SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

革新的AI創薬

〜医療ビッグデータ、人工知能がもたらす創薬研究の未来像〜

商品No.
R04P0252
出版月
2022年 7月
価格

印刷タイプ 55,000円 (税込)
CD-R(PDF)タイプ 55,000円 (税込)

ページ数
B5判 390ページ
発行<調査・編集>(株)エヌ・ティー・エス
備 考
CD-R(PDF)タイプは無断複製防止の為、お申込者の団体名(又は氏名)が透かしで入ります。
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レポート内容
■ポイント■
 ・医療ビッグデータとAI(人工知能)の融合は、創薬領域に何をもたらすのか?革新的創薬技術の現状と課題を詳解する!
 ・AI創薬の可能性を、大型プロジェクトをはじめ製薬メーカの取り組みからも紐解いていく!
 ・創薬インフォマティクス構築におけるAI(人工知能)活用についてその可能性を俯瞰する!

■概要■
 近年、深層学習などの人工知能技術を活用した創薬、すなわち「AI創薬」が注目を集めている。本書『革新的AI創薬』では、AI創薬の可能性に向けて、2022年時点における日本のAI創薬の現状を俯瞰し、AI創薬普及への課題を整理し、今後のAI創薬の方向性を示すことを目標に企画した。
AI創薬技術は日々刻刻と変化し、また、AI創薬の対象は広大である。刊行スケジュールの都合上執筆していただけなかったAI創薬関係者も多く、日本の全てのAI創薬活動を網羅できたわけではないが、わずか半年たらずの執筆期間の中で、幸いにも38本の玉稿を拝受することができた。
 本書では、<1>において、日本のAI創薬研究の現状を俯瞰し、<2>において化学情報学からアプローチするAI創薬技術について、<3>では生命情報学および医療情報学からのAI創薬技術について紹介する。また、<4>ではAI創薬を推進するための情報処理技術および数理科学について、<5>ではAI創薬技術の活用事例について、<6>では製薬会社におけるAI創薬への取り組みを、<7>ではAIベンチャー企業におけるAI創薬への取り組みを紹介する。
 日本におけるAI創薬は始まったばかりだが、AI創薬の可能性に向けて、本書が一助となれば無上の喜びである。激務の中でご執筆いただいたAI創薬関係者ならびに編集者の皆さまにこの場を借りて御礼申しあげる。
-CONTENTS-
<1>日本のAI創薬研究の現状
1.AI創薬の可能性と普及への課題
 ・はじめに
 ・AI創薬へのアプローチ
 ・AI創薬技術の課題
 ・AI創薬技術の社会実装
 ・まとめ
2.生命情報科学からのAI創薬
 ・はじめに
 ・オミックスデータは「ビッグデータ」か
 ・オミックスデータと既存知識の融合によるドラッグリポジショニング
 ・ネットワークベースのオミックス解析による創薬標的探索
 ・マルチオミックスデータ統合解析による創薬標的探索
 ・自然言語処理による知識自動抽出と知識グラフ
 ・おわりに
3.医療ビッグデータからのAI創薬と個別化ヘルスケア
 ・はじめに
 ・医療情報のビッグデータの形成
 ・ゲノム情報のビッグデータの形成
 ・医療ビッグデータによる新しい医療
 ・医療ビッグデータによるAI創薬
 ・おわりに

