SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

会場受講(先着40名)/ライブ配信
診療報酬改定、物価高騰、医療DX等・・・

激しい環境変化の中で
病院経営の舵取りをするための処方箋

〜市場動向、制度の行方を見極め、設備・建築投資を実現する〜

No.
S24005
会 場
SSK セミナールーム
東京都港区西新橋2-6-2
ザイマックス西新橋ビル4F
開催日
2024年 3月 2日(土) 13:00~16:20 終了済
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受講料
医療従事者は各受講方法 1名につき3,300円(税込)
一般企業の方は各受講方法 1名につき33,440円(税込)
備 考
事前に、セミナー講師へのご期待、ご要望、ご質問をお受けしております。
可能な限り講義に盛り込んでいただきますので
お申込フォームの質問欄を是非ご活用ください。


■ライブ配信について
<1>Zoomにてライブ配信致します。
<2>お申込時にご登録いただいたメールアドレスへ視聴用URLとID・PASSを開催前日までに
   お送り致しますので、開催日時にZoomへご参加ください。

※本セミナーにお申込をされた場合、
 主催、共催で個人情報(氏名、勤務先会社名、所属/役職、住所、連絡先等)を
 共有致します。
 主催、事務局は製品、サービス、関連イベントに関するパンフレット、Eメール等の
 送付や情報の提供・案内に利用します。
 個人情報は、当該企業における個人情報保護方針またはプライバシーポリシーに沿って
 適切に管理されます。

