SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

極限環境微生物の先端科学と社会実装最前線

商品No.
R04P0282
出版月
2023年12月
価格

印刷タイプ 55,000円 (税込)
CD-R(PDF)タイプ 55,000円 (税込)

ページ数
B5判 504ページ
発行<調査・編集>(株)エヌ・ティー・エス
備 考
CD-R(PDF)タイプは無断複製防止の為、お申込者の団体名(又は氏名)が透かしで入ります。
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レポート内容
■概要■
 ・地球上で最も過酷な場所で生きる微生物の姿や役割、そしてそれらを活用した革新的な技術や社会貢献を詳解!
 ・過酷な環境で生きる微生物の生態や進化、そしてそれらを利用したバイオテクノロジーの最新事情を紹介する!
 ・あらゆる分野で人類の未来を切り開く可能性を秘める極限環境微生物、その最新の知見を体系的の解説する!
-CONTENTS-
【序論 極限環境微生物の先端科学と産業利用の可能性】
 ・概要
 ・極限環境微生物の先端科学
 ・極限環境微生物の産業利用とその可能性
 ・まとめ

【第1編 極限環境微生物の基盤研究】
<1>極限環境微生物のカルチャーコレクションの役割
1.極限環境微生物におけるカルチャーコレクションNBRCの取り組み
 ・生物資源保存機関(カルチャーコレクション) など
2.理研BRC-JCMにおける極限環境微生物コレクション事業への取り組み
 ・JCMにおける極限環境微生物コレクションの概要
 ・極限環境微生物コレクションの利活用促進に向けて

<2>極限環境微生物のエネルギー変換メカニズム
 ・極限環境と極限環境微生物
 ・生命存在可能条件(Habitability)と生命の限界 など

<3>高/低温環境適応
1.超好熱菌の高温適応戦略
 ・好熱菌と超好熱菌
 ・好熱菌・超好熱菌の多様性 など
2.超好熱菌の低温ストレス応答
 ・超好熱菌の低温ストレス応答について
 ・膜脂質と低温ストレス応答 など
3.RNAリン酸化修飾がもたらす超好熱性生物の高温環境適応メカニズム
 ・RNA修飾と遺伝子発現
 ・好熱性生物とtRNA修飾 など
4.海底下深部の高温環境に存在する微生物群集とそのサバイバル
 ・海底下における堆積物形成と温度勾配
 ・高温の深部海底下に至る生存環境変化と微生物 など
5.深海底熱水域における微生物生態
 ・深海底熱水活動域とは
 ・熱水活動域の微生物分布の概要
6.低温菌の環境適応戦略と低温物質生産への挑戦
 ・低温菌の環境適応戦略
 ・低温菌の産業利用と“Era of Biotechnology”への挑戦

<4>酸性/アルカリ性/塩性環境適応
1.極限環境微生物の基盤研究
 ・強酸性環境に生息する藻類
 ・比較ゲノム・トランスクリプトーム解析による酸性環境適応の解明 など
2.好アルカリ性微生物のアルカリ適応メカニズム
 ・高アルカリ性環境における好アルカリ性微生物の細胞内pHホメオスタシスの維持
 ・Na+/H+アンチポーターは、好アルカリ性微生物の細胞内pHホメオスタシスに重要な役割を果たしている など
アルカリ性におけるMrp型アンチポーターの重要性
 ・細胞質のpHホメオスタシスとそれらの組み込み冗長性のための追加の酵素的、構造的、代謝的戦略
 ・高アルカリ性環境での酸化的リン酸化の戦略
3.藍染め発酵液の菌体外インディゴ還元反応と微生物叢相関
 ・藍発酵液の調整方法
 ・発酵液の環境因子と微生物叢との関係 など
4.好塩性微生物の多様性と系統分類
 ・好塩性微生物の分類
 ・ハロアーキアの特徴 など

<5>その他極限環境適応
1.極限環境微生物の放射線耐性メカニズム
 ・放射線抵抗性細菌
 ・放射線抵抗性アーキア
2.大気圏上空および宇宙環境における極限環境微生物の耐性
 ・大気圏上空での微生物採集実験
 ・地球低軌道での微生物実験
3.有機溶媒耐性微生物の有機溶媒耐性メカニズム
 ・有機溶媒耐性微生物と分離源
 ・有機溶媒の毒性の指標 など
4.好圧性微生物の高水圧環境適応メカニズム
 ・世界最深海域・マリアナ海溝からの微生物の分離
 ・生物の高圧力適応戦略 など
5.極限環境で復活する鞭毛運動
 ・極限環境の実時間イメージング
 ・高圧力下で活性化する生命 など

