイバーセキュリティ分野のビジネスへの法的サポートのほか、これらに関連する規制対応、危機管理及び紛争を含むプラクティスに携わっている。そのほか、一般財団法人GovTech東京評議員など、行政機関等、民間企業・団体及び大学その他の研究機関の委員等を務める。
近時の主な取組として、「サイバーセキュリティ関連法令Q&Aハンドブックver2.0」(内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)(現内閣官房国家サイバー統括室(NCO))の策定に関与。
