■概要■
自動車の電動化に最適化、特化が進むパワートレイン。
その要求特性、課題と対策技術について基礎から最新動向まで、企業、大学の第一人者が解説。
<1>xEV駆動モータの高性能化と新構造モータの技術展望
1.xEV用モータの基礎と高性能化
・はじめに
・xEV用モータの基礎
-モータの基本
-xEVに使われるモータ
-xEV用モータの損失
-xEV用モータの効率マップ
-モータの冷却
・xEV用モータの高性能化
-高出力化
-高速化
-高電圧化
・おわりに
2.自動車駆動用巻線界磁モータ
・背景
・巻線界磁モータについて
-構造と駆動システム
-特徴
・PMモータとの性能比較
-検討仕様
-電流最適化
-各動作領域の特徴
-効率
-限界出力カーブ
・巻線界磁モータの性能改善
-高BS材について
-巻線界磁モータへの適用
・まとめ
3.アキシャルギャップモータの基礎と高性能化
・緒言
・AGMの基礎と扁平構造での優位性
・低コスト化と高性能化を両立する駆動用AGM
・インバータ駆動下におけるAGMの優位性
・駆動用AGMの高出力密度化の検討
・結言
4.SynRM,SRMの基礎と高性能化
・はじめに
・シンクロナスリラクタンスモータの基本
-SynRMの基本構造
-トルクの発生原理
-駆動原理に基づいた制御
-SynRMの研究動向
・スイッチドリラクタンスモータの基本
-SRMの種類と基本構造
-トルクの発生原理
-SRMにおける高効率駆動
・おわりに
5.高温超伝導誘導同期モータの基礎と応用現状、将来展望
・はじめに
・ 高温超伝導体の特性
-熱力学的特性
-電流輸送特性
・高温超伝導誘導同期モータの原理
-構造
-駆動原理
-特長
・高温超伝導誘導同期モータの応用現状
-液化水素サブマージポンプ
-航空機用駆動システム
・まとめと今後の展望
6.磁気ギアードモータの基礎と高性能化
・はじめに
・磁気ギアードモータの動作原理
・磁気ギアードモータの最大トルクの向上
-磁気ギアードモータのトルクの分析法
-磁束密度成分と最大伝達トルク
-磁束密度の43次成分に起因する伝達トルク
-周方向磁束とトルクの向き
・磁気ギアードモータの駆動系への適用
7.可変磁束モータの基礎と高性能化
・はじめに
・可変磁束モータの原理
-可変磁束モータの用途
-可変磁束モータの原理
・磁性コンポジットを回転子に挿入した可変磁束モータ
-基本構造
-磁性コンポジット
-動作原理
-可変磁束特性
-高効率領域拡大効果
・遠心力を利用した可変磁束モータの研究
-磁歪材を挿入した可変磁束モータ
-磁歪材を圧入した可変磁束モータ
-永久磁石自転構造を利用した可変磁束モータ
・あとがき
8.極数切替型モータの基礎と多相化による高性能化
・はじめに
・極数切替技術の基本概念と2重3相巻線を用いた方法
・4重3相巻線を用いた極数切替型モータ
-極数切替方法と提案モータの効果
-試作機を用いた検証結果
-極数切替駆動に関する検証
・結び
9.スロットレスモータの基礎と高性能化
・はじめに
・SL-PMSMの概要
-構造と特徴
-用途
・SL-PMSMの課題と研究動向
-課題
-研究動向
・SL-PMSMの設計例
-空心コイルの最適化設計
-試作SL-PMSMの実機試験
・おわりに
10.コアレスモータの基礎と高性能化
・はじめに
・コアレスモータの基礎と課題
-磁気回路と磁束鎖交数
-トルクと逆起電力
・コアレスモータの課題
・高出力密度コアレスモータ
-ハルバッハ界磁
-デュアルハルバッハとシングルハルバッハ
-直線配列と円形配列
-ハルバッハ界磁と磁束鎖交数
-振動とトルクリップル
・ハルバッハ界磁形同期電動機
・まとめ
<2>xEV用モータのステータ、ロータと巻線技術
1.電動車駆動モータにおける加工技術
・はじめに
・モータの構成
・モータ構成要素の加工技術
-各要素の加工と組立技術
-ロータコア、ステータコアの加工方法
-ロータシャフトの加工技術
-ステータの銅角線の加工と組付け技術
-磁石の製法
・まとめ
2.モータコア性能向上と加工技術
・はじめに
・モータ小型化とその課題
・鉄損の分類とその理論式
・塑性ひずみ及び残留応力に伴う鉄損影響
・低鉄損化に向けた打抜き加工技術
・次世代モータコアに向けた材料動向と加工動向
・今後の展望
3.分布巻、集中巻の特徴とxEVモータの高性能化技術
・はじめに
・分布巻と集中巻の特徴
-巻線構造
-構造的特徴
-電磁気特徴
-製造方法の特徴
-分布巻と集中巻の特徴のまとめ
・xEVモータの高性能化技術
-分布巻モータの高性能化技術
-集中巻モータの高性能化技術
・おわりに
4.アルミアスターコイルの発明とアスターモータの技術
・はじめに
・アスターコイルの発明
-占積率の最大化
-アスターコイルの特性
-アルミニウムコイル
・アスターモータの開発
-高出力密度
-防塵防水性
・xEV用モータへの適用
5.xEVモータ用巻線における絶縁の技術動向
・はじめに
・平角線を用いたEV用ヘアピンステータ
・高性能モータ巻線の開発
