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【IAAモビリティー2025にみる未来の欧州モビリティー】
〜内燃機関への回帰とBEVの行方〜
12月 3日(水)
在独ジャーナリスト
熊谷 徹(くまがい とおる) 氏
ものづくり大国ドイツの屋台骨の一つである自動車産業が、モビリティー転換とトランプ関税の嵐に揺れている。欧州最大の自動車メーカー・フォルクスワーゲン(VW)の2025年上半期の営業利益は、前年同期比で32.8%減った。経営陣は2030年までにドイツの従業員数を3万5000人減らし、国内10工場の内2工場での生産を徐々に停止すると発表した。
痛みを伴うリストラの背景には、中核である国内乗用車部門の営業利益率の低さと、中国でのBEV化の波に乗り遅れ、VWのマーケットシェアが低下しているという事実がある。VWだけではなく、BMWやメルセデス・ベンツでも2025年上半期の営業利益が二桁の減少率を記録した。保守政党からは、「2035年以降内燃機関の新車の販売を禁止する」というEUの決定の撤回を求める声が上がっている。
ドイツでのBEVの比率は3.6%と依然として低いが、回復の兆しはある。2025年9月にミュンヘンで開催された自動車見本市IAAモビリティーは、中長期的には欧州のモビリティーの中心がBEVになることと、中国OEMの欧州への強い関心を感じさせた。35年間ドイツに住み、欧州経済について記事や本を多数発表している元NHKワシントン特派員が、ドイツの自動車市場の最新動向を報告する。
1.ドイツ政府が自動車業界支援のためのサミット会議を開催
2.EUは、2035年の内燃機関の新車販売禁止を変更するか?
3.ミュンヘン自動車見本市IAAモビリティーの主役は中国とBEV
4.欧州に着実に橋頭保を拡大する中国OEMの戦略
5.2025年に欧州でBEVの新規登録台数が回復した理由
6.トランプ関税でドイツ自動車産業の空洞化が進む?
7.質疑応答
元NHKワシントン特派員。1990年以降はフリージャーナリストとしてドイツを拠点に、政治、経済、社会に関する記事を発表。主な連載媒体は日経ビジネス電子版、新潮社フォーサイト、毎日新聞出版エコノミスト、日刊工業新聞、日経ESG、電気新聞など。著書に「メルケルはなぜ転向したのか」(日経BP)、「偽りの帝国・VW排ガス不正事件の闇」(文藝春秋)、「日本の製造業はIoT先進国ドイツに学べ」(洋泉社)、「ドイツ人はなぜ、年収アップと環境対策を両立できるのか」、「次に来る日本のエネルギー危機」(青春出版社)など29冊。「ドイツは過去とどう向き合ってきたか」(高文研)で2007年度平和・協同ジャーナリズム奨励賞受賞。現在30冊目を執筆中。
連載中の主なメディア:日経ビジネス https://business.nikkei.com/article/person/20130321/245387/
週刊エコノミスト https://weekly-economist.mainichi.jp/%E8%AB%96%E5%A3%87%E3%83%BB%E8%AB%96%E8%AA%BF/
新潮社フォーサイト https://www.fsight.jp/search/author/%25%E7%86%8A%E8%B0%B7%E5%BE%B9%25
日経ESG、朝日新聞社 SDGs Action !、ウエッジ、日刊工業新聞、保険毎日新聞。