ライブ配信/アーカイブ配信(2週間、何度でもご視聴可)
超小型EVに未来はあるか?〜EUでは普及、国内でも複数社で開発・販売直前〜
9月30日(火)
株式会社Tech-T 代表取締役
(元トヨタ自動車/Samsung SDI) 博士(工学)
高原 忠良(たかはら ただよし) 氏
EUでは、二人乗りの超小型EVが年間1万台以上販売されています。域内で複数のブランドから発売されており、14歳ないし15歳以上では運転免許無しで運転可能で、新たな移動手段として認知されています。軽量化対応のため車体外板はすべて樹脂製であり、コスト低減狙いで無塗装仕様のみでした。
日本では一人乗り、いわゆる原付四輪車が、乳飲料の宅配や構内車両として多数活用されています。また、二人乗りあるいは四人乗りの超小型EVがカーシェアとして提供されています。国内では複数の会社で開発が進んでおり発売間近です。当社の現地調査では、中国の地方都市や東南アジアで小型EVが拡大期にあると推定しています。一方、日本では発売から3年足らずで生産停止になる車両もあり課題感も透けて見えます。
気軽で利便性が高い、脱炭素に貢献する、新たな移動手段として期待される一方で、価格対機能や法規対応などの課題もあります。豊富な試乗や実車確認結果も踏まえて、可能性と課題を解説いたします。
1.EUの超小型EV
(1)Citroen AMI 試乗動画で紹介、そのほかの類似車両
(2)樹脂製の車体を中心に分解・分析調査結果
(3)EUにおける規格/カテゴリー
2.日本の超小型EV
(1)すでに発売済み車両紹介
トヨタ車体(アラコ) コムス、その歴史から環境にやさしい新車体まで
トヨタ C+pod/Fomm One 試乗動画で紹介
(2)開発中の車両紹介
KGモーターズ mibot/エイム EVM 展示車両を動画で紹介
(3)日本における規格/カテゴリー
3.中国地方都市や東南アジアで普及が進む小型EV
4.想定される用途
(1)交通弱者の足
(2)安価で簡便な新交通手段、島しょ部など
(3)気軽な足 家庭で充電、駐車スペースもわずか
(4)真のカーボンニュートラル(走りに特化、カーシェア・共用化)
5.普及の課題と今後の見通し
(1)規格と安全・軽量化、申請と認可
(2)価格
(3)品質・機能の割り切り
(4)軽量化のための樹脂化(車体外板、ガラス)
6.質疑応答
※最新動向により内容の一部を変更する場合があります。
トヨタ自動車においては、バンパやインパネ、ガソリンタンクなどのプラスチック材料や成形加工の開発と量産化、さらにその評価のためのデジタル技術の構築と実務展開に従事しました。その後、韓国サムスン系の第一毛織(現ロッテ先端素材)では、エンジンプラスチックの自動車用途開発を担当し、日本・中国・タイの自動車メーカと協業しました。2020年からは、株式会社Tech-Tにて今後の車載プラスチック動向の調査分析と情報発信に取り組んでいます。特に近年は各種EV・FCVの試乗評価。中韓の現地調査などを元にオリジナルの視点でコメントを発信しています。プラスチック成形加工学会、自動車技術会 会員。
新日本無線株式会社(現社名:日清紡マイクロデバイス) 高融点金属・セラミックの研究。トヨタ自動車 樹脂部品生産&材料・加工技術・CAE開発。Samsung SDI(韓国本社) エンプラ研究所。大手自動車メーカ 研究所 次世代車要素技術開発。2017年〜2025年3月 埼玉工業大学 客員教授。2020年〜現職 株式会社Tech-T(ビジネスブランド名:技術オフィスTech-T)設立。