SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

動物実験代替法とNew Approach Methodologiesの
開発・利用動向

商品No.
R02V1040
出版月
2023年 9月
価格

印刷タイプ 78,100円 (税込)

ページ数
B5判 296ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・医薬品、医療機器、農薬、香粧品、化学品、食品の各業界における動物実験代替の動向を詳述!
 ・in vitroやin silicoといった動物を用いない新たな評価系New Approach Methodologies(NAMs)の開発・利用動向をまとめた1冊!
 ・iPS細胞、3次元培養モデル、生体模倣システム(MPS)、非哺乳動物受精卵、線虫、腸内細菌、数理モデル、in chemico試験などを用いた各種評価法を収載!

■概要■
 動物実験を用いない試験法「動物実験代替法」を推奨する動きが欧米を中心として国際的に広がり、我が国においても認知が進んでいる。昨今は、動物実験代替法という用語だけでなく、新規アプローチ法(New Approach Methodologies:NAMs)という用語も使われ、化粧品のみならず、医薬品、医療機器、化学品、農薬および食品の分野まで新しい試験法やその利用が広がりつつある。一方、動物実験代替法の技術的な課題や、旧来的な考えに基づく体制的な問題などから、動物実験代替法の普及はまだまだ不十分な状況にある。そのような状況下、各分野の専門家のご協力を受け、各業界における動物実験代替法の活用の動向や、各種動物実験代替法の開発・応用事例についてまとめて頂いた。
本書は、これらの最新情報をもとに動物実験代替法の利用普及の一助をして頂ける書籍になっていると考えている。
-CONTENTS-
【第Ⅰ編 総論】
<1>動物実験代替法に関わる国際機関の動向
1.動物実験代替法とは何か?
2.安全性評価に関わる国際機関における代替法の動向
3.まとめ

<2>Next Generation Risk Assessmentの現状と行政利用へ向けた課題
1.はじめに
2.NGRAのフレームワーク
3.全身毒性を対象としたNGRA のケーススタディ
4.NAMsの信頼性確立へ向けた課題
5.おわりに

【第Ⅱ編 医薬品業界】
<1>医薬品業界における動物試験代替の動向
1.使用動物数の削減
2.動物試験系で評価できない作用

<2>幹細胞を用いた毒性評価
1.はじめに
2.発生毒性学の原則との関連性を解析する試験
3.幹細胞を用いた毒性評価におけるオルガノイドの活用
4.幹細胞の特性を生かした人工知能(AI)との融合分野
5.おわりに

<3>疾患iPS細胞を用いた創薬開発
1.疾患(特異的)iPS細胞
2.創薬開発に利活用される疾患iPS細胞のバンキング
3.疾患iPS細胞が利用される創薬開発プロセス
4.疾患iPS細胞を用いた創薬開発の特色
5.疾患iPS細胞が利活用される領域
6.疾患iPS細胞を用いた創薬開発例
7.今後の課題と展望

<4>線虫C. elegansを用いて健康寿命・安全性を評価する自動測定システム
1.はじめに
2.線虫の健康寿命ミニ集団解析技術C-HASの確立
3.C-HASの評価指標ヘルサブルスコア(HaSTM)の開発
4.少量サンプル数にも対応した4 象限ヘルサブルスコア(qHaSTM)の開発
5.標準/健康長寿集団の優位性を表す4象限セーファブルスコア(qSaSTM)
6.おわりに

<5>Microphysiological systems(MPS)の開発・利用動向
1.MPS の概念
2.MPS の開発および活用動向
3.MPS活用の課題と展望

<6>経皮吸収型製剤のin vitro/in silico 評価法
1.経皮吸収型製剤
2.経皮吸収性評価法
3.経皮吸収シミュレーションソフトウェアSKIN-CAD(R)
4.経皮吸収性予測の動物実験代替法

<7>数理モデルによる仮想人体構築
1.はじめに
2.システムズバイオロジーの歴史
3.肝臓内の局在によって異なる挙動をする
  肝細胞の代謝ネットワークの数理モデル
4.ヘテロな細胞が相互作用する肝繊維化を起こす数理モデル
5.物理的・化学的特徴を同時に考慮した
  がん微小空間における血管新生の数理モデル
6.おわりに

<8>医薬品毒性予測/診断のための安全性バイオマーカー開発
1.はじめに
2.バイオマーカーについて
3.規制当局に適格性認定された安全性バイオマーカー
4.安全性バイオマーカー開発に関連した研究事例
5.安全性バイオマーカー開発の新たな潮流
6.おわりに

【第Ⅲ編 医療機器業界】
<1>医療機器業界における動物実験代替の動向
1.医療機器の特徴
2.医療機器の生物学的安全性評価
3.評価法ごとの動物実験代替法導入の状況
4.今後の課題

<2>再構築ヒト表皮モデルを用いた刺激性評価
1.はじめに
2.医療機器の刺激性試験実施の基本的な考え方と背景
3.RhEモデルを使用した医療機器のin vitro 刺激性試験
4.今後の課題
5.最後に

<3>代替法を用いた皮膚感作性評価
1.はじめに
2.国際標準及び国内ガイダンスにおける皮膚感作性試験
3.医療機器の皮膚感作性評価における動物実験代替法の導入に向けた動き
4.国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部における動物実験代替法の開発
5.おわりに

<4>医療機器の生物学的安全性評価における細胞毒性試験
1.はじめに
2.医療機器評価のための細胞毒性試験の概要
3.細胞毒性試験の流れ
4.細胞毒性試験におけるサンプルプレパレーション
5.細胞毒性試験の結果判定
6.結果の解釈
7.まとめ

