SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

■ライブ配信  ■アーカイブ配信(開催日の3日以降)

CO2削減が待ったなしの中、
いよいよ動き出した各国の電動車展開戦略

〜自動車のあるべきシナリオ(〜2050年)と今後進めるべき対応策〜

No.
S21047
会 場
会場受講はございません

開催日
2021年 2月 8日(月) 13:00~16:30 終了済
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受講料
1名につき 33,660円(税込)
同一のお申込フォームよりお申込の場合、2人目以降 27,500円(税込)
備 考
※会場受講はなしとなりました。

■ライブ配信について
<1>Zoomにてライブ配信致します。
<2>お申込時にご登録いただいたメールアドレスへ視聴用IDとPASSを前日までに
   お送り致しますので、開催日時にZoomへご参加ください。

■アーカイブ配信について
<1>開催日より3日以降に配信致します。
<2>お申込時にご記入いただいたメールアドレスへ収録動画配信のご用意ができ次第、
   視聴用URLをお送り致します。
<3>動画の公開期間は公開日より2週間となります。

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2月 8日(月) 終了済

CO2削減が待ったなしの中、いよいよ動き出した各国の電動車展開戦略

愛知工業大学 工学部 客員教授 [元トヨタ自動車(株)] 博士(工学)
藤村 俊夫(ふじむら としお) 氏

13:00~16:30

[セミナー参加対象者]
・企業で技術戦略を立案されようとしている方  ・これからの自動車及びシステム、部品開発に携われている技術者の方
・企業で経営方針立案に携わっている方

[セミナーで得られる知識]
・エコ社会実現に向けCO2低減は待ったなしの超緊急課題であり、自動車、電力セクターの責務は非常に大きいこと
・パリ協定自主目標、さらに規模しい国連気候行動サミットに目標を達成するために必要な、あるべきCO2基準強化案の考え方
・各国政府が掲げる野心的な電動化戦略と、CO2削減基準との大きなギャップおよびそれが生まれる理由
・今後電動車の中でも、技術完成度とユーザーニーズを考慮するとHVが現実解であり、EVは超小型のLSEVが主流となり、
エンジン車においても石油系燃料からカーボンニュートラル燃料への早急な転換が必要となる理由

[重点講義内容]
 地球温暖化による気候変動が、人類の生活に甚大な影響をおよぼし脅威を増す中、2016年にパリ協定が発効されたにもかかわらず、CO2排出量はいまだピークアウトせず、産業革命以降の平均気温は既に1℃上昇している。2019年9月の国連気候行動サミットにおいては、パリ協定で合意した『平均気温上昇2℃以下とし1.5℃を努力目標』では気候危機の連鎖を食い止めれないとの解析結果をもとに、『1.5℃以下必達』にあらためることが各国に提案された。それを受け先進国、新興国の大半は、国連が提示する『2030年までにCO2を現状の45%まで低減、2050年に排出ゼロ』をコミットしたのである。
 コロナウイルスの蔓延により経済はリーマンショックを上回るダメージを受け、多くの方々が亡くなられたが、一方で経済活動の停滞により環境が改善し、美しい地球が戻ったという報道が各国より寄せられ、CO2も前年比で?7%と初めて減少に転じた。温暖化とウイルスは無縁ではなく、北極圏の永久凍土が溶ければ、そこに封じ込まれた2万数千種類の未知のウイルスと細菌が地表に出てくる。温暖化に歯止めをかけなければ、自然災害とウイルスの蔓延という脅威が年々拡大し、経済成長どころではなくなるのである。
 持続可能な社会の実現に向け、CO2削減は待ったなしの緊急課題であることは自明であり、自動車産業のみならず、エネルギー、電力などすべての産業は環境改善と経済成長を目指した変容が必要になる。世界全体の排出量330億トンの内18%を占める4輪車は、エンジン車の燃料を石油系からカーボンニュートラル燃料等に転換し、併せて技術の完成度を見極めながらクリーンな電動車への普及拡大を進めることが必要となる。また、40%を占めるエネルギー資本/電力セクターは、化石燃料からカーボンニュートラル燃料、再生可能エネルギーへの転換が急務である。自動車メーカ、エネルギー資本、電力セクターは、一丸となってこの難局を乗り越えていかねばならない。
 2016年パリ協定の発効、2109年国連気候行動サミットでの提示、およびコロナ禍で拍車がかかったこともあり、主要国政府の大半は2030年から2035年までにエンジン車を廃止するという野心的な目標を表明した。ここでは、それらの表明に至った背景について解説し、果たして技術の完成度、ユーザーニーズ、雇用、資源なども考慮した時に、エンジン車廃止がCO2を削減するための現実的な解となり得るのかを紐解きたい。併せて、CO2削減目標を達成するための現実的な戦略も提示する。

