オプトバイオロジーの臨床応用に向けた技術開発動向調査
-PDT、光免疫療法、光遺伝学ほか-
■ポイント■
・特定の細胞や部位のみ、かつ特定の時間でのみ、生命現象を光で操作可能。
・がん領域に加え、光遺伝学を応用した眼疾患の治療法が開発されている。
・血管内照射可能デバイスやゴーグル型など、疾患に応じたデバイスの開発が進展している。
■概要■
光を用いて生体組織の活動を制御・観察するオプトバイオロジーは、光操作技術を用いて、主にがん領域において実装が進んできました。
日本では、PDTに用いる薬剤と光照射デバイスが最初に厚生労働省から承認を取得してから30年以上が経過し、消化器、呼吸器領域に加え、脳腫瘍等へも適応が拡大してきました。その間、光感受性物質とレーザー装置の改良が進み、近年では血管や管腔アプローチを含む導光デバイスの開発も進展しています。
2010年代には光免疫療法の開発が進み、2020年には切除不能な局所進行/局所再発の頭頸部がんを治療する医薬品およびデバイスが、厚生労働省から承認を取得しました。
さらに、光遺伝学を応用した眼疾患の臨床試験が進行するなど、光操作技術のがん以外の領域への臨床応用も進みつつあります。PDTを用いた感染症治療法の開発も進められており、多剤耐性菌にも効果があることから、今後の治療技術の発展が期待されます。
この調査は、光操作技術を用いた治療法を開発する企業について文献調査を実施し、臨床応用に向けた技術開発の動向を取りまとめ、今後必要とされる技術課題を整理しました。
はじめに
調査概要
＜１＞光操作技術とは
1．光操作技術を用いた医薬品・デバイス俯瞰図
2．光操作技術とは
3．光操作技術のこれまで
4．なぜ光操作技術が注目されているのか
＜２＞開発動向
1．主要企業による開発パイプラインの動向
2．主要企業による開発パイプライン一覧
3．主要企業による開発デバイスの動向
4．主要企業による開発デバイスの一覧
5．他の領域から参入した事例
6．国内アカデミアの動向
7．光操作技術を用いた治療の開発課題と開発されるべき技術
＜３＞光操作技術を開発する注目企業
【光操作技術を応用した医薬品を開発する企業】
1．Amplexd Therapeutics
2．Genflow Biosciences PLC
3．ImPact Biotech
4．Invion
5．LitePharmTech Co.， Ltd
6．LightOx Ltd
7．Lumobiotics
8．Lumox
9．Nanoscope Therapeutics
10．Nanospectra Biosciences， Inc.
11．Opsin Biotherapeutics， Inc.
12．PCI Biotech
13．POP Biotechnologies Inc.
14．Probiomedica Photonics & Robotics S.R.L
15．Ray Therapeutics， Inc.
16．Soligenix Inc.
17．Trince
18．VisiRose， Inc.
19．Vitanova Biomedical
20．(株)レストアビジョン
【光操作技術を応用した医薬品・デバイスを開発する企業】
21．Asieris Pharmaceuticals
22．Biofrontera AG
23．Bionic Sight， LLC
24．Gensight Biologics S.A.
25．Hemerion Therapeutics
26．Incando Therapeutics
27．Meiji Seika ファルマ(株)
28．Nasoscope Technologies， LLC
29．PhotoDynamic Inc.
30．Rakuten Medical， Inc.
31．Sun Pharmaceutical Industries Ltd.
32．Theralase Technologies Inc.
33．(株)PhotoQ3
【光操作技術を応用したデバイスを開発する企業】
34．Illumacell
35．Modulight
36．OncoLux Inc.
37．SpectraCure AB
38．Weber Medical
39．イルミメディカル(株)
40．(株)OKファイバーテクノロジー
■調査対象■
PDT、光免疫療法、光遺伝学等、光操作技術を応用した
医薬品・デバイスを開発する40社
■調査方法■
公開情報の収集・整理
■調査項目■
企業名、企業URL、設立年、本社所在地、技術区分、対象疾患、技術の概要・特徴、資金調達・事業展開動向など
■調査期間■
2025年6月〜10月
