2025年 医薬品容器・包装材の市場動向分析調査
ーユーザビリティ追求と資源効率化が進む市場の最新動向を徹底分析ー
【調査主旨】
◆2024年における医薬品容器・包装材の市場規模は、前年比1.9%増の2,239億円となった。近年はコロナ禍の影響から回復傾向にあるため、ワクチン用途の需要は落ち着きをみせているものの、医療用医薬品としての需要が回復したことで堅調な推移となっている。さらに、近年はバイオ医薬品や自己注射剤(プレフィルドシリンジ)の需要が高まっており、医薬品容器としてもこれら剤型への採用が増えたことで市場拡大に寄与している。加えて、高齢化の進行に伴って易開封性を謳ったPTPやSP・分包、視認性の高い容器など、従来の規格品よりも高単価な容器・包装材の採用が増えたことも市場拡大の一因として挙げられる。また、近年はエンドユーザーだけでなく薬剤師や管理者といった現場における管理のしやすさや利便性を謳うことで、人手不足が問題となっている調剤薬局や医院などの増加に対応する動きがみられる。
◆さらに、同市場においても環境配慮型材料へのシフトが進んでおり、リサイクル性やモノマテリアル包材など環境負荷の低減を謳った容器・包装材が増えてきている。今後もこうした動きは続くとみられ、医薬品容器・包装材市場においても主要各社ではサステナビリティ対応とユーザビリティ対応の両立を目指した容器・包装材の開発が進められている。
◆医薬品容器・包装材市場は今後も拡大基調が続く見通しで、2025年は2024年比1.7%増の2,276.5億円、2030年には2,450億円規模に到達する見通しである。市場拡大の背景としては、①バイオ医薬品増加に伴う高機能品の増加、②サステナビリティ対応製品の増加、③在宅医療用途の拡大に伴うプレフィルドシリンジやオートインジェクターなどの需要拡大、などが挙げられる。
◆このうち①については、化学合成品と比べて温度や光、振動といった要因の影響を受けやすいことから、外部要因から内容医薬品を保護し管理できる包材の需要が拡大する見通しである。また、②については海外を中心に包装材や廃棄物に対する規制の厳格化が進められていることから、バイオマス由来素材やモノマテリアル素材などに対応した製品のさらなる拡大が見込まれる。
◆本レポートでは、医薬品容器・包装材における国内の動向と現状の市場規模および今後の市場予測、各社の製品展開状況だけでなく、各社の研究開発活動や生産活動、売上などを分析しているほか、今後の市場予測を加味した医薬品容器・包装材事業の成功ポイントを分析し、今後の医薬品容器・包装材事業の事業戦略立案のための資料となるようレポートしたものである。
【調査期間】
2025年10月〜12月
【調査項目(総市場編)】
1.調査概要
1-1. 調査背景
1-2. 調査対象範囲
1-3. 調査対象企業
1-4. 調査方法
2.医薬品容器・包装材に関する法規制
2-1. 薬機法
2-2. 薬局方
2-3.その他関連法規・規制
3.医薬品の市場動向
3-1. 種類別市場動向
3-2. 剤型別市場動向
4.医薬品容器・包装材市場の主な参入企業
5.主な医薬品容器・包装材の展開状況
6.医薬品容器・包装材の市場分析
6-1. 総市場
6-2. 包装形態別
6-3. 素材別
6-4-1. 企業別
6-4-2. 包装形態別×企業別
6-4-3. 素材別×企業別
7.主な医薬品容器・包装材企業の生産拠点および主な販売先
8.主な医薬品容器・包装材企業の研究開発動向
8-1. 主要企業の主な研究開発成果
8-2. 主要企業の公開特許件数
9.今後の展望
9-1. 今後の市場予測
9-2. 医薬品容器・包装材事業の成功ポイント
9-3. 主要企業の今後の展開
【調査項目(個別企業編)】
・ZACROS株式会社
・住友ベークライト株式会社
・三菱ケミカル株式会社
・大成化工株式会社
・株式会社細川洋行
・阪神化成工業株式会社
・東洋アルミニウム株式会社
・伸晃化学株式会社
・大和特殊硝子株式会社
・テルモ株式会社
・大日本印刷株式会社
・共同印刷株式会社
・株式会社UACJ製箔
・不二硝子株式会社
・キョーラク株式会社
・株式会社メイワパックス
・内外化成株式会社
・関西チューブ株式会社
・ニプロ株式会社