<第1章>CO2低減は待ったなしの緊急課題!
 1.世界のCO2排出と気候変動への影響
 2.国・地域別CO2排出量とセクター別CO2排出量
 3.2019年9月、気候行動サミット受け、各国が表明したCO2削減目標
 4.パリ協定でのCO2自主削減目標より厳しい目標への見直しの必要性(気候行動サミット)
 5.今後の1次エネルギー消費予測と削減シナリオ
 6.今後の電力セクターのエネルギーミックスシナリオ
<第2章>各国・地域の自動車販売予測とCO2基準の妥当性は?
 1.世界の今後の新車販売台数増減要因と地域・国別の販売台数予測
 2.乗用車(保有)と商用車(利用)比率の今後の推移の予測
 3.自動車を取り巻く環境と対応技術の俯瞰
 4.自動車用エネルギーの多様化 ?化石燃料から低炭素燃料/エネルギーへ?
 5.各国・地域における、2021〜2030年までのCO2基準値  
 6.パリ協定自主目標を達成するために必要な2030年にむけてのCO2基準強化案
 7.2021年CO2規制対応で苦境に喘ぐ欧州メーカと欧州連合の救済措置としてのPHV導入、
  EV/PHVへの補助金の拡大とスーパークレジットの導入
<第3章>エンジン廃止で2030年CO2 45%削減 、2050年排出ゼロを達成できるのか?
 1.世界の主要メーカにおける2019年の電動車導入状況 
 2.次世代車の大分類と個々の課題と対応技術
 3.次世代車のコスト/航続距離/重量/コスト比較と展開難易度  
 4.各国の電力セクターのエネルギーミックス考慮した、EVのWtWCO2の分析
 5.今後のエンジン車と次世代車(HV、PHV、RE、EV、FCV)の導入優先順位
 6.エンジン用カーボンニュートラル燃料の開発動向
 7.水素化社会実現に向けた各国の動向
 8.各国政府、自動車メーカが表明する電動車展開戦略の分析と課題
<第4章>あるべき将来シナリオ
 1.世界の自動車のあるべきシナリオ(〜2050年)と投入技術の道筋
 2.上記シナリオによるパリ協定CO2自主目標達成の可能性と年率削減率とは?
 3.各国・地域(先進国と新興国)ごとの自動車のセールスミックス(〜2050年)
 4.補助金に支えらえてきた世界のZEV(EV、PHV、FCV)販売動向と今後のあるべき施策
<第5章>まとめ
 政府への提言と自動車産業が今後進めるべき対応策

藤村 俊夫(ふじむら としお) 氏
1980年に岡山大学大学院工学研究科修士課程を修了し、トヨタ自動車工業入社。入社後31年間、本社技術部にてエンジンの設計開発に従事し、エンジンの機能部品設計(噴射システム、触媒システムなど)、制御技術開発およびエンジンの各種性能改良を行った。2004年に基幹職1級(部長職)となり、将来エンジンの技術開発推進、将来エンジンの技術シナリオ策定を行う。2011年に愛知工業大学工学部に出向(その後2015年に転籍)し、機械学科教授として熱力学、機械設計工学、自動車工学概論、エンジン燃焼特論の講義を担当。2018年4月より愛知工業大学工学部客員教授となり、同時にTouson自動車戦略研究所を立ち上げ、自動車関連企業の技術顧問、技術コンサルティング、自動車技術動向関連の寄稿、エンジン関連書籍の執筆、各種セミナー、講演会などを行う。 
活動(研究歴、所属学会、著書など) 2001年「ディーゼル新触媒システム(DPNR)」で日経BP賞技術賞エコロジー部門賞受賞。2003年「ディーゼルPM、NOx同時低減触媒システムDPNR」で日本機械学会技術賞受賞。自動車技術会 代議員/論文校閲委員、日本機械学会( 2017年3月までエンジンシステム研究会主査) 。著書 サーマルマネージメント材料技術(サイエンス&テクノロジー2019年7月)他。