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【参入前に押さえたい“制度リスクと資金構造”の核心】
〜規制・許認可からスキーム設計・ファイナンスまでを体系的に解説〜
7月17日(木)
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業
パートナー弁護士
杉山 泰成(すぎやま やすなり) 氏
漁業生産量の減少傾向が継続する我が国において、自然災害によるリスクや環境負荷を軽減しながら水産資源保護に対応できる陸上養殖が注目を集めている他、企業の一次産業参入の手法としてもアトランティックサーモンやウナギなどの(陸上)養殖企業・施設への出資、JV参加などが活発化しつつある。
このような事業スキームや参加当事者の多様化に伴い、各種養殖事業の特性・規制に対応した事業体の組成・マネジメント、資金調達方法等に関する法的分析の重要性が高まる一方で、水産業関連の規制法・特別法と会社法・金融法を横断的に整理・分析したリーガルインフラの整備は十分ではないことが、事業開始までの必要期間・コスト増の大きな要因の一つとなっている。
本セミナーにおいては、養殖対象となる主な水産物や養殖場所・方法に応じて、検討すべき法的規制・実務的要請を概説するとともに、参加企業のニーズを踏まえた事業体や投融資スキームの許容性・問題点等について紹介する。
1.養殖業に関する法規制等の概要
(1)陸上・内水面・海面養殖事業参入に関する法的規制
・漁業の分類に応じた漁業法、内水面漁業振興法等の適用範囲と主な規制
・ウナギなど特定の品種に着目した規制の紹介
・養殖ビジネスの各フェーズ(採捕、養殖、販売)における持続的養殖生産確保法その他の適用法令の分析
(2)水産物のトレーサビリティに関する規制
2.養殖漁業に対する投融資ストラクチャー
(1)養殖ビジネスの事業主体に関する考察
・漁業実施主体と投資家との関係
・漁業関連の許認可の法的性質と承継・新規取得の可否(M&A取引の許容性)
(2)エクイティ出資の方法
・JV方式、ファンド出資
・特別法(投資円滑化法)に基づくファンド出資
(3)デット投資の類型と考察
・コーポレートファイナンス/アセットファイナンス/プロジェクトファイナンスによる調達方法
・養殖漁業プロジェクト・ファイナンスの可能性と実現のための法務対応
(4)想定される取引ストラクチャーの紹介と法務面からの検討
3.質疑応答/名刺交換
1994年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、1996年弁護士登録、2001年コロンビア大学ロースクール卒業(LL.M.)、2001年〜2002年ニューヨークのLatham & Watkins法律事務所に勤務、2002年〜2003年ロンドンのNorton Rose法律事務所に勤務、2021年〜農林水産省SBIRメンター
[主な著書・論文]『陸上養殖の現在と未来-産業普及・環境対応・収益化の取組から閉鎖循環式陸上養殖等システム動向、参入知識、飼育事例まで』(共著、情報機構、2024年)、『アグリ・フードビジネスの法実務 食農のサステナビリティとイノベーションを支える法戦略〜』(共著、金融財政事情研究会、2023年)、「投資円滑化法改正と金融機関による投資対象・投資スキームの拡大について〜農林漁業法人、アグリ・フードテック、バリューチェーン企業への組合出資〜」(共著、銀行法務21、876号、2021年)