【第2編 極限環境微生物の探索と解析】
<1>新規極限環境微生物の探索
1.海底下環境における微生物生命圏とその生態
 ・海底下の微生物生命圏
 ・海底下のエネルギー事情 など
2.ユニークな性質を有する極限微生物の探索
 ・三陸沖、日本海溝から分離されたセレン・テルル(カルコゲン元素)の単体回収が可能な微生物の探索
 ・東シナ海の魚類腸内から分離されたセレン酸還元による
  *2-6*、*4-6*属化合物半導体微粒子合成の可能性
3.北極圏・メタンハイドレートサイトの調査-微生物動態とバイオリソース利用
 ・メタンハイドレートとは
 ・表層型メタンハイドレートサイトの探索方法 など
4.地下深部の微生物生態分析
 ・微生物生態分析法
 ・海洋地殻の深部微生物生態系 など
5.環境サンプルからの極限微生物の分離と応用-一般論からその実際まで
 ・高度好塩菌の分離とその多様性
 ・有機溶媒耐性菌の分離と応用 など
6.難培養共生性好熱菌および好冷菌の探索と培養
 ・難培養性微生物の探索と培養の基本的ストラテジー
 ・DPANNアーキアに属する好熱性ミクルアーキア(Micrarchaea)および
ナノアーキア(Nanoarchaea)の探索と培養 など
7.南極生息菌類の探索と極限環境耐性メカニズム
 ・南極大陸の発見と南極域における菌類調査の歴史
 ・南極生息菌類の培養と昭和基地周辺における菌類探索 など

<2>極限環境微生物の解析
1.酵母のメカノセンシングと高水圧ストレス応答
 ・酵母のメカノセンシング機構
 ・高水圧ストレスに対する酵母の転写応答 など
2.極限環境から分離された好熱性水素細菌の代謝解析
 ・H. thermophiles TK-6の単離同定
 ・菌体構成成分 など

【第3編 社会実装研究】
<1>ゲノムマイニング法を用いた天然化合物の探索
 ・海洋生物由来の天然化合物
 ・アクチンを標的とした低分子化合物 など

<2>極限環境酵素/タンパク質の機能解析
1.超好熱性アーキアのレプリソーム構成タンパク質群の解析
 ・ゲノムの複製起点とイニシエータータンパク質
 ・ヘリカーゼローディング機構 など
2.好熱菌の補酵素NAD(P)生合成:その機能と特徴
 ・好熱菌のアスパラギン酸からのNAD(P)のデノボ生合成
 ・好熱菌のNAD(P)のサルベージ経路
3.高度好塩性アーキアのカロテノイド生合成経路
 ・高度好塩性アーキアが生産するカロテノイド
 ・BR生合成経路 など
4.深海由来微生物のセルロース分解酵素の機能解析
 ・セルロースの難分解性
 ・従来の微生物セルラーゼ研究とセルラーゼ探索の課題 など
5.超好熱性アーキアのファミリーB型
  DNAポリメラーゼのDNA損傷ストレス応答
 ・DNAの損傷と修復機構
 ・DNAポリメラーゼ など
6.糖鎖結合型アーキアS層タンパク質の特徴解析
 ・超好熱アーキアP. horiksohii由来S層タンパク質の諸性質の解明
7.超好熱性アーキアにおけるアミノ酸/ピルビン酸酸化代謝の解析
 ・T. kodakarensisにおけるピルビン酸/アミノ酸分解代謝の解析
 ・2-オキソ酸:Fd酸化還元酵素群の機能解析

<3>極限環境酵素の作用機構
1.海洋低温菌由来好圧性プロテアーゼの高圧・低温への環境適応
 ・高圧適応酵素
 ・海洋低温菌Vibrio sp. Pr21由来PR プロテアーゼ など
2.絶対好圧菌由来イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素の耐圧性獲得メカニズム
 ・タンパク質の高圧結晶構造解析
 ・IPMDHの高圧構造
3.アーキアの新規ミスマッチ修復酵素の特性
 ・ミスマッチ修復(MMR)
 ・EndoMS(NucS)の発見と機能解析 など
4.高度好熱菌由来tRNA硫黄転移酵素の作用メカニズム
 ・硫黄修飾塩基2-チオウリジン(s2U)とその機能
 ・硫黄修飾塩基の生合成系の全体像 など

<4>材料開発と社会実装
1.極限環境ウイルス由来タンパク質を用いたナノ粒子材料の開発
 ・超好熱菌に感染するウイルスの応用利用への可能性
 ・APBV1主要カプシドタンパク質VP1の組換えタンパク質発現と発現タンパク質の自己組織化ナノ粒子の調製 など
2.超好熱菌由来タンパク質の実用化
 ・好熱菌由来タンパク質からのバインディングスキャッフォルド(binding scaffold)の創製
 ・超好熱菌由来耐熱性プロテアーゼの実用化
3.海洋由来細菌のリグニン関連分子分解酵素の応用展開
 ・リグニン主要結合を切断する細菌の活用に向けて
 ・耐アルカリ性・耐熱性のエーテラーゼの発見と解析 など
4.リグニンの有効利用に向けての好熱菌の可能性
 ・リグニンの資源としてのポテンシャル
 ・リグニンの微生物分解 など
5.極限環境微生物を用いた醤油諸味粕の分解と再利用
 ・醤油諸味粕を分解する好塩菌・耐塩菌の探索
 ・醤油諸味粕糖化液からエタノール発酵する好塩菌・耐塩菌の探索
6.超好熱菌を用いたキチンからの高効率水素生産系の構築
 ・T. kodakarensis KOD1株におけるキチンの分解と資化
 ・遺伝子組換えを用いたT. kodakarensisの
  キチン高分解・資化性株の作出 など

■監修者■
伊藤 政博
東洋大学 生命科学部 教授
鳴海 一成
東洋大学 生命科学部 学部長/ 教授
道久 則之
東洋大学 生命科学部 教授
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