SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

リチウム電極の技術資料集、2025/2026

全固体セル、双極子セル、リチウム硫黄セル
        〜with ドライ電極 and 伝導パス〜

商品No.
R07S0048
出版月
2025年11月
価格

CD-R(PDF)タイプ 104,500円 (税込)

ページ数
A4判 628ページ(580カラースライド+解説)
発行<調査・編集>S&T出版(株)
備 考
※本書籍はPDF版(納品形式はCD-R)です。印刷版はありません。
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レポート内容
■概要■
 本書は「リチウムイオン電極の構成、特性と新たなプロセス」の改訂版(※編集部注:更新版ではありません。前書と比較し、図表・解説の追加や削除があります)に相当する。一年も経たない間に改訂とは、前書の内容が不備であったのか、或いはこの間の技術が著しいかの何れかであろう。筆者の意識としては、何れも含まれる。特に“電極と言うリチウムイオン電池の機能を担う部分を、書籍として調査・執筆を行うには新たな工夫が必要であり、単にページ数の多い本にしたのでは、読者に内容が伝わり難いとの思いがあった。
 本書の技術的な内容であるが、現行の電解液系リチウムイオン電池を否定はしない。しかしながら電解液系の限界は既に見えている。
固体電解質への転換や、同時に双極子(バイポーラー)セル化を電極の乾式化(ドライプロセス)で合理化しなければならない。既に古典となった湿式電極のプロセスは、これで新たなギガセル工場を建てても、コストダウンのネックにしかならない。
 “電極と言いながら、肝心の正極材は新たな硫黄正極のみを扱い、逆に負極材はLTO、NTO、シリコン系とリチウム・メタルを取り上げた。正極材の高性能化はほぼ一段落し、電池(セル)としてのパワー特性(W/Kg、W/L)や、サイクル特性のアップは、負極材の選定と使いこなしがポイントであろう。
 過渡的で結論の出ていない、評価の定まらない組合せも多く取り上げた。
理論値とは言いながら、かなり無理な内容もあるが、読者の討論のきっかけになれば幸いである。

■調査・執筆■
菅原秀一
-CONTENTS-
<1>リチウムイオン電極と電池の概要化学電池の電気化学
1.リチウムイオン電池の基本構成と電気化学
 ・電池(セル)の基本構成
 ・液系セルにおける電極構成と電解質溶液1.2Mの分布 など
2.電池の充放電特性、エネルギーとパワー
 ・20Ahセルの充電と放電(充放電レート0.2C〜3C)
 ・タイプ別のセルの特性と向上(モデル) など
3.製造プロセスと原材料、部材と工程
 ・リチウムイオン電池の製造全工程
 ・全工程の原料、部材と工程のステップ など
4.良い電極板とは、セル設計との整合
 ・リチウムイオン電極の模式図(樹脂バインダー)
 ・Wh当たりの電極面積と活物質容量 など

<2>EVなど実用電池の特性レベル(2025)
1.正極材の特性(Ah&V)と電池の特性レベル
 ・正極材の選定と特性、NMC811とLFP
 ・コバルトフリー正極材の比較(Ah) など
2.EV実装電池(セル)と組電池(モジュール)の特性
 ・製品セルにおける比容量、LMFPほか
 ・海外EVの電池(モジュール)特性(1)データ など

<3>固体電解質の種類、特性と液系との比較
1.液系電解質と固体電解質の異差、電気二重層の存在
 ・リチウム電解質の特性、宇恵誠(三菱化学)
 ・電解質溶液系のイメージ、巨大なアニオン など
2.固電解質の種類と基礎特性、硫化物系と酸化物系その他
 ・電解液系とPVDFゲル電解液系のイオン伝導度
 ・電解質(固体、液体)と比較物質の特性(グラフ) など
3.固体電解質の耐電圧(Redox Window)への期待
 ・各種電解質の特性と耐電圧
 ・固体電解質LGPSのCV曲線 など
4.固体電解質と全固体電池に関する企業の動向
 ・全固体電池に関する、直近12ケ月の情報
 ・全固体電池への参入企業(パターン) など

