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空飛ぶクルマの国内外の最新動向2025
7月23日(水)
東京大学大学院 名誉教授/
未来ビジョン研究センター 特任教授
鈴木 真二(すずき しんじ) 氏
「空飛ぶクルマ」はわが国では電動主直離着陸機(eVTOL)として社会実装のための取り組みが2025大阪関西万博を目標に官民で進められてきた。車のように空を移動したいという夢は航空機が出現して以来追い求められてきたものであり、それらの歴史を振り返ることで技術的、制度的および市場性の将来を展望したい。
1.空飛ぶクルマの歴史
2.空飛ぶクルマの技術と動向
3.空飛ぶクルマの制度と動向
4.空飛ぶクルマの市場性と動向
5.質疑応答/名刺交換
(株)航想研 代表取締役社長/
(公財)航空機国際共同開発促進基金(IADF)
理事
奥田 章順(おくだ あきのぶ) 氏
2025年の大阪関西万博で話題となっている「空飛ぶクルマ」だが、正確には航空機である(AAM(Advanced Air Mobility)、eVTOL(electric VTOL)。海外ではフロントランナーが着実に事業化を進める一方で、淘汰も進んでいる。また、従来は全電動が基本だったが、ハイブリッド化への動きも目立ってきており、認証・認定基準やバーティポート等のインフラ基準策定も進んでいる。そして、AAMの実現化、社会実装に向けては「安全」、「安心」、「継続」という社会に向けての「3つ約束」がキーとなるが、いかに「3つの約束」を実現し、社会に理解してもらい、共に取り組んでいくかについて考察する。また、将来の自律飛行等の技術はAAMだけでなく、他の航空機分野での開発動向が重要となる。これらを踏まえ、大阪関西万博後の、2030年に向けてのAAMシナリオを考察する。
1.AAMを取り巻く注目される動向(プレイヤの淘汰、サービス立上げ計画、ハイブリッド化、インフラ)
2.AAMの社会実装:「3つの約束」(社会実装へのアプローチを考える)
3.AAMのアプリケーション・シナリオと事業性
4.AAMの先進技術(自律飛行等):AAM以外の航空機分野での取組とAAMへの適用
5.2030年に向けてのシナリオ考察
6.質疑応答/名刺交換
東京大学大学院工学系研究科
航空宇宙工学専攻 特任研究員
中村 裕子(なかむら ひろこ) 氏
「空飛ぶクルマ」あるいはAAM (Advanced Air Mobility)の特徴として、高度自動化や高頻度運航が挙げられることが多い。この講演では、エアモビリティの低コスト化や利便性向上の鍵とされている、そうした特徴の実現に向けた展望等について理解を深めることを目指します。さらに、パリ五輪における反対運動などもあり、社会受容性・住民の理解の醸成に関して、本格的に取り組んでいく必要も出てきており、こちらにも焦点を当てたいと思います。昨年に続き、最新の国内外事例に基づき、今押さえておきたい、交通管理の課題の整理や地域で望ましいアクションについてご紹介したいと思います。
1. イントロダクション: AAMの3つの特徴?
2.自由な空の移動実現へのチャレンジ:運航規模拡大に向けた論点
3.航空の自律化の展望
4.AAMの受け入れに向けて:社会受容を考える
5.質疑応答/名刺交換
(株)日本政策投資銀行 産業調査部 調査役
岩本 学(いわもと まなぶ) 氏
いよいよ開幕を迎えた大阪関西万博。日本では万博での商業運航の実現を目指していたが、機体認証の遅れなどによりデモ飛行に留まることとなった。世界ではこの先数年以内の商業化を見据える中、日本ではポスト万博の議論を早急に進める必要がある。改めて日本の空の移動革命の歴史を振り返り、また海外での機体開発動向を開設しながら、万博後に向けた国内企業や自治体の取り組みを紹介する。
1.改めて振り返る空の移動革命
2.主要な機体メーカーの最新動向
3.空飛ぶクルマに取り組む国内企業や自治体の紹介
4.ポスト万博を考える
5.質疑応答/名刺交換
1979年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。(株)豊田中央研究所を経て、1986年 東京大学工学部助教授。1996年より工学系研究科航空宇宙工学専攻教授。2019年より現職。工学博士。日本航空宇宙学会会長(第43期)、日本機械学会副会長(第95期)、国際航空科学連盟会長(2019-20)、日本UAS産業振興協議会理事長、など。主な著作:『落ちない飛行機への挑戦-航空機事故ゼロの未来へ』(化学同人)、『飛行機物語-航空技術の歴史』(ちくま学芸文庫)、『現代航空論-技術から産業・政策まで』(共編、東京大学出版会)。
1983年3月 早稲田大学理工学部理工学研究科修士課程修了(流体工学、田島研究室)。1983年4月〜2018年3月 (株)三菱総合研究所 経営コンサルティング本部 参与/チーフコンサルタント。2004年〜2017年 北陸先端科学技術大学院大学 客員教授。2012年〜 公益財団法人航空機国際共同開発促進基金(IADF) 理事。2018年5月〜2021年9月 (株)三菱総合研究所 客員研究員。2018年6月〜 (株)航想研 代表取締役社長。【現在の活動】これまでに航空宇宙関連の300を超えるプロジェクトを実施、現在は航空機の「脱炭素化(SAF、電動/ハイブリッド航空機、水素航空機、AAM/eVTOL等)の技術調査、市場分析、事業化コンサル等を行っている。AAMについては2000年代初めから20年以上、複数プロジェクトを手掛けている。【委員会活動】経済産業省 産業構造審議会 航空機産業小委員会 委員。IADF 航空機産業調査委員会 委員長、航空機技術調査委員会 委員。NEDO 航空機用先進システム実用化プロジェクト事業推進委員会委員。NEDO グリーンイノベーション基金事業/次世代航空機の開発プロジェクト委員。NEDO 「革新的新構造材料等研究開発」(終了時評価)分科会 分科会長代理。NEDO 航空機エンジン向け材料開発・評価システム基盤整備事業委員。NEDO エネルギー・環境新技術先導研究プログラム委員 他。これまでにNEDO、SJAC、JAXA、東京大学、民間企業等、複数委員会委員を務めてきた。
一般財団法人日本無人機運行管理コンソーシアム事務局次長(UAM自治体連絡会発起人)。国内自動車会社を経て、東京大学(航空イノベーション総括寄付講座)へ。2013年、工学博士(東京大学)取得、2017年8月より2023年3月まで特任准教授としてイノベーションマネジメント、ドローンリスク管理、低高度空域運航管理(UTM)、国際標準規格化の研究に従事。イノベーションの実現に向けて各種ネットワークの運営に従事-現職の他、JUIDA 参与,航空の自動化/自律化委員会主査、無操縦者航空機委員会(JRPAS)幹事、エアモビリティ自治体ネットワーク(UIC2-Japan)発起人など。東京大学出版会「ドローン活用入門: レベル4時代の社会実装ハンドブック」編者。
2012年に株式会社日本政策投資銀行に入行後、主に航空・航空機産業を担当。2019年より航空宇宙室にて国内外の航空機メーカー向けファイナンス業務や航空宇宙産業のイノベーション分野の調査業務を担い、2022年より産業調査部にて次世代エアモビリティの社会実装実現のための活動を推進中。様々な自治体のアドバイザーを務める。週刊エコノミストに空飛ぶクルマ最前線を連載中。