SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

酵素応用の技術と市場2025

商品No.
R02V1105
出版月
2025年 8月
価格

印刷タイプ 93,500円 (税込)

ページ数
B5判 352ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
備 考
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レポート内容
■ポイント■
 ・酵素を使った食品成分変換、糖質合成、脂肪酸生産、プラスチック分解など多岐にわたる酵素応用技術を網羅解説!
 ・糖質素材、機能性食品素材、プロバイオティクス、バイオマスプラスチック、甘味料、天然調味料、β-グルカンなど多岐にわたる酵素の応用を解説!
 ・プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼなど個々の酵素市場動向を解説!

■概要■
 過去数年間に酵素の応用を取り巻く世界の状況は大きく変化した。何と言っても、新型コロナ感染症とパンデミック、これに対するmRNAワクチンの登場と実用化を経験したことは衝撃的であった。また、AIが大きな存在感をもって研究現場や日常生活に入り込んでも来た。iPS細胞は種々の疾患の治療において有効性が示されている。
 酵素は食品、製紙、皮革、洗剤、バイオマスエネルギーの製造などの産業に利用される産業用酵素と医薬品原体、臨床診断薬、研究試薬として利用される医薬・研究用酵素に大別される。酵素の産業用、医薬用応用に関心をお持ちの研究者、技術者の方々に本書をお勧めいたします。
-CONTENTS-
【第Ⅰ編 食品機能成分】
<1>トウガラシの辛味成分カプサイシン類と低辛味類似物質の生合成および生物生産
1.トウガラシのカプサイシノイド、カプシノイド、カプシコニノイド生合成の概要
2.トウガラシ属植物に特有の生合成酵素
 ・バニリンアミノトランスフェラーゼ(VAMT)
 ・低辛味類似物質カプシノイドの生合成に関与する酵素シンナミルアルコールデヒドロゲナーゼ(CAD)
 ・カプサイシンシンターゼ(CS)
 ・バニリン生合成について
3.カプサイシノイド、カプシノイドの生物生産
 ・カプサイシノイド、カプシノイドの生産
 ・バニリンの生産

<2>酵素法によるフェルラ酸からのバニリン生産
1.はじめに
2.微生物機能を利用したバイオ手法によるバニリン生産
3.二種類の補酵素非依存型酵素を利用したフェルラ酸からのバニリン生産
4.フェルラ酸を一段階でバニリンに変換する酵素の開発
5.フェルラ酸を一段階でバニリンに変換する酵素の活性強化
6.酵素法によるフェルラ酸からのバニリン生産
7.おわりに

<3>微生物発酵法による芳香族化合物生産
1.はじめに
2.没食子酸生産菌の構築
 ・没食子酸とその製造
 ・代謝経路の強化とp-hydroxybenzoate hydroxylase変異体の導入
 ・生産性向上に向けた代謝改変アプローチ
 ・没食子酸トランスポーターの探索
 ・微生物発酵法による没食子酸の製造販売
3.酵素反応を利用した芳香族化合物の多様化

<4>ポリケタイド合成酵素の反応とその応用
1.はじめに
2.ポリケタイド合成酵素PKS
3.I型PKS
 ・モジュール型PKS
 ・反復型PKS
4.II型PKS
5.III型PKS
6.PKSを利用した非天然型化合物や有用物質の微生物生産
7.PKS改変によるマクロライド抗生物質FD-891類縁体の創製
8.おわりに

