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欧州ELV規制の動向と〜規制と業界動向、技術の最前線、ビジネス視点での理解〜
9月 2日(火)
株式会社Tech-T 代表取締役
(元トヨタ自動車/Samsung SDI) 博士(工学)
高原 忠良(たかはら ただよし) 氏
PETボトルの軽量・携帯性、日々購入する食料品の衛生面など、プラスチックは重要な役割を担っています。自動車でも車内で見渡すほとんどすべての部品はプラスチック製です。電気自動車や水素燃料自動車も、バッテリーや水素タンク、電装品の絶縁や筐体など、プラスチック無しでは成り立ちません。一方で、海洋汚染やマイクロプラスチックなど、プラスチックの弊害が取りざたされています。さらには、温室効果ガスとなる化石燃料由来のプラスチックはその使用さえも問題視されています。
確実なリサイクル、化石燃料の使用量低減や再生可能材料への置き換えなどが推進されています。単なるリサイクルやカーボンニュートラル対応から、それらの取り組みが経済合理性に合致して持続可能なビジネスに落とし込む循環経済が最終的な絵姿となっています。
環境先進地域であり、同時に規制による世界的な優位性を追求している欧州から、寿命となった車の確実な循環活用を目指しての規制案が出されています。EUのELV規則案です。
我が国ではその対応をも視野に入れて、政府系や業界団体、さらには個社での取り組みが進んでいます。これらの取り組みは多岐に渡るとともに相互に関連するなど輻輳しています。
車載プラスチックにフォーカスしたセミナーを企画しました。最新動向や今後の取り組みの参考となる具体事例の解説・紹介のセミナーとなっています。
1.プラスチックの功罪のおさらい
(1)美ら海水族館での体験 (2)ヤクルトの宅配 (3)プラスチックを車載で活用するメリットと注意点
2.リサイクル、カーボンニュートラルとサーキュレーター
(1)リサイクルの種類 : 水平/カスケード/ケミカル/サーマルリサイクル (2)共通点と相違点
3.車載プラスチックの海外での規制動向
(1)EU ELV ・これまでの検討経緯 ・2025年1月修正案 (2)中国の現状
4.日本における規制と業界動向
(1)規制法規 (2)環境省、経産省等や業界団体 (3)産学官の取り組み状況 (4)主な取り組み例
5.技術最前線 -個社の対応を中心に事例紹介
(1)プラスチックのリサイクル (2)プラスチック使用量の低減、バイオへの置き換え (3)易解体性
6.サーキュラーエコノミー
(1)トヨタ自動車・ホンダ・日産自動車の取り組み状況 (2)産学官連携による「日本目線」での動向
7.質疑応答
※最新動向により内容の一部を変更する場合があります。
トヨタ自動車においては、バンパやインパネ、ガソリンタンクなどのプラスチック材料や成形加工の開発と量産化、さらにその評価のためのデジタル技術の構築と実務展開に従事しました。その後、韓国サムスン系の第一毛織(現ロッテ先端素材)では、エンジンプラスチックの自動車用途開発を担当し、日本・中国・タイの自動車メーカと協業しました。2020年からは、株式会社Tech-Tにて今後の車載プラスチック動向の調査分析と情報発信に取り組んでいます。特に近年は各種EV・FCVの試乗評価。中韓の現地調査などを元にオリジナルの視点でコメントを発信しています。プラスチック成形加工学会、自動車技術会 会員。
新日本無線株式会社(現社名:日清紡マイクロデバイス) 高融点金属・セラミックの研究。トヨタ自動車 樹脂部品生産&材料・加工技術・CAE開発。Samsung SDI(韓国本社) エンプラ研究所。大手自動車メーカ 研究所 次世代車要素技術開発。2017年〜2025年3月 埼玉工業大学 客員教授。2020年〜現職 株式会社Tech-T(ビジネスブランド名:技術オフィスTech-T)設立。