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主要国の最新政策動向から読み解く〜新政権下の日本と欧州・米国・中国の戦略転換、新たな均衡〜

2月10日(火)
元外務省 気候変動担当(含むG7、G20、パリ協定関連)
GX・エネルギーアナリスト
前田 雄大(まえだ ゆうだい) 氏
パリ協定以降、世界的な潮流として進められてきた脱炭素は、2025年を迎え、明確な「調整局面」に入りつつある。欧州ではEV政策や産業保護を巡る方針転換が進み、米国ではトランプ政権下での化石燃料回帰と対中牽制が鮮明化している。一方、中国はエネルギー・製造両面で脱炭素と産業覇権を同時に追求する独自路線を強めている。
加えて、日本においてもGX-ETSの本格化や新政権の政策方針を背景に、脱炭素の位置づけは「理念主導」から「産業・安全保障と一体の戦略」へと変容しつつある。
本講演では、欧州・米国・中国・日本それぞれの政策動向を整理・比較しながら、脱炭素の国際秩序がどのように再編されつつあるのか、そして今後、何が起きうるのかを多角的に読み解く。
1.欧州における脱炭素政策の修正と現実路線への転換
(1)EV政策の見直しと自動車産業保護へのシフト
(2)EV需要減速と加盟国間で広がる温度差
(3)CBAMの新たな方向性と「環境規制×産業政策」化
(4)再エネ・水素政策における期待と限界
(5)2025年欧州における脱炭素の本質的課題
2.米国:トランプ政権下でのエネルギー回帰と対中戦略
(1)化石燃料増産を通じたエネルギー覇権戦略
(2)洋上風力・再エネ規制の強化とその狙い
(3)IRAの実装と選別的な脱炭素支援
(4)対中国牽制としてのエネルギー・素材政策
(5)米国における脱炭素は「後退」か「再構築」か
3.中国:脱炭素と産業覇権を同時に進める独自モデル
(1)再エネ・EV・蓄電池における圧倒的供給能力
(2)国内経済減速下でのグリーン投資の役割
(3)石炭依存を維持しながら進む「選択的脱炭素」
(4)グローバルサウスへの影響力拡大と国際発言力
(5)中国型脱炭素モデルがもたらす国際秩序への影響
4.日本:GX政策の本格化と新政権下の脱炭素戦略
(1)GX-ETS導入の意義と企業行動への影響
(2)GX推進法と投資誘導型脱炭素の特徴
(3)高市政権のエネルギー・産業政策の方向性
(4)原子力・再エネ・次世代技術の位置づけ
(5)日本型脱炭素の強みと構造的制約
5.2025年以降の脱炭素をどう読み解くか
(1)脱炭素を「理念」「政策」「産業」「地政学」で分解する
(2)主要国の戦略転換が示す共通点と相違点
(3)時間軸で見る脱炭素の再加速・停滞・分岐点
(4)企業・政策担当者が取るべき現実的スタンス
(5)不確実性の高い時代における脱炭素との向き合い方
6.質疑応答

1984年生まれ。2007年、東京大学経済学部卒、外務省入省。開発協力、原子力、大臣官房業務などを経て、2017年から気候変動を担当。G20大阪サミットの成功に貢献。パリ協定に基づく成長戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。2020年より脱炭素フィールドに職を展示、2022年より現職。現在は、所属先において脱炭素事業のコンサルを中心に業務を手掛ける他、「エナシフTV」というYouTubeチャンネルを通じて脱炭素情報を日々発信中。プレジデント・オンラインはじめ寄稿多数。書籍「60分でわかる! カーボンニュートラル 超入門」も発売中。
また、地域脱炭素についても3自治体のアドバイザーを務めるなど第一人者として活動している。
