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【生成AI時代のデ-タ活用のあり方】
〜最新動向を踏まえ、リスクとチャンスを把握する〜
7月16日(水)
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業
フランクフルト&デュッセルドルフ事務所 共同代表
パートナー弁護士
石川 智也(いしかわ のりや) 氏
本講演は、直近のEuropean Data Union Strategyの提唱や法制の簡素化の動向を含め、EUのデータ戦略の変遷を解説し、EUのデータ利活用法制の全体像・現在地と、ビジネスへの影響をつかんでもらうためのものである。
例えば、EUデータ法の下でコネクテッド製品の利用者が製造者保有のデータの解放を要求できるようになると、製品販売後のデータ分析によるコンサル等で高い利益を確保できなくなり、ビジネス構造に変化が起こる可能性がある。また、データガバナンス法等の下で公的機関が保有するデータの利用可能性が広がれば、新たなサービスが提供できる可能性がある。このようなリスクとチャンスが生じる可能性、ビジネス視点での対応のポイント、今後何をフォローするべきかを解説する予定である。
1.データ戦略の変遷
(1)2020年以前:欧州データ戦略以前
(2)2020年〜:欧州データ戦略(European Data Strategy)
(3)2025年〜:欧州データ連合戦略(European Data Union Strategy)
2.データ流通のための課題と解決策
(1)技術的障壁
(2)市場の失敗
(3)トラストの欠如
3.データ利活用法制の全体像 〜強制データ解放と、データ流通を巡る規律を中心に〜
(1)オープンデータ指令:公的オープンデータの解放
(2)データガバナンス法:オープンデータ以外の公的データの解放、データ仲介事業者、データ利他主義組織
(3)データ法:IoT製品から生じるデータの解放
(4)EHDSなどセクター別法令の動向
4.もたらされるリスクとチャンス、その対応
(1)データ法のリスク 〜GDPRの産業データ版と呼ばれることもあるが、真のリスクは高額制裁金ではない
(2)データ法によって産業構造の変化は起こるのか
(3)公的機関が保有するデータの流通可能性と課題
(4)データ仲介事業者の可能性
5.2024年冬以降の第2次フォン・デア・ライエン政権の下でのデータ関連の政策の動向
(1)欧州データ連合戦略
(2)デジタル法制のSimplification
(3)Digital Package
6.今後何をフォローするべきか
7.質疑応答
2020年よりドイツ在住。EUのデジタル分野における法令・政策に明るく、データ駆動型社会におけるデータの取扱いを研究している。グローバルでのプライバシーガバナンス・AIガバナンスの体制構築や、各国のデータ保護監督当局への報告が必要となる大規模なサイバーアタック事案への対応等を数多く手がけている。個人情報保護委員会の「個人情報保護政策に関する懇談会」会員を務めるほか、日系企業のData Protection Officerやデジタル分野のアドバイザーにも多く就任している。日本経済新聞社が実施した2024年版「今年活躍した弁護士ランキング」において、AI・テック・データ部門第2位。
2005年 東京大学法学部卒業、2006年弁護士登録。2015年バージニア大学ロースクール卒業(LL.M.)、2016年 ミュンヘン知的財産法センター卒業(LL.M.)。2017年ニューヨーク州弁護士登録。