今後10年間の「市場の姿」「登場する商品」「支える技術」を見通す
テクノロジー・ロードマップ2026-2035 全産業編
■概要■
刊行13年目の全面刷新、さらに分かりやすく132の市場ニーズと商品・技術の進化を展望「市場ニーズ」を展望し、それらを満たす「商品機能」を見出し、その機能を実現するための「技術」を提示する。『テクノロジー・ロードマップ 全産業編』はこのアプローチで、重要な技術テーマについて、今後10年進化していく「市場」「商品」「技術」の姿を展望しています。
2013年の刊行以来、毎年アップデートを続け、これまでに2000を超える企業や研究機関に活用いただいています。今回、書式を刷新しました。
未来像が一目で分かるように、市場・商品・技術の10年後の姿とそこに至るマイルストーンを明記した図版をすべてのテーマに入れています。
取り上げる技術テーマ数は132。サプライチェーンBCM、社会インフラ強靱化、住宅のリスクガバナンスなどを加えます。テーマの見直しと同時に、AIなど新技術の進展と実装を踏まえ、各テーマのロードマップをすべて改訂しています。
「第1部 未来課題・業際編[ソーシャル・イノベーション]」では、社会や経済、環境あるいは人間そのものについてイノベーションを起こすテーマを取り上げ、「第2部 業種・業界編[インダストリー・イノベーション]」では「モビリティー」「医療」「健康」「ロボット」「エレクトロニクス」「情報通信」「材料/製造」「金融」などの業界でイノベーションを起こすテーマを選んでいます。技術系企業が競争優位に立つための戦略ツールとしてぜひ、ご活用ください。
■著者■
出川 通 ほか97名
<序章>「テクノロジー・ロードマップ」の考え方と活用法
【第1部:未来課題・業際編[ソーシャル・イノベーション]】
イノベーションを起こすカギは未来の課題に取り組むこと。
社会や経済の安全保障、ネイチャーポジティブ、ヒトの能力拡張など、複数の産業界にまたがる重要領域の今後10年を展望する。
AI時代を迎え、改めて無人化/省力化を考える必要もある。
<1>社会・経済安全保障
社会や経済の安全保障は2035年に向けて取り組まないといけないテーマである。社会インフラを強靱化する、サプライチェーンを持続させる、都市の安全を守る、災害を予測する、といった動きが進む。
守る対象は都市からサイバー空間、そして宇宙へ広がる。
1.サプライチェーンBCM
2.社会インフラ強靱化
3.住宅のリスクガバナンス
4.安心・安全スーパーシティ
5.防災DX
6.人流データ活用(ロケーション・インテリジェンス)
7.台風制御/台風発電
8.サイバーセキュリティー
9.宇宙インフラストラクチャー
10.トレーサビリティー
<2>ネイチャーポジティブ
自然を再興しつつ、経済を回すことも2035年に向けて重要である。
環境保護に加え、自然から得られる物の価値を高め、無駄な消費や廃棄を避け、社会へのインパクトを強める。
複数の産業、例えば林業と建設業が連動する。
1.インパクト情報管理
2.食の安心・安全
3.代替フード
4.環境保全型農業
5.サーキュラーエコノミー
6.森林産業
<3>グリーンイノベーション
カーボンニュートラルを目指し、太陽光発電を多彩な用途に使うために次世代太陽電池のニーズが高まり、公民で後押しする動きが加速する。
リチウムイオン電池を超える特性を持つ全固体電池の開発に期待がかかる。
核融合への挑戦も本格化する。
1.核融合エネルギー
2.有機系太陽電池
3.全固体電池
<4>ヒトの能力拡張
労働人口が減っていく中、ヒトの能力拡張は必須である。AI(人工知能)とヒトの協働活動が進み、生産性が高まる。ゼロから何かを作り出すイノベーターが求められる。生き生きと活躍する状態、ウェルビーイングやエンゲージメントの取り組みが進む。
1.AIとヒトの協働
2.変革(ゼロイチ)人材育成
