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マテリアルDX時代のデータ基盤と利活用〜データ駆動型材料研究のデータインフラ(DI)の最新動向〜
6月20日(金)
国立研究開発法人 物質・材料研究機構
マテリアル先端リサーチインフラセンターハブ
代表(センターハブ長)
松波 成行(まつなみ しげゆき) 氏
AIを活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)やケモインフォマティックス(CI)は、これまで主に計算データに依存してきましたが、実験の再現性を高め予測モデルの精度を向上させるには、質の高い実験データの体系的収集とそれを省人的に運用できるデータインフラ(DI)の構築が不可欠となっています。
本セミナーでは、物質・材料研究機構が実践しているデータ基盤の事例をもとに、データインフラの設計思想を解説します。計測装置からの効果的なデータ取得手法、データ構造化の戦略的方針、そして研究プロセス全体を支える統合的なデータインフラの構築まで、実務に即した実践的アプローチをご紹介します。
1.データ構造化の必要性 -Why データインフラが重要か-
(1)デジタル時代の科学技術データ環境の変化
(2)マテリアルDXにおけるデータ利活用の最新動向
(3)データ収集の障壁を乗り越える
(4)科学技術分野データ収集の「三重苦」とその突破口
(5)イノベーション促進のためのデータ構造化・設計アプローチ
(6)成功するデータ構造化の重要ポイント
2.データインフラがもたらす研究変革 -What を実現できるか-
(1)次世代データ構造化システムの全体像
(2)データインフラ構築のシステム設計思想
(3)研究機器の効率的分類と統合手法
(4)データ構造化による自動化の実践事例
(5)先進的データセット活用シナリオ
(6)データインフラ導入による具体的メリットと投資対効果
3.データインフラ構築の実践的アプローチ -How を実現するか-
(1)成功するデータ構造化のための「5D」フレームワーク
(2)研究データセットの最適基本設計
(3)計測分野特化型データ空間の設計と展開戦略
(4)データ取得工数の最適化と省力化技術
(5)持続可能なデータ設計の原則と指針
(6)データインフラ開発・展開の段階的アプローチ
4.質疑応答/名刺交換
1998年 北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程修了(博士・地球環境科学)。三菱化学、ソニーを経て、2015年より物質・材料研究機構に調査分析室長として着任。その後、同統合型材料開発・情報基盤部門参事役を経て、2023年より現職。マテリアルDXの第一線で、データエンジニアリングとして科学技術分野におけるデータDX基盤のシステム設計を主導。特に、研究データの収集・蓄積・流通を最適化するデータアーキテクチャの設計と、Pythonを活用したインフォマティクス応用の実践的開発に従事。その科学技術データインフラ構築の功績により、令和7年度文部科学大臣表彰・科学技術賞(科学技術振興部門)を受賞。