■ライブ配信 ■アーカイブ配信(開催日の3日以降)
ドイツ自動車業界のEVシフト急加速〜EUの厳しい環境規制の衝撃〜
2月17日(水) 終了済
在独ジャーナリスト
熊谷 徹(くまがい とおる) 氏
ドイツ物づくり産業の屋台骨である自動車業界が、EVシフトを加速している。2020年9月に販売された新車の内BEVとPHEVの比率は15.6%と日本を大きく上回った。特に政府の購入補助金によってPHEVの販売台数は前月比で464%も増えた。ドイツ自動車工業会は、2020年10月に「2050年までにモビリティに関する温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」と宣言。背景には、EUの環境規制強化がある。EUは「2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で55%減らす」という方針を発表している。これまでの目標値(40%)を15ポイントも上回る数字だ。さらに米国テスラはドイツに大工場を建設し、2021年夏から毎年50万台のBEVを生産する予定だ。コロナ不況、自動運転技術の開発など様々な圧力に苦しむドイツ自動車業界の現状を、元NHK記者が現地からレポートする。
1.ドイツで急激に進むEVシフトの実態
2.ドイツ自動車工業会が「2050年までにモビリティのCO2実質ゼロ」を宣言
3.背景にEUの厳しい気候保護政策・2021年にはドイツで緑の党が政権入りへ
4.米国テスラの欧州市場への突入戦略とは
5.ドイツ自動車業界の三重苦(コロナ不況・電化への圧力・自動運転技術の遅れ)
6.政府と労組が下請け自動車部品メーカーの救済基金を創設
7.質疑応答
元NHKワシントン特派員。1990年以降はフリージャーナリストとしてドイツを拠点に、政治、経済、社会に関する記事を発表。主な連載媒体は日経ビジネス電子版、新潮社フォーサイト、毎日新聞出版エコノミスト、日刊工業新聞、日経ESGなど。著書に「偽りの帝国・VW排ガス不正事件の闇」(文藝春秋)、「日本の製造業はIoT先進国ドイツに学べ」(洋泉社)、「ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか」(青春出版社)、「パンデミックが露わにした国のかたち」(NHK新書)など多数。「ドイツは過去とどう向き合ってきたか」(高文研)で2007年度平和・協同ジャーナリ ズム奨励賞受賞。