3.リカレント教育
4.ウェルビーイング経営
5.エンゲージメント
6.シニア・ウェルビーイング
<5>エンターテインメント
人々に幸せや楽しみを届ける、これはあらゆる業種・業界のテーマであり、テクノロジーを使う最終目的とさえ言える。デジタル技術の広がりにより、実現できなかったことが実現でき、スポーツや観光、コミュニケーションが変わり、新たな体験が可能になる。
1.ITスポーツ
2.自由視点映像
3.観光地域づくり
4.シェアリングエコノミー
5.Web3.0/Web4.0
6.エンタメテック
7.香りビジネス
8.ブレインマーケティング
<6>DX
製造業はAIやメタバース、デジタルツインを取り入れ、問題解決を急ぐ。
物流の業務負荷の軽減も急務である。データとデジタルIDを駆使し、マーケティングを変える。社会資本や公共サービスの変革を自治体が推進する。
1.デジタルツイン
2.自治体DX
3.製造DX
4.物流DX
5.マーケティングDX
6.デジタルID
7.教育とICT(EdTech)
<7>無人化/省人化
AIが実用になり、改めて仕事の自動化が重要になる。
2025年以降、日本の生産年齢人口が急減する中、熟練者の技術を継承する、エキスパートの力をネットワークを通じて遠方でも生かす、といった取り組みが進む。
1.熟練者の技のデジタル伝承
2.遠隔地からの業務遂行(遠隔オペレーション)
3.業務の自動化と自律化
<8>時空/意識の超越
メタバースを中心にサイバーネットワークの連携が進み、AIエージェントが使われ、ヒトの認知機能(知性・情動・意思)が拡大、デジタル空間を生きる時代が近づく。人々のライフログを共有することで個人、社会の過去や未来の動向を推定できる可能性が高まる。
1.VR/メタバースの世界
2.基盤化するメタバース
3.生活を支えるAIエージェント
4.AIとの協調・融合による認知拡張
5.次世代インタフェース(新世代VR)
6.サイバーフィジカルな現実を生きる
7.メタバース内で生きる
【第2部:業種・業界編[インダストリー・イノベーション]】
11の業種・業界について今後イノベーションが起きるテーマを選び、そこに至るロードマップを示す。自社からすると他業種・他業界のロードマップであっても必ず何らかの示唆が含まれる。
テクノロジーは業種・業界の垣根を越えるからである。
<9>モビリティー
クルマ自身の進化に加え、製造技術、道路や給電なども革新される。
環境への負荷が軽く、都市の持続力と災害への対応力を高める交通の仕組みが整う。異業種連携も進む。例えば交通事業者が福祉事業者や小売業者を巻き込み、新たな移動手段を提供する。
1.eモビリティー時代の新基幹技術
2.空間伝送型ワイヤレス給電
3.スマートモビリティー
4.AIとモビリティー
5.遠隔運転
6.パーソナルモビリティー
7.空飛ぶクルマ
8.HEV/PHEV/BEV
9.ワイヤレス給電(EV/PHEV)
10.電化道路(走行中ワイヤレス給電)
11.ADAS-PM
<10>医療
医療へAIが使われ、ロボット手術、看護アシスタント、入院ワークフローアシスタントなどが登場する。生体と環境から情報を
得て、解析するサービスが出現する。がん疾患において
デジタル治療製品の開発が進む。
1.AIと医療
2.先制医療
3.機能補完/拡張医療
4.遺伝子解析医療
5.ゲノム編集
6.がん医療(予防・診断・治療)
7.在宅医療
8.遠隔医療/オンライン診療/デジタル療法
9.スマート治療室
10.先進医療機器
<11>健康
ヘルスケアや生き方を支援する個人向けサービスビジネスが増える。
独居の高齢者が急増し、自宅・施設での見守りが急務となる。
高齢者の心身に関わる孤立を防ぐ会話ロボットなどコミュニケーション
AIが普及していく。
1.未病対策/個別化予防
2.予防医療
3.見守り/宅内外センシング
