SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

遺伝子治療開発研究ハンドブック 第2版

商品No.
R04P0269
出版月
2023年 4月
価格

印刷タイプ 79,200円 (税込)
CD-R(PDF)タイプ 79,200円 (税込)

ページ数
B5判 772ページ
発行<調査・編集>(株)エヌ・ティー・エス
備 考
CD-R(PDF)タイプは無断複製防止の為、お申込者の団体名(又は氏名)が透かしで入ります。
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レポート内容
■ポイント■
・動物からヒトへ、進む臨床実例研究!
・iPS細胞からゲノム編集、ゲノムワクチン、近年注目されるCAR-T(免疫細胞)療法まで、前著『遺伝子治療開発研究ハンドブック』からの四半世紀での革命的進歩を網羅!!
・臨床開発と医療経済学的視点、規制や副作用の事例も紹介、遺伝子治療を実際に進めたい人が参考にできる、学会の総力を結集した待望のハンドブック!

■概要■
 遺伝子治療の臨床開発が米国で開始されてちょうど10年経った1999年に 『遺伝子治療開発研究ハンドブック』(日本遺伝子治療学会編)の初版が発刊されました。当時は、遺伝子治療という新しい治療モダリティーに大きな期待が寄せられた「黎明期」から、有害事象の発生や倫理的問題で一旦基礎研究に立ち戻るべきとの気運が高まった「充電期」に移行する
時期でした。さらにこの10 年間は「発展期」として、がんに対するウイルス療法、単一遺伝子疾患に対するアデノ随伴ウイルスベクター製品、重症複合免疫不全症に対するex vivo 法、血液がんに対するCAR-T療法等、遺伝子治療の新薬認可が世界で相次ぎ、我が国でも国産製品が複数承認されるに至りました。遺伝子治療は、今や様々な疾患領域で治療革命を起こしています。世界の巨大製薬企業を始めとする数々の企業が、創薬のターゲットを遺伝子治療に向けており、開発競争が加速しています。
 世界保健機関(WHO)は、2020年1月30日、のちにパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)について緊急事態を宣言しました。ほぼ同時に、欧米ではワクチン開発が始動し、その先頭を切ったのが、SARS-CoV-2のスパイク蛋白質をコードするメッセンジャーRNAを 非ウイルスベクターで筋細胞内に導入、もしくはスパイク蛋白質の遺伝子をアデノウイルスベクターで 筋細胞内に導入する手法で、いずれも遺伝子治療技術を用いたものでした。前者の治験は早くも2020年4月から始まり、2020年12月には緊急承認によって世界各国で使用が開始されました。 遺伝子治療技術がいかに迅速に医療に応用できるかを世界は目の当たりにし、日本では特に、その基盤技術開発の重要性が再認識される契機となりました。
 新型コロナウイルスワクチンが実は遺伝子治療の技術を用いていると意識している一般人は少ないでしょう。 それほど遺伝子治療は身近なものとなりました。ゲノム編集などの技術革新も追い風となり、遺伝子治療は現在、医薬品開発の主要なジャンルになったと言えます。このような背景の中、高い評価を受けました初版から24年の歳月が経ち、2度目の大改訂を求める読者の声が高まって、第2版出版の運びとなりました。遺伝子治療開発研究におきましては、近年、 著しい技術の進歩と豊富な臨床データの蓄積があり、また遺伝子治療創薬を取り囲むさまざまな環境も変化してきております。 そのため、一般社団法人日本遺伝子細胞治療学会が総力を挙げ、オールジャパンの幅広い専門分野の第一線の方々にご執筆頂きました。お陰で、関連する産・学・官のあらゆる分野の読者にとって指針となり、また遺伝子治療に関心を持つ一般の読者にとっても近年の動向が解るような、全く新しいハンドブックに生まれ変わりました。
-CONTENTS-
口絵
『遺伝子治療開発研究ハンドブック 第2版』の出版にあたって

【第1編 遺伝子治療の概説】
<1>遺伝子治療とは
 ・遺伝子治療の最初の提案
 ・遺伝子を用いた遺伝子治療の進展
 ・遺伝子を治療する遺伝子治療が実現
 ・新型コロナウイルス感染症のワクチン研究からの視点
 ・今後の方針

<2>遺伝子治療の歴史
 ・1980年以前
 ・Cline事件
 ・レトロウイルスベクターの開発
 ・世界最初の遺伝子治療
 ・ウイルスベクターの開発
 ・遺伝子治療の臨床試験の見直し
 ・Gelsinger事件
 ・レトロウイルスベクターによる白血病 など

【第2編 基盤技術】
<1>遺伝子導入・改変技術
1.アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター
2.レンチウイルスベクターによる造血幹細胞遺伝子治療
3.アデノウイルスベクター
4.モノネガウイルスベクター
5.HVJ-リポソーム
6.プラスミドDNA
7.ゲノム編集技術の基礎
8.ゲノム編集技術の臨床応用
9.腫瘍溶解ウイルス療法臨床開発の現状
10.核酸医薬品
11.mRNA医薬の製造と応用
12.ドラッグデリバリー技術が先導する遺伝子医薬品の開発

