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【みずほ銀行/NTTグリーン&フード/フィッシュファームみらい】
〜異業種連携と仕組み化で挑む水産ビジネスの革新〜
9月18日(木)
株式会社みずほ銀行
産業調査部 食品・飲料セクターアナリスト
黒田 康平(くろた こうへい) 氏
日本の食料需要は中長期的な人口減少を背景に緩やかな減少が見込まれる一方、海外においては人口増加や経済成長を背景とした食料需要の拡大が期待され、国内外間における食料需給ギャップの拡大が懸念されています。また、気候変動による食品原料調達リスクの高まり、世代変化に伴う食志向の多様化、高齢化を背景とした健康リスクの高まり等、食品業界を取り巻く環境は変革期を迎えつつあります。
かかる中、持続的な食料資源の調達と健康的なたんぱく質供給の観点で、水産分野における陸上養殖が注目されており、多様な事業者が市場参入、大規模化に取り組んでいます。本講演では、陸上養殖の将来性と課題、および陸上養殖の産業化に向けた取り組み方向性(弊行仮説)についてご紹介します。
1.日本の食品産業の現在地と中長期的な潮流変化
・国内外の食料需給ギャップの拡大
・サプライチェーン上流における脱炭素化
・食志向の多様化
・高齢化と健康リスク
2.陸上養殖の将来性と課題
3.陸上養殖の産業化に向けた取り組み方向性(弊行仮説)
・コストダウンと安定生産を実現する要素技術(水処理技術)への投資
・陸上養殖サプライチェーンの構築に向けた異業種連携
・品質面の競争力向上を企図した品種開発技術への投資促進
4.質疑応答/名刺交換
NTTグリーン&フード株式会社
代表取締役社長
久住 嘉和(くすみ よしかず) 氏
近年、世界的な人口爆発や地政学リスク等により、食料や原材料の価格高騰を招いています。また、気候変動による海水温上昇や乱獲等により、近海で獲れていた魚が獲れなくなる等、水産業にも影響を与えています。このような背景から、従来の「獲る漁業」から養殖を中心とした「育てる漁業」への転換がみられます。
本講演では、品種改良や情報通信技術を組み合わせた陸上養殖による食料・環境問題解決に資する取組概要、事例、今後の方向性を詳説します。
1.背景
(1)地球規模で起こる環境問題や食料不足への懸念
(2)陸上養殖への期待、動向
(3)NTTグループの食糧問題と環境問題への取り組み
2.事業構想
(1)事業概要
(2)品種改良技術の可能性
(3)具体的な取り組み内容(魚介類)
(4)具体的な取り組み内容(藻類)
3.今後の方向性
4.質疑応答/名刺交換
フィッシュファームみらい合同会社 社長/CEO
篠﨑 正弘(しのざき まさひろ) 氏
九州電力グループが取り組む新規事業として、廃止発電所跡地の利活用による持続可能かつ高付加価値なサーモンの陸上養殖事業を紹介します。
IoTを活用した水質の常時監視・制御や、生物ろ過技術を用いた循環型養殖システム(RAS)を導入し、年間を通じて安定供給が可能な「みらいサーモン」の生産体制を確立しています。
事業立ち上げの経緯、技術的な差別化要素、味覚分析による品質評価や商品としての競争力についても詳述。水産業の構造的課題に対し、陸上養殖という具体的なソリューションを提示します。
1.事業コンセプトと背景
2.水産業の課題とソリューション
3.陸上養殖(RAS)への取り組み
4.豊前みらいサーモンの生産体制
5.技術的差別化と競争力
6.地域連携と今後の展望
7.質疑応答/名刺交換
2016年 早稲田大学政治経済学部卒業後、みずほ銀行へ入行し、法人営業を担当
2022年 みずほ銀行産業調査部へ異動し、小売・食品・飲料セクターの産業調査に従事
大学卒業後、日本電信電話株式会社(NTT)入社
1999年 NTTコミュニケーションズ 経営企画部にて設備投資計画やM&A、国際事業部にて海外事業拡大、
外資営業等を担当
2014年 NTT研究企画部門にて食農プロデュース担当を立ち上げ、食農関連のパートナーとともに新規事業や
サービスを創出
2023年 NTTでの活動における知見や人脈を活用し、陸上養殖を軸としたNTTグリーン&フードを設立
1993年九州電力入社、同社総合研究所社会インフラグループ・主幹研究員、(一社)玄海町みんなの地域商社・統括マネジャー、同社土木建築本部海外・イノベーショングループ課長などを経て、2024年7月フィッシュファームみらい合同会社社長就任。博士(工学)、一級建築士、エネルギー管理士。