4.認知症対策
5.AIプロテオミクス
6.ウイルス検査
7.体内時計とサーカディアンリズム
8.非侵襲型生体センサー
<12>ロボット
サービスやコミュニケーションの分野でロボットが活躍する。
高齢化に伴い、介護ロボットのニーズが増大する。働き手が不足する問題の解決にもロボットは貢献する。ロボットが動きやすい都市の整備も始まる。
1.ロボットフレンドリーシティ
2.コミュニケーションロボット
3.介護ロボット
4.協働ロボット
5.配達ロボット
6.ソフトロボティクス
7.新世代スマートコンパニオン
<13>エレクトロニクス
パワー半導体を中核とするパワーエレクトロニクスが発展する。
医療用の貼り付け型センサーと他のデバイスの組み合わせにより、高精細情報の収集が可能になる。技術の発展を受け、作業の生産性を上げるために視覚・聴覚・認知を拡張するサービスなどが普及する。
1.次世代パワー半導体
2.次世代パワーエレクトロニクス
3.ヘッドマウントディスプレイ
4.ウエアラブル/ペースタブル
5.パーソナルセーフティー
<14>情報通信
量子コンピューターは着実に進化し、通信ネットワークも発展し、あらゆる領域にデジタル技術が入り込む。住宅の保守を支援するデジタル技術が開発される。製造業では製造工程にプライベートネットワークの導入が進む。
1.量子コンピューター
2.E4I(Edge for Industries)
3.次世代放送
4.ホームメンテナンス
5.プライベート5G
6.超高速無線通信
7.スマホ衛星通信
<15>材料/製造
バイオとデジタルの融合が進み、データ駆動型の製造業へ進化が始まる。
スマートセルや生産プロセスが可能になり、AI利用も進む。材料開発をデータ駆動型にするマテリアルズ・インフォマティクスも本格化する。
1.マテリアルズ・インフォマティクス
2.生分解性プラスチック
3.AIロボット駆動型ものづくり
4.スマートセル・バイオものづくり
5.3Dアディティブ・マニュファクチャリング(3D-AM)
6.Internet of Tools
<16>金融
シェアリングエコノミーや副業容認の流れが広がり、組織中心の中央集権型から個人中心の自律分散型に社会構造が変わり、金融もそれに合わせて新たなサービスを提供していく。
個人のクレジットのスコアリング、個人向け資産運用サービスが広がる。
1.ブロックチェーン
2.株価予測
3.クレジットスコアリング
4.個人資産運用
<17>農業/食品工業
AIやロボットにより、「夜間の農作業」の可能性が広がる。
細胞や微生物を育てる細胞農業も発展する。食料、エネルギー、感染症対策といった重要課題にバイオテクノロジーが活用されていく。
感染対策にもなる機能性表示食品が登場する。
1.健康食品
2.AgriFood Tech
3.細胞農業
4.バイオエコノミー
5.スマート農業
6.アグロメディカルフーズ
<18>社会インフラ
水素やアンモニアの活用が進む。送配電への投資も増える。ガス産業のメタネーション技術の開発が本格化する。新興国では浄水・海水淡水化への要望が高まる。一方、先進国ではエネルギー施設を効率よく更新あるいは縮小する方向へ動いていく。
1.気象・微気象情報インフラ
2.水素・アンモニア産業
3.電力産業
4.ガス・メタネーション産業
5.運輸・交通産業
6.水ビジネス産業
<19>航空宇宙
国際協力による月・火星探査や民間企業の月面ペイロード輸送が実施され、宇宙探査が民間で主導されるようになる。NASAは2030年以降、民間運営の宇宙ステーションを利用する意向である。
1.軌道上サービス
2.宇宙居住技術
3.太陽系探査
4.小型衛星
5.リモートセンシング
6.測位衛星システム
7.ロケット
8.スペースコマース
9.宇宙コンテンツ
10.新世代ドローン(無人機)
11.グリーン旅客機
12.超音速旅客機