■協賛: 日揮株式会社

 ※協賛企画のため、ゼネコン、設計事務所、コンサルタントの方のご参加は
  ご遠慮いただきます。

※一般企業の方で、同一のお申込フォームより複数名お申込の場合、
 2人目以降を27,500円(税込)で承ります。

会場受講以外の受講方法について詳しくはこちらをご確認下さい。

3月 2日(土) 終了済

Ⅰ.すでに起こった未来、病院はどう変わるべきか
  〜病院DX、「治し支える医療」への転換を本格化

社会医療法人祐愛会織田病院 理事長
織田 正道(おだ まさみち) 氏

13:00~14:15

マネジメントの父と云われる経済学者ピーター・ドラッカーは何を語るに際しても、人口という指標をきわめて重要であると説いている。なぜなら人口問題は、ほぼ確実に未来が読めるからである。日本は間もなく団塊の世代が後期高齢者となる2025年を迎え、さらに2035年にはこの世代が85歳となり一千万人を超える時代を迎える。この時代を見据え、医療分野においては、病院の機能分化が進み、病院完結型から、連携による地域完結型、さらには在宅医療や介護分野も含めた地域の面連携へと進み、「時々入院、ほぼ在宅」と言われるような医療・介護体制の変革が求められている。さて、このような地域における面連携の時代に必要になってくるのが医療情報、患者情報の一元化・共有化である。ことに新型コロナウイルス感染症は、この流れを大きく加速させた。医療や介護分野においてもICTを活用した医療情報ネットワークが求められるようになり、国主導の医療DX(Digital Transformation)が本格化しようとしている。この国主導の医療DXと並行して進めなくてはならないのが、医療需要の高まり共に負担が増している医療現場の業務改革・病院DXである。そこで社会医療法人祐愛会織田病院(以下、当院)を例に挙げ、その取組を紹介する。当院が属する医療圏は全国平均より高齢化の進展が著しく、85歳以上の救急搬送患者、新規入院患者、さらには退院後も通院困難な高齢者が急増している。このような状況においては従来の対応では円滑な退院は難しい。この対策として院内においてICTを活用し退院に向けた様々な業務の効率化を進めると共に、退院後もオンライン診療はじめ、IoT(モノのインターネット)とAI(人工知能)を使った「在宅見守りシステム」の構築を行い患者の不安を軽減すると共に、医療・介護スタッフの業務改善を進めている。今回は、当院における入院から退院までの取組、さらには退院直後から在宅医療に移行するまでの流れについて述べる。
 1.当院は、24時間365日、地域の「かかりつけ医」が担当している在宅患者の急変や、救急搬送患者を受入れるなど地域の二次救急
   医療機関としての役割を担っている。入院決定と同時に退院困難が予測される患者のスクリーニングを開始し、入院後は治療と並行し
   ながら多職種協働で生活の場を想定した退院支援を行う。安心して生活の場に帰すためには、医師、看護師やメディカルソーシャルワ
   ーカー(以下、MSW)だけではなく、薬剤師、理学療法士、管理栄養士が、それぞれ医療専門職としてのスキルを発揮し多角的な視
   点からのチームアプローチが重要である。これには職種間の上下関係や壁をなくし、多職種協働のフラット型チームとなることが望ま
   しい。また、患者情報をチームで共有化するためには、電子カルテに含まれる膨大な情報から百数十項目の入退院支援に必要な情報
   のみ抽出できる入退院支援DBを構築し、ベッドサイドや在宅現場に電子カルテを持ち運びのいいモバイル端末を活用するためにクラ
   ウド化も行っている。また、入院中の業務の効率化を図るためのRPA導入(Robotic Process Automation)、通信機能付バイタルデバイ
   ス、ICTスマートベッドなどを用い入院中の業務改革のためのDXを進めている。
 2.次いで、退院直後の在宅医療支援を行うMBC(Medical Base Camp)の結成について述べる。当院の平均在院日数は11.7日
   (2022年度)であるが、85歳以上の高齢者など退院支援が必要な患者は在宅生活に不安を抱えて退院する例が多い。そこで当院
   連携センター内に退院直後の在宅医療支援を行うMBCチームを結成している。このMBCチームは、医師、訪問看護師、理学療法
   士、メディカルソーシャルワーカー、ケアマネージャー、ヘルパーの多職種からなり、退院と同時にシームレスな在宅医療支援サービ
   スを提供する。
  (1)MBCが属する連携センターには3台(80〜70inch)の大型モニターを設置しており、中央のモニター上のGoogle
     Maps上に在宅患者宅をマッピングすると共に、タブレット端末などの位置情報(GPS)を利用し、MBCスタッフや車両の
     位置もリアルタイムに画面上で把握できるようにしている。これにより状況に応じた的確な指示が行える。また、業務の効率化だ
     けでなく、患者宅からの緊急の連絡の際にも、近隣を移動しているMBCチームの迅速な対応が可能であり、訪問医療、訪問看護
     、訪問リハビリ、訪問介護などの業務も効率よく提供できるようになっている。
  (2)MBC結成と同時に、在宅患者の情報や容態をリアルタイムで遠隔から管理している。それを可能にしたのが院内でも使っている
     スマートベッドシステムである。これをSSL/VPN(secure sockets layer/ virtual private network)を用い、患者データを送信
     ・保存し、時系列でグラフに表示、関係者間で患者情報共有したことである。
  (3)在宅患者の生活環境を見守ることも重要である。「アクシデント発生を如何に早く見つけることが出来るか」、また、「在宅での
     生活を如何にサポートするか」にポイントをおいている。その中に室温管理がある。特に夏場の室内に置いての熱中症がクローズ
     アップされており、IoTを活用した当院のシステムを紹介する。
  (4)オンライン診療が診療報酬に算定され、スマートフォンやタブレットを使って、オンライン診療を受ける専用のアプリケーション
     ソフトウエアが増え、患者の利便性もよくなってきた。当院では継続してのオンライン診療併用の在宅や外来患者数は増加傾向に
     ある。高齢者はスマートフォンの使用経験がないため、自力でオンライン診療を開始することが難しく、オンライン診療は手助け
     が必要となる。主に家族に支援者となってもらうことが多いが、病院に付き添って来るより、時間的負担が少なくなるなどの理由
     で、家族からの依頼が増えている。
以上のような当院が進めているICTやIoT・AIを活用した在宅医療支援や、在宅見守り、さらにオンライン診療はスタッフの負担軽減に寄与しており、その取組を紹介する。

