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【テレビのビジネスモデルが音を立てて崩れている】
〜放送から配信へ、激変するメディア産業の行方〜
10月30日(木)
NSI Research社 社長 北米ITアナリスト
若山(テッド)隆(わかやま てっど たかし) 氏
京都産業大学
現代社会学部 教授/学長特命補佐
脇浜 紀子(わきはま のりこ) 氏
NTV International Corporation 社長
西山 美樹子(にしやま みきこ) 氏
アメリカの放送産業は大転換期を迎えています。多チャンネル加入者の減少、スポーツのストリーミング移行、ネットワークのスピンオフ、そして地上波の存在意義の揺らぎ??。従来型のテレビ放送モデルは急速に収益性を失い、2030年には「マイナーメディア」へと転落する可能性が指摘されています。
本セミナーでは、北米の最新動向を知るアナリストと現場経営者、そしてメディア研究者が集い、米国放送の行方と日本への示唆を議論します。
<0>問題提起 脇浜 紀子 氏 【10:00〜10:03】
<1>アメリカ放送の終焉とその構造的要因 若山(テッド)隆 氏 【10:03〜10:33】
1.アメリカ放送業界の構造
・広告主、ネットワーク、ローカル局、多チャンネル事業者の関係
・再送信料と広告収益モデル
2.放送視聴の減少
・主要ネットワークとケーブルチャンネルの視聴者数激減
・スポーツ・ニュースを除くコンテンツのオンデマンド化
・FASTやSNS・ポッドキャストへの移行
3.ネットワークの放送からの撤退
・Disney、NBCU、WBDの多チャンネル部門スピンオフ
・ストリーミング事業黒字化と放送縮小
4.崩壊する地上波放送
・ドラマ制作縮小、スポーツのストリーミング化
・所有規制緩和と放送局統合(NexstarによるTEGNA買収)
・「ローカル放送」消滅の可能性とニュース制作の変化
<2>現場からの視点 西山 美樹子 氏 【10:33〜10:40】
1.若山氏の分析を受けての所感
2.アメリカ放送産業の変化を現場からどう感じるか
<3>パネルディスカッション&質疑応答 【10:40〜11:30】
1.FASTの現状と放送局への影響
2.スポーツ配信のD2C化と地元視聴の制約
3.ネットワークとローカル局の関係変化
4.所有規制緩和と再編(Nexstar-TEGNA事例)
5.ローカルニュース取材の担い手は誰になるのか
※具体的なテーマは、当日の議論の流れや参加者からの質問を踏まえて一部変更となる場合があります。
【モデレーター】 脇浜 紀子 氏
【パネリスト】 若山(テッド)隆 氏/西山 美樹子 氏
1986年に米国のエレクトロニクス分野の調査コンサルティング会社・ストラテジック社の調査部長であった日本人アナリストの若山(テッド)隆氏によって設立。現在、カリフォルニア州のシリコンバレーを拠点に、放送・通信分野をはじめコンピュータ・データ通信・コンシューマエレクトロニクス分野等を中心に調査を行い、更に調査結果の分析に基づいたコンサルティングを提供している。また、デジタル放送とブロードバンドTVの情報サービス The Compass、その他のレポートも出版している。
神戸生まれの神戸育ち、現在も神戸在住。読売テレビのアナウンサーとして「ズームイン!朝!!」の全国ネットキャスター、「ミヤネ屋」のレポーターなど、25年間にわたり報道・情報番組等を担当。阪神淡路大震災の報道経験をきっかけにメディア研究をはじめる。2016年末で早期退職し、2017年4月より京都産業大学現代社会学部教授に着任。2000年に南カリフォルニア大学修士号を、2010年に大阪大学大学院国際公共政策博士号を取得。著書に「テレビ局がつぶれる日」(東洋経済新報社、2001)、「ローカルテレビの再構築〜地域情報発信力強化の視点から」(日本評論社、2015)、「メディア・ローカリズム〜地域ニュース・地域情報をどう支えるのか〜」(中央経済社、2019、編著)。主な研究分野は地域情報・地域メディア。
90年日本テレビ入社。報道局にて記者(政治・外報)・番組ディレクター、94年にオックスフォード大留学。05年から「ズームイン!!SUPER」プロデューサーなど。12年以降、海外ビジネスに従事し、番販・新規事業・総務省事業など。