-厚膜平角巻線
-低誘電率平角巻線
-耐サージ巻線
・部分放電特性と絶縁性能評価
-部分放電開始電圧
-PDフリー設計のための巻線のPDIV予測
・厚膜平角線のRPDIV計測の実例
・まとめ
6.xEVモータ向け平角巻線における絶縁皮膜の低誘電率化
・緒言
・巻線の部分放電
-巻線に発生するインバータサージ電圧
-部分放電による巻線皮膜の劣化
・平角巻線における絶縁皮膜の開発
-ベース樹脂の開発
-ポリイミドの低誘電率化
・気泡巻線の開発
-気泡巻線の皮膜設計
-気泡の巻線の絶縁性
・結言
7.電気絶縁システムとマグネットワイヤ等関連材料の試験・評価
・電気絶縁システムEISの歴史
・電気絶縁システムEISの評価
・マグネットワイヤ、電気絶縁ワニスの評価
・まとめ:電気絶縁システムの信頼性
<3>xEVの変速機・減速機、歯車、軸受とシール技術
1.電動車用変速機のトライボロジーとその評価
・はじめに
・トライボロジーの基礎メカニズム
-潤滑メカニズム
-摩擦のメカニズム
-摩耗メカニズム
・電動車用変速機におけるトライボロジーの課題
-高速回転化
-潤滑油の低粘度化
-特殊な潤滑環境
・トライボロジー特性のラボ評価試験
-ラボ評価試験の目的とカテゴリー
-ピッチング評価試験
-電食に関する評価試験
・おわりに
2.EV高回転モータ用トラクションドライブの技術動向
・はじめに
・高速高回転でのトラクション特性
-高回転トラクション/歯車試験機
-トラクション係数の測定結果
-伝達効率(動力損失)の測定結果
・高回転遊星ローラ減速機の概説
-遊星スケルトン
-押付け機構
・高回転遊星ローラ減速機の伝達効率
-試験ユニットの設計
-伝達効率の測定および計算検討
・おわりに
3.EV用トランスミッションに求められる歯車の生産技術と品質保証
・はじめに
・エンジン車とEVのパワートレインの違い
・高速回転と低粘度潤滑油の課題
・ギヤノイズの課題
・ギヤノイズとは
・歯面修整の必要性
・歯車の製造工程
・歯研とは
・ポリッシュ歯研とその効果
・ギヤノイズの予測・検査技術
・片歯面かみあい試験
・歯車精度測定と誤差解析によるギヤノイズ予測技術
・インライン検査の注意点
・まとめ
・あとがき
4.xEV用転がり軸受の技術動向
・xEV用転がり軸受の高速化対応技術
・xEV用転がり軸受の電食対策
・大学における電食研究の取り組み
・セラミック球業界の動向
5.xEV用耐電食軸受
・まえがき
・軸受の電食について
・xEVにおける電気負荷について
-複数の軸受電流モード
-コモンモード電流
-循環電流
・軸受における耐電食技術について
-絶縁ソリューション
-導電ソリューション
・あとがき
6.トランスミッション・モーター向けクリープレス軸受
・はじめに
・軸受の外輪クリープの種類
・進行波型クリープのメカニズム
・クリープレス軸受の構造
-クリープ停止のメカニズム
-性能評価
・おわりに
7.自動車電動化に向けたPM(粉末冶金)ギヤ技術
・はじめに
・粉末冶金法の発展
・ヘガネス社のPMギヤプロジェクト
-スマートカーでの評価
-欧州コンソーシアムでの評価
・PMギヤが採用されない理由
・PMギヤへの新技術および他分野技術の適用
-高密度化・高強度化
-グリーンマシニング
-焼結・熱処理技術
・まとめ
8.xEVのモータ用オイルシールの技術動向
・はじめに
・オイルシールの構造と働き
・オイルシールの低摩擦化技術
-リップ小断面化による摩擦力低減
-リップ表面粗さによる流体潤滑膜厚制御
-低摩擦コーティング:TFコート
-低粘度油への対応
・高速回転用オイルシール
・導電性オイルシール
・おわりに
9.xEVのモータ用メカニカルシールの技術動向
・はじめに
・低摩擦損失と高密封性を両立する表面テクスチャメカニカルシール
・軸水冷方式モータ用メカニカルシール
・低沸点冷媒冷却方式モータ用メカニカルシール
・減速機用メカニカルシール
・おわりに
<4>xEVの潤滑油とグリース技術
1.xEV駆動ユニットにおける潤滑油技術開発
・背景
・オイル開発の狙い
・低粘度化の手法とうれしさ
-低粘度化の手法
-低粘度化のうれしさ(燃費効果)
-低粘度化のうれしさ(モータ冷却性)
・低粘度化の課題
・低粘度化の対策
-添加剤改良のコンセプト
-耐焼き付き性の確保
-耐疲労性の確保
-オイル絶縁性の確保
・まとめと今後
2.xEVにおけるグリースの要求特性と技術動向
・はじめに
・ハブユニット軸受用グリースの要求特性と技術動向
・等速ジョイント(CVJ)用グリースの要求特性と技術動向
・電動パワーステアリング(EPS)用グリースの要求特性と技術動向
・おわりに
3.潤滑油用PFASフリー消泡剤の開発動向
・はじめに
・自動車用潤滑油を取り巻く環境の変化
-自動車用潤滑油のトレンド
-泡立ちの原理
-消泡の原理
-e-Axle用潤滑油の泡立ち原因
-PFAS規制
・消泡剤の最新技術
-DICの新規PFASフリー消泡剤
-せん断安定性の高いDIC PFASフリー消泡剤
・まとめ