<4>セルを構成するイオンと電子伝導Pathの形成
1.正極材/固体電解質/負極材、接触と非接触
 ・液系電解液(質)から全固体電解質へ
 ・LLZ(正方晶)固体電解質のモルフォロジーと電極化 など
2.イオン伝導Path形成へのアイデア
 ・固体電解質セル、イオン伝導パスの形成
 ・全固体リチウムイオン電池 構成案1 など
3.固体電解質/イオン媒体/正・負極材
 ・PVDFのTg(-36℃)と応用範囲
 ・PVDFおよび共重合体の粘弾性スペクトロメーター など
4.正・負極材の電子伝導とイオン伝導
 ・正極材の電気伝導率(mS/cm)
 ・正・負極材の電導度(S/cm) など

<5>全固体電池の実用化への現状と課題
1.全固体リチウムイオン電池へのロードマップ
 ・蓄電デバイスの東西・南北
 ・TOYOTAの全固体電池への取り組み2017-2018 など
2.開発事例と企業動向(1)
 ・酸化物系全固体電池の開発、2022-23
 ・硫化物系全固体電池の開発、2022-23 など
3.全固体電池のコストモデル
 ・GWhあたり正負極材その他部材所要量(実際値)
 ・全固体セルの原料・部材の重量、置換部分の重量 など
4.セル設計と電極面積のモデル
 ・液系電解液(質)セルの単位電極面積(実測モデル)
 ・液系電解液(質)セルの単位電極面積(実測モデル) など
5.安全性と安全性試験規格
 ・全固体電池燃えない、電解液燃える!?
 ・電解液系電池の発火、何が燃えているか(1) など

<6>負極材の多様化と選択
1.非炭素系のチタン酸リチウムLTO負極材(1)
 ・各種負極材の理論容量
 ・LTO 負極セルの充放電反応(1) など
2.LTO負極材(2)、充放電特性
 ・LTOセルの特性(1)、充・放電
 ・LTOセルの特性(2)、低温とサイクル など
3.NTO(ニオブ)と類型負極セル
 ・LTOとNTOの開発状況、2000〜2023
 ・LTO、NTO負極材の電位と充放電容量(計算) など
4.その他開発系の負極材
 ・TⅰO2系負極材の特性と比較
 ・TiO2系とWO5系負極の理論容量(計算過程) など
5.SiおよびSiO系負極材の概要
 ・各種負極材の電位と充放電容量(1グラフ)
 ・各種負極材の電位と充放電容量(2データ) など
6.SiO系開発の経緯、2019〜
 ・Si/SiO-C/G系負極材の開発グレードリスト2019
 ・AUO社Si-C Anode ANSY-060N など
7.SiとSn合金系負極材、実用域の見定め
 ・負極電極層の密度(嵩比重)と空隙率
 ・合金系負極材の体積変化と比較(比重量) など
8.SiOx/C負極の実用化
 ・SiO負極材、国内メーカー2023
 ・SiO負極材の製造方法と特性、信越化学工業(株) など
9.SiOx/C負極のバインダー選択
 ・シリコン負極材における、(山崎/駒場)モデル
 ・SiO負極材のバインダーと電極の寸法安定性 など
10.SiOx/C系の応用展開

<7>(リチウム負極/硫黄正極)電池の理論、構成と可能性
1.非遷移元素の正極と負極の組合せ
 ・S8硫黄正極材とリチウムメタル負極(Ahグラフ)
 ・正極材の化学式、理論容量と実用容量一覧 など
2.(リチウム負極/硫黄正極)の電極反応
 ・LiSuセルの電極反応(1 S8硫黄)
 ・LiSuセルの電極反応(2 比較) など
3.電極動作域の拡大、二次元から三次元へ
 ・リチウムメタル負極の利用率向上、三次元化
 ・充放電可能な Cell VOLUME ,イメージ図 など
4.最近の開発成果と文献紹介
 ・技報引用、リチウムメタル負極の界面351
 ・文献紹介、リチウムをプレドープした硫黄正極 など
5.バインダーレスの電極構成
 ・(リチウム・硫黄/LiSu)研究の動向、液体系と固体系
 ・バイポーラー全固体LiSuセル、正・負極の構成(1) など
6.目標レベルと可能性
 ・硫黄系正極セルGSyuasa
 ・GSyuasaのリチウム・硫黄電池 など
7.硫黄原料ソースの可能性
 ・硫黄原料ソースの可能性
 ・三井金属鉱業(株)のA-SOLiD(R)