【第Ⅱ編 糖質】
<1>酵素や微生物菌体を用いたD-グルクロン酸およびD-グルカル酸をはじめとする各種ウロン酸およびアルダル酸の生産技術
1.D-ウロン酸とD-アルダル酸とは
2.D-グルクロン酸およびD-グルカル酸の生体での役割と工業的な利用
 ・D-グルクロン酸の生体での役割
 ・D-グルクロン酸(D-グルクロノラクトン)の産業利用
 ・D-グルカル酸の産業利用の展望
3.化学酸化によるD-グルクロン酸およびD-グルカル酸の生産法
 ・澱粉の化学酸化・加水分解によるD-グルクロン酸の生産方法
 ・D-グルコースの化学酸化によるD-グルカル酸の生産方法
 ・化学酸化と酵素を組み合わせたD-グルクロン酸の生産法
4.酵素や菌体によるD-グルクロン酸およびD-グルカル酸の生産法
 ・生体内でのD-グルクロン酸およびD-グルカル酸の生産経路
 ・遺伝子組み替え生物を用いたD-グルクロン酸およびD-グルカル酸の生産法
5.アルドースのC-6位酸化活性をもつalcohol dehydrogenase(ADH)によるD-グルクロン酸およびD-グルカル酸の生産方法
 ・酸化還元酵素で反応を行う際の注意点
 ・トレハロースの酵素的酸化・加水分解によるD-グルクロン酸の生産
 ・PS-ADHの性質
 ・P.saccharoketogenes菌体によるD-グルコースからD-グルクロン酸の生成
 ・P.saccharoketogenes菌体によるD-グルカル酸の生産法
 ・網羅的なウロン酸およびアルダル酸の生産方法

<2>フコイダンに作用する低分子化酵素、脱硫酸化酵素、脱アセチル化酵素の性質と応用
1.フコイダン低分子化酵素と脱アセチル化酵素
2.フコイダン脱硫酸化酵素
3.アミロイド線維化阻害について

【第Ⅲ編 脂質・脂肪酸】
<1>麹菌による有用脂質の生産:酵素量の調節による有用遊離脂肪酸の生産性向上
1.序
2.麹菌を用いた遊離脂肪酸生産
 ・生産性向上
 ・分泌化
 ・高付加価値化
3.今後の研究展望

<2>植物内在分子を用いたヒト型遊離セラミドの生産技術
1.はじめに
2.植物固有の複合スフィンゴ脂質GIPC
3.植物GIPCの抽出および分析法
4.植物組織に内在するGIPC分解酵素
5.分解酵素を利用した植物GIPCの産業利用
6.おわりに

<3>真骨魚類の高度不飽和脂肪酸の生合成に関わる酵素
  -海産魚がα-リノレン酸からn-3系高度不飽和脂肪酸を合成できない理由-
1.はじめに
2.脂肪酸の表記方法
3.脂肪酸の鎖長伸長と不飽和化に関わる酵素
4.哺乳類のLC-PUFA合成経路
5.真骨魚類のLC-PUFA合成
6.まとめ

<4>日本原産食材フキ・フキノトウの特有成分petasinによる脂質代謝調節作用
1.はじめに
2.肥満
 ・肥満とは
 ・肥満の予防と改善
3.哺乳動物における脂肪組織
 ・脂肪細胞の種類と分化
 ・糖質からの中性脂肪の合成を介したエネルギー貯蔵
 ・中性脂肪の分解による熱産生
 ・内分泌器官としての脂肪組織
4.フキ・フキノトウの脂質代謝調節作用
 ・脂肪蓄積抑制成分の同定
 ・Petasinの構造活性相関
 ・Petasinの作用機序
 ・脂肪蓄積抑制作用を安全かつ効率的に活用するための技術開発
5.おわりに

【第Ⅳ編 食品加工】
<1>プロテインホスファターゼおよびイヌリナーゼの特性と食品加工への応用
1.プロテインホスファターゼ
 ・プロテインホスファターゼ製剤の開発
 ・PPaseの特性
 ・PPaseの乳製品への応用
 ・豆乳製品への応用
2.イヌリナーゼ
 ・イヌリナーゼについて
 ・イヌリナーゼの食品加工への応用例
3.おわりに

<2>米飯の品質改良に対するグライコトランスフェラーゼ「アマノ」の応用
1.米飯の老化とは
2.グライコトランスフェラーゼ「アマノ」とは
3.グライコトランスフェラーゼ「アマノ」の米飯への応用
 ・米飯品質の向上
4.健康面への影響

<3>ホスホリパーゼの特性と食品加工への応用
1.はじめに
2.リン脂質に作用する酵素ホスホリパーゼ
 ・各種ホスホリパーゼ
 ・ホスホリパーゼA2
3.各種PLA2の特徴
4.食品加工へのPLA2の使用
 ・マヨネーズへの応用
 ・和菓子・洋菓子への応用
 ・プリンへの応用
 ・スクランブルエッグへの応用
 ・レシチン製造への応用
 ・チーズへの応用
5.食品加工へのホスホリパーゼDの使用
6.おわりに

