令和6年度診療報酬改定を踏まえた
千葉大学医学部附属病院
副病院長・病院経営管理学研究センター長
特任教授・ちば医経塾塾長
井上 貴裕(いのうえ たかひろ) 氏
令和6度診療報酬改定における改定率は診療報酬本体部分について0.88%プラスである一方で、薬価等についてはマイナス1%となりました。本体部分については、平成20度改定以降、9回連続のプラス改定であり、職員の賃上げや物価高騰への対応を行うために自民党政権復帰後では最も高い改定率となりました。しかしながら、著しいコスト増、そして働き方改革への対応も重なり病院経営は極めて厳しく、楽観視できる状況にはありません。
本講演では今回改定を踏まえ高度急性期・急性期病院が取り組むべき課題と解決策についてデータを交えて具体的に解説いたします。
1.医療経済実態調査から分かる困窮する病院経営
2.なぜ患者数が戻らないのか?都道府県別等の実態
3.診療報酬は地域医療構想に寄り添う関係なのか
4.重症度、医療・看護必要度 今までの経緯とこれから 基準値をどうクリアするか
5.看護必要度B項目の廃止が意味すること
6.高齢者救急の担い手としての地域包括医療病棟がマッチする病院
7.短期滞在手術と地域包括ケア病棟、そして7対1看護師配置をどう考えるか
8.高齢者救急をどう考えるか、患者の年齢が病院機能に及ぼす影響
9.急性期充実体制加算をどう考えるか。総合入院体制加算終わりのはじまり
10.地域医療確保体制加算と手術等の休日・時間外・深夜加算1の届出をどう考えるか
11.手術室の有効活用のためになすべきこと
12.儲かる回復期リハビリテーション病棟をどう考えるか
13.機能評価係数Ⅱの実態と改定での変更点の影響
14.集中治療室を有効活用するための施策
15.医療費適正化計画とバイオシミラー、外来化学療法の実態
16.働き方改革関連の診療報酬の重要論点
17.病院機能別 看護師の人員配置の実態と看護補助者の活用
18.メディカルスタッフの病棟配置の実態と方向性
19.薬局の財務状況と薬剤師の有効活用に向けての施策
20.かかりつけ医との役割分担
21.地域の競争状況と病院がとるべき戦略
22.その他
千葉大学医学部附属病院 副病院長・病院経営管理学研究センター長・特任教授・ちば医経塾塾長。
岡山大学病院 病院長補佐・経営戦略支援部長、岡山大学客員教授。三重大学医学部附属病院 病院長補佐。
東邦大学医学部医学科客員教授。日本大学医学部社会医学系医療管理学分野客員教授。自治医科大学客員教授。
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)顧問。国立研究開発法人国立循環器病研究センター 理事長特命補佐。
東京医科歯科大学大学院にて医学博士及び医療政策学修士、上智大学大学院経済学研究科及び明治大学大学院経営学研究科にて経営学修士を修得。