1.85歳以上人口の急増に伴う地域医療の変化

2.多職種協働、ICT活用についてで「治し支える医療」への転換を本格化
 (1)院内:安心して在宅へ返すための仕組み
 (2)退院直後:ケアの継続を図る仕組み
 (3)在宅:患者を支える仕組み

3.病院DX

Ⅱ.病院経営を取り巻く激しい環境変化の中で建築投資を実現するためのポイント

株式会社メディヴァ
取締役 コンサルティング事業部長
小松 大介(こまつ だいすけ) 氏

14:25~15:40

コロナ禍が明けて、継続した感染対策を行いつつも、徐々に各医療機関は中長期視点での投資検討を始めている。その中でも建物設備は大きな投資判断の一つであるが、経営環境の変化が大きく(診療報酬制度、医療費抑制、建築費高騰など)、ニーズを捉え適正投資のあり方を考えるのがとてもむずかしい状況となってしまってもいる。
本講義では、医療機関が見据えるべき市場動向や制度の行方などを踏まえつつ、建築費高騰において建築投資を実現するための方法について示していけたらと考えている。

1.医療機関を取り巻く環境変化
2.診療報酬改定のポイントとその先の制度の行方
3.病院における戦略と建替え計画の考え方
4.病院建替えを実現するための経営改善、計画策定事例

Ⅲ.病院経営から見た施設整備の事例紹介
  〜物価高騰下における建替えのヒント〜

日揮株式会社
営業部ヘルスケアグループ アシスタントマネージャー
横畠 慧(よこばたけ さとし) 氏

15:50~16:20

物価高騰の進む状況下、病院建替えを成功に導くためには、建替えに伴う経営改善が必須であり、ソフト(病院経営)ありきのハード(病院建築)との考え方がより重要になってきていると考える。今や社会問題ともいえる病院建替えにあたっての弊社のアプローチについて、具体的な事例を交えながらご紹介する。

1.病院建替えの市況整理
2.日揮の病院建替えの進め方
3.事例紹介

織田 正道(おだ まさみち) 氏
1978年 日本大学医学部卒業。1978年 久留米大学医学部耳鼻咽喉科、1980年 麻酔科。
1982年 佐賀医科大学耳鼻咽喉科。1986年 久留米大学にて学位取得。
1990年〜2004年 (医)祐愛会織田病院 院長、1998年〜理事長就任。
【主な役職】
(公社)全日本病院協会 副会長、(公社)日本耳鼻咽喉科学会 代議員、(社)佐賀県医師会 監事
(社)鹿島藤津地区医師会 会長(2006〜2012年)
厚生労働省:第8次医療計画等に関する検討会・構成員、地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ・構成員、外来機能報告等に関するワーキンググループ・構成員、低炭素社会実行計画フォローアップ会議・構成員、国民・患者に対するかかりつけ医機能をはじめとする医療情報の提供等に関する検討会・構成員、かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会・構成員
小松 大介(こまつ だいすけ) 氏
1995年 東京大学教養学部基礎科学科第二 卒業、1997年 東京大学大学院総合文化研究科修士課程 修了。1997年 マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントとしてデータベース・マーケティングとビジネス・プロセス・リデザインを専門とした後、2000年 (株)メディヴァ創業。
現在、200か所以上の病院、150か所以上のクリニック新規開業・経営支援、50か所以上の介護施設戦略策定、経営再生を手がけ、コンサルティング部門のリーダーをつとめる。
最近では、医療機関の健全経営・経営再生をテーマに、複数の医療機関(中小規模病院、診療所)の再生実務に取り組み実績をあげつつ、新棟建築や組織体制作り、企業と医療機関の連携、介護事業展開支援等、ヘルスケア全般に幅広い領域のコンサルティングを行っている。
【著書】
「診療所経営の教科書」「病院経営の教科書」「医業承継の教科書」医事新報社
「医業経営を“最適化”させる36メソッド」医学通信社
横畠 慧(よこばたけ さとし) 氏
2016年 早稲田大学政治経済学部卒、日本イーライリリー株式会社入社。
2021年 日揮株式会社入社。
日揮株式会社に入社以来、営業部ヘルスケアグループにて医療機関の建替えを推進。