【第Ⅳ編 農薬業界】
<1>農薬業界における動物実験代替の動向
1.序文
2.眼刺激性および皮膚刺激性試験
3.皮膚感作性試験
4.In vitro経皮吸収性試験

<2>代替法による農薬の感作性評価
1.はじめに
2.農薬における感作性評価の現状
3.In vitro試験法
4.複数の代替法の組み合わせによる評価手法
  (Defined Approach、OECD TG 497)
5.農薬への適用と今後の展開

<3>OECDにおける生態影響試験
1.はじめに
2.農薬の環境影響評価に用いられる多様な生態影響試験
3.生態影響試験における動物実験代替法とNew Approach Methodologies
4.おわりに

<4>発達神経毒性評価
1.発達神経毒性におけるNew Approach Methodologies(NAMs)の導入
2.有害性発現経路
3.発達神経毒性のin vitroバッテリー試験
4.急性暴露と発達暴露
5.MEAアッセイ
6.まとめ

【第Ⅴ編 香粧品業界】
<1>香粧品業界における動物実験代替の動向
1.はじめに
2.医薬部外品等の安全性試験法に関するガイダンス検討会
3.代替法活用に関する教育・研究活動
4.代替法開発における業界動向
5.終わりに

<2>ヒト3次元培養モデル(表皮、角膜)の紹介
はじめに
1.3次元培養モデル(表皮・角膜)とは
2.3次元培養表皮モデルの製造方法
3.皮膚刺激性試験
4.皮膚腐食性試験
5.皮膚感作性試験
6.光毒性試験
7.眼刺激性試験
8.さいごに

<3>〈皮膚感作性試験〉Amino acid Derivative Reactivity Assay (ADRA)
1.はじめに
2.材料および試薬
3.試験方法
4.データ解析と試験成立条件
5.感作性物質と非感作性物質の判定基準
6.適用限界
7.その他 ADRAとDPRAの比較

<4>皮膚感作性in silico予測モデル
1.はじめに
2.皮膚感作性予測に関するin silicoモデル
3.皮膚感作性評価のための統合的アプローチ
4.規制安全評価での皮膚感作性in silico予測モデルの活用に向けて

【第Ⅵ編 化学品業界】
<1>化学品業界における動物実験代替の動向
1.はじめに
2.ICCA LRIについて
3.日化協LRIについて
4.今後

<2>内分泌かく乱物質スクリーニング
1.内分泌かく乱物質問題
2.OECDの動向
3.レベル1試験
4.レベル2試験
5.レベル1及びレベル2試験による評価の一例
6.まとめ

<3>ウズラ受精卵を用いた環境汚染物質の生殖発生毒性評価法の開発
1.はじめに
2.鳥類胚における生殖器官の発生
3.ウズラ受精卵と鳥類胚培養技術の活用
4.ウズラ胚を用いた内分泌かく乱物質による性分化異常の検出
5.新たなOECD TGの提案
6.おわりに

<4>ヒト免疫反応をin vitroで再現する細胞培養系の開発
1.序論
2.皮膚感作とは
3.皮膚感作性評価法:h-CLAT
4.白斑誘発性評価法:h-CLATw/M
5.皮膚と呼吸器感作性識別の評価法:DC共培養系
6.皮膚と呼吸器感作性識別の評価法:2ステップDC/T共培養系
7.T細胞依存性抗体産生能評価法:DC/T/B共培養系
8.あとがき

<5>有害性評価支援システム統合プラットフォーム(HESS)
1.はじめに
2.HESS開発の経緯
3.HESSのシステム構成
4.HESS公開後の状況
5.最近の取組
6.まとめ

<6>毒性発現メカニズムに基づく化学物質の毒性予測システムAI-SHIPS
1.はじめに
2.AI-SHIPSプロジェクトスタートの背景
3.毒性予測の仕組み(3層モデル)
4.毒性予測システムの構成
5.データ駆動型化学の全体像の中での
  毒性予測システムの位置づけと今後への期待

【第Ⅶ編 食品業界】
<1>食品分野における動物実験代替の動向
1.はじめに
2.食品の特性並びに健康機能を有する食品をとりまく状況
3.国内外の食品行政・規制における動物実験代替の動向
4.動物実験代替推進にむけた技術開発動向
5.食品分野での動物実験代替推進に向けたILSI Japanの取り組み
6.まとめ

<2>In vitroヒト大腸-腸内細菌叢培養モデル
1.はじめに
2.食品等の腸内動態とヒトの健康
3.In vitro 腸内細菌叢培養の目的と方法
4.KUHIMMの運用方法と特徴
5.KUHIMMによる機能性成分の評価例
6.KUHIMMを用いたDysbiosisモデルの構築
7.おわりに

<3>カイコを用いた、ブロッコリー中性多糖類の自然免疫促進活性の評価
1.イントロダクション
2.結果
3.考察

<4>ゼブラフィッシュを用いた食品成分の機能性評価
1.動物実験代替法としてのゼブラフィッシュ
2.ゼブラフィッシュを用いた食品成分の機能性評価

<5>高機能化腸オルガノイドの動物実験代替法への応用性
1.はじめに
2.ミニ腸とは
3.ミニ腸の誘導方法
4.ミニ腸の特性
5.実験動物の代替法としての有用性
6.今後の展望とその実現に向けた取り組み

■監修■
小島 肇夫
国立医薬品食品衛生研究所;(一財)食品薬品安全センター
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