SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

ライブ配信/アーカイブ配信(2週間、何度でもご視聴可)

米国シェール・オイル/ガスの逆襲

〜ホルムズ海峡危機とAI電力需要が変えるLNG・原油市場の勢力図〜

No.
S26645
会 場
会場受講はございません

開催日
2026年11月26日(木) 13:00~16:00
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受講料
1名につき 35,200円(税込)
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備 考
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11月26日(木)

米国シェール・オイル/ガスの逆襲

和光大学 経済経営学部 教授/
石油技術協会 資源経済委員会 委員長
岩間 剛一(いわま こういち) 氏

13:00~16:00

トランプ大統領の当初の思惑とは異なり、米国とイラン戦争の終わりが見えず、石油とLNG(液化天然ガス)輸送の要衝といえるホルムズ海峡における事実上の封鎖が長期化している。中東産原油、石油製品、LNG(液化天然ガス)の地政学リスクが高まるとともに、地政学リスクが小さく、生産量も多い米国のシェール・オイル、シェール・ガスへの期待が強まっている。21世紀の重要なエネルギーは、改めて石油と天然ガスであると評価され、シェール・オイルの開発も活発化している。日本企業も、三菱商事、JERA、丸紅、東京ガス、大阪ガス、静岡ガス等が、相次いでシェール・ガスの権益を取得し、LNGとしての輸出、米国内のAI向け天然ガス火力発電等、多様なシェール・ガス利用を構想している。三菱商事によるエーソンの買収は、1兆2,000億円と総合商社史上最高額となっている。
地球温暖化はないと考えるトランプ大統領は、米国におけるシェール・ガス、シェール・オイル生産を積極的に後押ししている。原油生産量、天然ガス生産量の増加は、米国のエネルギー・コストを引き下げ、原油輸出、シェール・ガスを原料としたLNGの輸出拡大を通じて、米国の貿易収支を改善する。米国によるエネルギー・ドミナンス(国際エネルギー市場の覇権)が始まっている。AIの普及による電力需要の増加に関連して、シェール・ガスを原料とした天然ガス火力発電の増強も計画されている。三菱重工業は、ガス・タービンの受注が過去最高を記録し、米国のメジャー(国際石油資本)のエクソンモービルとシェブロンは、シェール・ガスを燃料とした天然ガス火力発電所を建設し、送電系統を利用せずデータ・センターに直接電力を供給し、新たな事業展開をはかっている。
国際エネルギー情勢を震撼させたロシアによるウクライナ侵攻から5年近くが経過していることも、米国のシェール・オイル、シェール・ガスに追い風となっている。2023年には米国からのLNG輸出は、豪州、カタールを抜いて世界最大となった。フランス、スペイン、英国等はLNG輸入量を増加させ、ドイツもLNG輸入を開始した。欧州諸国は、従来は年間1億1,400万トン(LNG換算)の天然ガスをロシアからのパイプラインにより輸入していたものの、その分のLNG特需が発生している。米国のシェール・オイルは、バイデン前政権による脱炭素政策にもかかわらず、生産量は増加を続け、米国のLNGについても、輸出が好調で、新規プロジェクトが相次いで計画され、2030年には輸出能力が現在の2倍近くとなる。LNGの買い手が十分にあり、バイデン政権による新規LNGプロジェクトの許認可凍結をトランプ政権が解除し、2025年以降に多数のFID(最終投資決定)が行われた。
米国のシェール・ガス、シェール・オイルは、①脱ロシア産石油・天然ガスを目指すうえで、同じ価値観をもつ民主主義国家からのエネルギーであること。②米国は、シェール・ガス革命、シェール・オイル革命を経て、世界最大の原油生産国、天然ガス生産国となり、ホルムズ海峡封鎖を埋める海外への供給ポテンシャルが極めて大きいこと。③米国産LNGは、仕向け地条項がなく、LNGの需給状況によって、割高な地域に転売して、ディーリング益を挙げることができること。等のメリットを持っている。欧州諸国に加えて、アジア諸国は、今後の経済成長と炭酸ガス排出削減の両立をはかるために米国のシェール・ガスを原料としたLNGとシェール・オイルが必要となる。カタールのLNG施設は、イランの攻撃を受け、生産能力増強には長い時間を必要とし、米国のLNGへの期待が極めて強い。日本政府も、アジアへのLNGの安定供給を目的に、出資・債務保証をJOGMECが行う。しかし、米国においては、脱炭素への動き、金融市場における株主還元圧力もあって、シェール・オイル生産へのリグ(新規油田開発のための掘削装置)稼働数の増加への動きは鈍い。シェール・オイル開発のためのリグ稼働数も2026年10月2日時点において598基と1,500基を超えていたシェール・オイル開発の活況期を大幅に下回る。しかし、原油価格の高騰とAIを活用した1井戸当たりの生産効率の向上により、2026年4月時点において日量1,398万バレルと米国の原油生産量は過去最高を記録している。ホルムズ海峡危機の長期化を受け、米国のシェール・ガス開発、シェール・オイル開発は今後どうなるのか。中間選挙を経てトランプ政権のもと、2027年冬以降の国際LNG価格はどうなるのか。日本にとってのLNGプロジェクトに係わる事業戦略はどのように成長するのか。シェール・ガス革命、シェール・オイル革命の第一人者が分かりやすく今後の見通しを詳説する。 

