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【金融と非金融の融合による新サービス開発と新たな収益源】
〜最新事例も踏まえて〜
5月13日(月) 終了済
堀総合法律事務所 弁護士(日本/ニューヨーク州)
ジュニアパートナー
関口 諒(せきぐち まこと) 氏
近時、フィンテックの新たな潮流として、エンベディッド・ファイナンス(Embedded Finance)が注目されています。
エンベディッド・ファイナンスは、「埋込型金融」や「組込型金融」とも呼ばれ、非金融事業を営む事業者が、自社の非金融サービスに、金融事業者が提供する金融サービスを組み込んで提供することが想定されています。このようなエンベディッド・ファイナンスにより、非金融事業者は自社の強固な顧客基盤を活用して、ユニークかつ新たな金融サービスを自社の顧客に提供することが可能となり、非金融事業者による新規事業の創出、さらには、本業である既存の非金融事業における顧客エンゲージメントの向上にも資することが期待されます。
さらに、近時は、金融事業者が、自社とは異なる金融サービスを提供する他の金融事業者の金融サービスに自社の金融サービスを組み込むことで、顧客に対して複合的な金融サービスを提供する事例も多く登場しています。
このように、エンベディッド・ファイナンスは、金融事業者及び非金融事業者におけるビジネスの可能性を拡げるものでありますが、エンベディッド・ファイナンスとして自社のサービスに金融サービスを組み込む場合、金融事業者による顧客への金融機能の提供を仲介する者として金融規制の対象となることがあります。そのため、自社のサービスに金融サービスを組み込もうとする事業者は、自社が金融規制の対象となるのか、金融規制の対象となる場合にはどのような対応が必要なのかを、正確に把握する必要があります。
そこで、本講演では、エンベディッド・ファイナンスの意義及び現状を国内外における近時の事例も紹介しながら概観するとともに、組込みの対象となる金融機能が送金・支払決済・貸付・投資・保険の場合ごとに、自社のサービスに金融サービスを組み込む際のスキームにも言及しながら、規制上の留意点及び重要ポイントについて実務的な視点から解説を行うものです。
1.エンベディッド・ファイナンスの意義
(1)エンベディッド・ファイナンスとは
(2)エンベディッド・ファイナンスの現状と国内外の事例
2.エンベディッド・ファイナンスに関する金融規制の全体像
3.送金サービスの埋込みに関する金融規制
(1)為替取引の意義と為替取引の媒介への該当性
(2)銀行送金サービスの埋込みに係る金融規制
(a)銀行代理業として行う銀行送金サービスの埋込み
(b)金融サービス仲介業として行う銀行送金サービスの埋込み
(c)電子決済等代行業として行う銀行送金サービスの埋込み
(3)資金移動業者の送金サービスの埋込みに係る金融規制
4.支払決済サービスの埋込みに関する金融規制
(1)前払式支払手段発行サービスの埋込みに係る金融規制
(2)デビットサービスの埋込みに係る金融規制
(3)クレジットカードサービス・BNPLサービスの埋込みに係る金融規制
5.貸付サービスの埋込みに関する金融規制
(1)資金・金銭の貸付けの媒介への該当性
(2)銀行貸付の埋込みに係る金融規制
(a)銀行代理業として行う銀行貸付けの埋込み
(b)金融サービス仲介業として行う銀行貸付けの埋込み
(3)貸金業者の貸付サービスの埋込みに係る金融規制
(a)貸金業として行う貸金業者貸付けの埋込み
(b)金融サービス仲介業として行う貸金業者貸付けの埋込み
6.投資(証券)サービスの埋込みに関する金融規制
(1)有価証券の売買及び売買の委託の媒介への該当性
(2)金融商品仲介業として行う投資(証券)サービスの埋込み
(3)金融サービス仲介業として行う投資(証券)サービスの埋込み
7.保険サービスの埋込みに関する金融規制
(1)保険契約の締結の媒介への該当性
(2)保険募集として行う保険サービスの埋込み
(3)金融サービス仲介業として行う保険サービスの埋込み
8.エンベディッド・ファイナンスに関する将来の展望
9.質疑応答/名刺交換
堀総合法律事務所に所属し、予防法務から紛争処理に至るまで各種企業法務を担当。とりわけ銀行、信託会社、証券会社、保険会社、投資運用業者、ベンチャーキャピタル、決済事業者等における金融法務案件に注力。著書として、「新たな信託ソリューションと法務-円滑なM&A・事業承継のために-」(きんざい、共著)、「スタンダード 営業店の金融法務」(経済法令研究会、共著)、「海外の決済関連サービスの我が国での適応可能性-事業面および法規制面からの検討-」(金融法務事情Vol.2126、共著)、「海外の保険テックサービスの我が国での適応可能性-事業面および法規制面からの検討-」(金融法務事情Vol.2127、共著)等。