<2>遺伝子治療モデル動物
1.ゲノム編集による病態モデルマウスの作製
2.ゲノム編集ラットの作製と遺伝子治療研究への応用
3.再生医療
4.エピゲノム編集マウス
5.疾患研究におけるヒト化マウス
6.キメラ動物作製技術を用いた臓器再生モデル
7.ピッグモデル
8.遺伝子治療開発研究のモデルとしてのマーモセット
9.カニクイザル
10.ウイルス感染・ワクチンモデル

<3>臨床・非臨床用ベクター・細胞の製造
1.遺伝子治療用ベクター・細胞の製造状況
(1)総論
(2)各論
2.遺伝子治療用ベクターの分析・品質管理技術
3.遺伝子治療用ベクター・細胞製品製造における同等性/同質性評価の考え方と変更管理
4.遺伝子治療用ウイルスベクター製造に向けた重要品質特性とプロセス開発の考え方

【第3編 疾患別】
<1>Ex vivo遺伝子治療
1.造血幹細胞を標的とするex vivo遺伝子治療
(1)原発性免疫不全症
(2)先天代謝異常症
(3)ヘモグロビン異常症に対する造血幹細胞遺伝子治療
(4)血友病
(5)Genotoxicity
2.T細胞を標的とするex vivo遺伝子治療
(1)CAR-T細胞療法
(2)抗原特異的TCR-T細胞療法
3.脂肪細胞を標的とするex vivo遺伝子治療
(1)家族性LCAT欠損症を対象としたex vivo脂肪細胞遺伝子治療
4.皮膚細胞を標的とするex vivo遺伝子治療
(1)先天性表皮水疱症など
5.間葉系幹細胞を用いた遺伝子治療の現状
6.iPS細胞を応用したex vivo遺伝子改変免疫細胞療法
7.眼科疾患の遺伝子治療・細胞治療
(1)眼科領域の遺伝子治療・細胞治療の歴史
(2)遺伝性網膜疾患に対する細胞治療
(3)加齢黄斑変性に対する幹細胞を用いた再生医療

<2>In vivo遺伝子治療
1.遺伝性疾患in vivo遺伝子治療
(1)脊髄性筋萎縮症における遺伝子治療-臨床試験成績と今後の展望
(2)筋ジストロフィー症
(3)AAVベクターの肝毒性
2.先天代謝異常症in vivo遺伝子治療
(1)AADC欠損症
(2)ライソゾーム病のin vivo遺伝子治療
(3)GLUT1欠損症
(4)Niemann-Pick病C型に対する遺伝子治療開発の現状
(5)GM2ガングリオシドーシス
(6)低ホスファターゼ症
3.血友病in vivo遺伝子治療
4.がんin vivo遺伝子治療
(1)がん全体のin vivo遺伝子治療に関する最近の動向について
(2)がん特異的経路・特性を標的とした遺伝子治療
(3)ウイルス療法
(4)臓器別(固形がん)の研究と全体(国内外)の動向
5.感染症in vivo遺伝子治療
(1)結核ワクチン
(2)HIV/HTLVワクチン
(3)エボラワクチン
6.神経疾患in vivo遺伝子治療
(1)パーキンソン病
(2)パーキンソン病の遺伝子治療
(3)筋萎縮性側索硬化症
(4)脊髄小脳失調症1型
(5)アルツハイマー病遺伝子治療の基盤技術の発展
7.循環器疾患in vivo遺伝子治療
(1)コラテジェン
(2)センダイウイルス
(3)リンパ浮腫
(4)高血圧DNAワクチン
8.眼科疾患in vivo遺伝子治療
(1)遺伝性網膜変性疾患に対するin vivo遺伝子治療
(2)滲出型加齢黄斑変性に対する遺伝子治療

【第4編 臨床開発と医療経済的視点】
<1>製品開発と薬事承認
1.製品開発のアウトラインと臨床研究
2.我が国の遺伝子治療用製品薬事承認
3.海外の薬事承認

<2>品質および非臨床
1.品質要件
2.製品製造上の課題
3.In vivoおよびex vivo遺伝子治療用製品の非臨床安全性評価
4.非臨床の国際調和

<3>カルタヘナ法とその対応
1.遺伝子組換え生物の取扱い
2.カルタヘナ法第一種使用等
3.カルタヘナ法第二種使用等
4.企業治験におけるカルタヘナ法への対応
〜カルタヘナ法に基づく第一種使用規程の承認取得と治験実施医療機関への対応について

<4>治療実施体制と医療経済
1.CAR-T療法-診療実施体制の構築
2.AAV治療実施体制構築
(1)SMA
(2)血友病
3.腫瘍溶解性ウイルス療法における治療施設での実施体制構築について
4.医療経済の観点から
(1)遺伝子治療など新規モダリティ医療に対する医療経済的視点
(2)再生医療等製品に対する医療経済的視点-企業の立場から
5.法令・指針リンク

■編集■
一般社団法人日本遺伝子細胞治療学会

■監修者■
藤堂 具紀
東京大学医科学研究所 教授

■編集顧問■
衛藤 義勝
一般財団法人脳神経疾患研究所先端医療研究センター センター長/東京慈恵会医科大学名誉教授

■編集代表■
大橋 十也
東京慈恵会医科大学医学部 教授
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