<4>製パンにおける酵素の利用
1.はじめに
2.製パンに使用される酵素
 ・アミラーゼ
 ・ヘミセルラーゼ
 ・グルコースオキシダーゼ/アスコルビン酸オキシダーゼ
 ・プロテアーゼ
 ・リパーゼ
 ・その他
3.製パン応用の実際
 ・エキソマルトテトラオヒドロラーゼ:デナベイク(R)EXTRA
 ・6-α-グルカノトランスフェラーゼ:デナチーム(R)BBR LIGHT
4.おわりに

【第Ⅴ編 プラ分解】
<1>PET分解酵素の高機能化と構造機能相関

<2>生分解性プラスチック分解酵素の多彩な応用
1.はじめに
2.生分解性プラスチックと分解酵素
3.生分解プラスチック分解酵素の応用例
4.新たな生分解性プラスチック分解酵素の発見
5.おわりに

【第Ⅵ編 酵素機能の創作】
<1>チロシナーゼを利用したタンパク質の高機能化・素材化
1.チロシナーゼ
2.遺伝子工学的手法によるチロシナーゼの産生
3.チロシナーゼ活性の測定
4.ドーパを含むタンパク質-イガイ接着タンパク質
5.ドーパ含有タンパク質の調製
6.チロシナーゼを利用したタンパク質の高機能化・素材化

<2>根圏情報物質orobancholの生合成・構造展開に関わる酵素と応用の展望
1.はじめに-代表的なストリゴラクトンであるorobanchol
2.Orobancholの生合成経路の解明:CYP722CとSRFの発見
3.ササゲにおけるSRFパラログの新機能化
4.Orobanchol構造展開に関わる酸化酵素とアセチル化酵素の同定
5.Orobancholの生合成・構造展開を担う酵素に関する知見の応用可能性

<3>植物の酵素遺伝子の発現制御によるリグニンの量と組成の改変
1.リグニンの化学構造の特徴
2.リグニンの生合成経路とその酵素
3.リグニンの代謝工学
 ・リグニン含量の低減
 ・易分解性構造のリグニンへの導入
 ・リグニン含量の増加
 ・リグニンの構造単純化

【市場編】
<1>市場
1.糖質関連酵素
 ・α-グルコシド加水分解酵素
 ・β-グルコシド加水分解酵素
 ・グルコシド以外の加水分解酵素
 ・転移酵素
 ・加リン酸分解酵素
 ・異性化酵素
 ・その他の糖化酵素
2.タンパク質・ペプチド関連酵素
 ・エンドペプチダーゼ
 ・エキソペプチターゼ
3.その他のタンパク質・ペプチド分解酵素
 ・コラゲナーゼ
 ・ケラチナーゼ
 ・グルタミナーゼ
 ・アスパラギナーゼ
 ・トランスグルタミナーゼ
 ・プロテイングルタミナーゼ
 ・脂質関連酵素
 ・酸化酵素

<2>酵素応用製品の市場
共通項目
 ・概要
 ・安全性
 ・製法
 ・需要
 ・市場動向
 ・価格 など
1.ジアシルグリセロール
2.大豆ペプチド
3.トレハロース
4.L-トリプトファン
5.ポリ乳酸
6.コラーゲン
7.エリスリトール
8.ステビア甘味料
9.キシリトール
10.酵母エキス
11.パラヒドロキシアルカン酸
12.ポリグリコール酸

<3>酵素応用分野の市場
1.機能性食品素材の市場
 ・概要
 ・市場規模
 ・主要製品動向
 ・企業動向
2.プロバイオティクス市場
 ・概要
 ・プロバイオティクスの研究動向
 ・企業動向
3.バイオプラスチック市場
 ・概要
 ・種類
 ・用途
 ・市場動向
 ・企業動向
4.甘味料市場
 ・概要
 ・甘味料の種類
 ・市場動向
 ・企業動向
5.天然調味料の市場
 ・概要
 ・分野別動向
 ・企業動向
6.β-グルカン素材の動向
 ・概要
 ・分野別動向
 ・企業動向
7.アミノ酸
 ・概要
 ・用途
 ・市場動向
 ・価格
 ・企業動向

■監修■
井上 國世
京都大学名誉教授
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