1.シェール・ガス開発の最新動向 -過去最高の生産量とAIによる電力需要
2.トランプ政権の反脱炭素とイラン危機の今後の見通し -米国中間選挙
3.世界におけるLNG市場の可能性 -カタールの生産能力損傷
4.米国における天然ガス生産量の動向と2027年の見通し -生産量の増加
5.欧州における天然ガス市場の変貌と今後の見通し -脱ロシア
6.アジア大洋州におけるLNG市場の現状と今後の見通し -価格高騰
7.米国におけるLNG輸出プロジェクトの新たな動き -輸出能力増強
8.日本企業が参画するLNGプロジェクトの可能性とシェール・ガス権益取得
9.トランプ政権の化石燃料促進政策とシェール・オイル企業の新規投資動向
10.米国におけるシェール・オイル開発の最新動向と技術革新の動き -AI活用
11.米国国内における原油生産動向と2027年の見通し -株主還元の圧力
12.米国中堅石油企業の経営状況と資金調達 -財務の健全性とM&Aへの動き
13.シェール・ガスによるCCSへの動きとLNG船開発の動き
14.米国におけるシェール・オイル企業の実力評価 -技術革新と資機材価格高騰
15.欧米メジャー(国際石油資本)によるシェール・オイル開発の今後
16.日本企業による新たなシェール・ガス権益、シェール・オイル権益取得の動き
17.シェール・ガス革命によるLNG価格の今後の見通し -国際LNG需給
18.シェール・オイル革命による2027年の原油価格の見通し
19.日本企業のとるべき2027年における最適な事業戦略 
20.質疑応答

岩間 剛一(いわま こういち) 氏
1981年 東京大学法学部卒業。東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。東京銀行本店営業第2部部長代理(資源エネルギー融資、経済産業省担当)。東京三菱銀行本店産業調査部部長代理(資源エネルギー調査担当)。出向:石油公団企画調査部:現在はエネルギー・金属鉱物資源機構(資源エネルギー・チーフ・エコノミスト)。出向:日本格付研究所(チーフ・アナリスト:ソブリン、資源エネルギー担当)
2003年から和光大学経済経営学部教授。
著書:「資源開発プロジェクトの経済工学と環境問題」、「ガソリン本当の値段」、「石油がわかれば世界が読める」、その他、新聞、雑誌等への寄稿、テレビ、ラジオ出演多数。
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