陸海空の水素モビリティとWoven Cityの動向
株式会社Tech-T 代表取締役/埼玉工業大学 客員教授
(元トヨタ自動車/Samsung SDI) 博士(工学)
高原 忠良(たかはら ただよし) 氏
ここ1年の間にもトヨタからはクラウン、ホンダからはCR-Vをベースとした燃料電池自動車(FCEV)が発売された。フランスStellantisは、複数ブランドでプラグインハイブリッド式のFCEV商用バンを販売している。HyundaiのNEXOが累積販売台数で圧倒的なグローバルNo1であり、韓国内の水素ステーションは、あっというまに日本の2倍に増加している。韓国Doosanのアフリカでの水素ドローンによるへき地への医薬品運搬はもはやだいぶ以前の事例となり、一方で関西大阪万博では岩谷の水素船の運行が話題となっている。現地取材からは東京でもソウルでもFCEV路線バスを日常的に見かける。現状整理が求められるほど多種多様の陸海空モビリティが試行・実用化されている。
日米欧中で展開されているトヨタ自動車の水素ファクトリーはもはやモビリティとどまらない。トヨタが東富士で挑戦を始めるスマートシティ、Woven Cityでも水素の活用を視野に入れている。韓国Hyundaiもトヨタ同様に水素を作る・運ぶ・使いとのエネルギービジネスとしての展開を始めている。
現地調査や関係者インタビューを交え、水素モビリティの現状を整理の上、さらに話題となっているスマートシティなど水素エネルギー社会の視点で現状を整理する。
[セミナー参加対象者]
・FCEVや水素エンジン車に興味のある方、調査を進めている方
・モビリティを脱炭素の視点で整理したい方
・高圧水素タンクを始め、水素エネルギービジネスを探索している方
・水素の利活用に興味がある方
[セミナーで得られる知識]
・陸海空モビリティの現状の概要
・市販FCEVの現状整理、メーカや車両の特徴、販売台数など
・FCEVや水素ステーション普及の現状と課題
・水素燃料自動車、水素エンジン、e-FUELガソリン車の整理整頓
・水素普及の課題
[アジェンダ]
1.脱炭素視点での自動車エネルギーの整理
(1)脱炭素が求められる背景
(2)駆動方式とエネルギー源、水素とe-FUELの位置づけ
(3)BEVとFECV 脱炭素で比較
(4)燃料電池自動車と水素エンジン車
2.FCEV(乗用車、商用車、バス)の現状整理
(1)実用化の歴史
(2)市販の現状 販売台数など トヨタ・Honda・Hyundai・Stellantis
(3)トヨタとBMW連携、GMとHyundaiの接近、Hondaの孤立化
(4)バス・トラック・鉄道・船・航空機における実用化あるいは試行の現状
3.モビリティから水素エネルギー社会へ
(1)トヨタグループの水素エネルギービジネス戦略
(2)トヨタ・Hyundaiの「水素を作る・運ぶ・使う」トータルビジネス
(3)都市での活用 Woven City
4.課題整理、今後の進展は?
(1)インフラの視点で 日韓比較、高圧水素と液体水素
(2)水素関連インフラ
(3)水素の活用、エネルギー側面と産業側面
(4)(講師目線で)日本での障害、日本での拡大の可能性
5.関連最新技術紹介
(1)水素関連・高圧水素タンク関連 計測技術
(2)2月の東京ビックサイトで開催の「スマートエネルギーWeek」から
トヨタ自動車においては、バンパやインパネ、ガソリンタンクなどのプラスチック材料や成形加工の開発と量産化、さらにその評価のためのデジタル技術の構築と実務展開に従事しました。その後、韓国サムスン系の第一毛織(現ロッテ先端素材)では、エンジンプラスチックの自動車用途開発を担当し、日本・中国・タイの自動車メーカと協業しました。2020年からは、株式会社Tech-Tにて今後の車載プラスチック動向の調査分析と情報発信に取り組んでいます。特に近年は各種EV・FCVの試乗評価。中韓の現地調査などを元にオリジナルの視点でコメントを発信しています。プラスチック成形加工学会、自動車技術会 会員。
新日本無線株式会社(現社名:日清紡マイクロデバイス) 高融点金属・セラミックの研究。トヨタ自動車 樹脂部品生産&材料・加工技術・CAE開発。Samsung SDI(韓国本社) エンプラ研究所。大手自動車メーカ 研究所 次世代車要素技術開発。2017年〜現職 埼玉工業大学 客員教授。2020年〜現職 株式会社Tech-T(ビジネスブランド名:技術オフィスTech-T)設立。