<8>硫黄系固体電解質の化学特性と安全性
1.硫化物と硫化水素の化学
 ・硫化物の一般特性、化学便覧データ
 ・硫化物Sulfideと硫酸塩Sulfate など
2.化学物質規制と研究開発
 ・主に化学物質から見た研究と生産
 ・試験・研究機関の業務 など
3.硫化物系電解質と硫化水素
 ・固体電解質の化学式とイオン電導度(1)
 ・LC50 など
4.全固体電池の硫化水素対策
 ・硫化物系固体電解質からの硫化水素発生
 ・硫化水素対策の特許例(1)Panasonic など

<9>新たな電極設計と乾式プロセスへの移行
1.良い電極板とは、バインダーの役割
 ・リチウムイオン電極の模式図(樹脂バインダー)
 ・良い電極板とは、正・負極共通の項目 など
2.バインダーの高分子化学、Tg、Tm、と電気化学
 ・汎用電解液とポリマーの溶解、膨潤
 ・ポリマーのTg vs.Tmグラフ など
3.現行のポリマーバインダー、メーカーと開発動向
 ・電極バインダーの現状と展開、2022〜
 ・国内樹脂メーカーの電極バインダー、2024/25 など
4.PVDFバインダー、PFOA&PFOSの誤解と理解
 ・PVDF水系ラテックスの開発、2024/25
 ・ARKEMA社のPVDF系バインダー(1)現行 など
5.電極板製造の転換、湿式プロセスから乾式へ
 ・製造設備と工程費(大型セルの製造)
 ・電極板の塗工>乾燥における効率モデル(グラフ) など
6.乾式プロセスの開発段階(1)、グローバルな動向
 ・究極はバインダーレスの電極板
 ・乾式プロセスへの取り組、2022-23 など
7.乾式プロセスの開発段階(2)、PTFEフィブリル化法
 ・PTFE(テフロン)のフィブリル化(繊維化)
 ・リチウムイオン電極の模式図(PTFEバインダー) など
8.まとめ、乾式プロセスへの期待
 ・今後の高性能化、10Ahレベルのセル
 ・ドライプロセス化のコストダウン

<10>双極子セルと固体電解質による電極の構成
1.単極子と双極子セルの比較、液絡防止構造ほか
 ・電池(セル)の基本構成
 ・双極子(左)単極子(右)型電池(セル) など
2.固体電解質とイオン移動パス、合理的方法は
 ・主な固体電解質の化学式と特性、2024
 ・固体電解質の特性と化学式量 など
3.固体電解質と双極子セル(1)、構造の合理化
 ・単極子/双極子&液体系/固体系
 ・電解質(固体、液体)と比較物質の特性(グラフ) など
4.固体電解質と双極子セル(2)、特許情報ほか
 ・特許検索、双極子and固体電解質
 ・特表2023-534002、LGC韓国 など
5.双極子セルの実績と今後の開発
 ・バイポーラーセルの製品事例
 ・バイポーラー型ニッケル水素電池、PEVE など
6.まとめ、組合せと新たな期待
 ・リチウムイオン電池の世界、その先は
 ・リチウムイオン・セルの特性向上、Ragone Plot など

<11>まとめ
 ・リチウムイオン電池と周辺の技術分野(1)役割分担と担当する項目
 ・リチウムイオン電池と周辺の技術分野(2)技術情報の相互伝達
 ・JIS C 8715-2、品質計画と工程管理
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