<2>化学情報学からのAI創薬の最前線
1.AI創薬のための分子動力学シミュレーション法の開発
 ・はじめに
 ・スーパーコンピュータ、GPUと分子動力学ソフトウエア
 ・リガンド複合体の分子動力学シミュレーション
 ・リガンドの結合自由エネルギー計算
 ・リガンド結合の速度論パラメータ
 ・リガンド結合に伴うタンパク質の立体構造変化
 ・分子動力学シミュレーションとAIの連携
 ・おわりに
2.FMO法を活用したAI創薬
 ・はじめに
 ・フラグメント分子軌道(FMO)法
 ・FMOデータベース(FMODB)
 ・古典分子動力学法とFMO法の融合
 ・機械学習による電荷予測モデルの構築
 ・FMO-AI力場の構築に向けて
3.人工知能を活用した分子設計・材料設計
 ・はじめに
 ・新しいサンプルにおける予測誤差の推定
 ・直接的逆解析法による分子設計
 ・分子設計・材料設計・プロセス設計のための
  直接的逆解析法による適応的実験計画
 ・おわりに
4.毒性関連ビッグデータを用いた人工知能による次世代型安全性予測手法開発プロジェクト
(1)AI-SHIPSプロジェクトの意義
  〜開発背景、設計思想、および今後の展開について〜
 ・はじめに
 ・プロジェクトスタートの背景
 ・毒性予測の仕組み(3層モデル)
 ・毒性予測システムの構成
 ・データ駆動型化学の全体像の中での毒性予測システムの位置づけと今後への期待
(2)一般化学物質の吸収および体内動態予測手法開発
 ・はじめに
 ・化合物の空間情報
 ・化合物の膜透過係数
 ・化合物の生理学的薬物動態モデル
 ・おわりに
(3)AI-SHIPSにおける一般化学物質の毒性予測モデル構築
 ・はじめに
 ・説明性を重視した毒性予測モデルの構築戦略
 ・MIE/KE予測モデルと毒性エンドポイント予測モデル
 ・機械学習による予測モデルの構築
 ・予測性能の検証
 ・特徴領域可視化システム
 ・おわりに
(4)AI-SHIPS統合的毒性予測システムの開発
 ・はじめに
 ・ユーザーシステム
 ・モデル・データ管理システム
 ・おわりに
(5)AI-SHIPSに関連する最近の国内外のin silico予測手法の開発状況
 ・緒言
 ・国際的な計算科学的毒性予測手法開発の現状
 ・国内外の利用可能な毒性予測システムと研究開発の現状
 ・おわりに
5.AI創薬における適切な学習データとは?
 ・はじめに
 ・データの取得源
 ・データの取得と選別
 ・学習時のデータの取り扱い

<3>生命情報学および医療情報学からのAI創薬
1.新薬創出を加速する人工知能の開発-臨床情報を活用した創薬標的探索
 ・はじめに
 ・事業背景
 ・事業概要
 ・臨床情報データベースの構築
 ・データ駆動的創薬標的探索に資するAIの開発と創薬標的候補の提示
 ・事業成果公開のためのオープンプラットフォーム構築
 ・おわりに
2.分子ネットワークを有効活用したAI創薬手法
 ・研究の背景
 ・研究内容
 ・まとめ
3.グラフニューラルネットワークを用いた医療関連データ処理
 ・はじめに
 ・医療AI分野で扱うデータの特徴
 ・複数の専門家が連携して取り組む医療AIプロジェクトの課題
 ・医療AIとグラフニューラルネットワーク
 ・創薬応用におけるGNN
 ・GNNの知識グラフやその他データへの応用
 ・まとめ
4.大規模コホートデータに基づく早期疾患予測モデル
 ・はじめに
 ・大規模コホート研究
 ・東北メディカル・メガバンク計画
 ・早期疾患予測モデル
 ・おわりに
5.地域のレセプト情報に基づく介護需要将来推定
 ・はじめに
 ・医療レセプト情報・介護レセプト情報の概要
 ・要介護度と要介護状態の定義
 ・レセプトの診療情報・介護情報に基づく将来の要介護状態の推定方法
 ・評価実験
 ・課題と今後の展望

<4>AI創薬を推進する情報処理技術
1.AI創薬アルゴリズム
 ・はじめに
 ・バーチャルスクリーニング
 ・メディシナルケミストの暗黙知を代替する機械学習
 ・スマート創薬でより良いヒット化合物を探索する為に
2.AlphaFold2の登場と創薬への影響
 ・はじめに
 ・AlphaFold2の登場
 ・AlphaFold2の予測性能
 ・AlphaFold2の利用
 ・AlphaFold2の複合体構造予測への応用
3.AI創薬向け機械学習・最適化手法の開発
 ・概 要
 ・はじめに
 ・強化学習に基づく分子生成手法ChemTSとその応用例
 ・ドッキングシミュレーションを利用した分子構造生成SBMolGen
 ・多目的最適化への試み
 ・まとめ
4.医療言語処理の現状と今後の展望
 ・はじめに
 ・医療言語処理の入出力
 ・医療言語処理のながれ
 ・今後の展望
5.熱拡散方程式(HDE)モデルによる新薬探索支援AIツールの開発
 ・はじめに
 ・熱拡散方程式(HDE)モデルによる予測
 ・実際の課題への応用
6.共変動ネットワーク解析法とリシール細胞技術を基盤とするAI主導の創薬・細胞医薬支援プラットフォーム創成
 ・序論
 ・PLOM-CON 解析法
 ・リシール細胞技術

<5>活用事例
1.AIを用いたネオアンチゲン予測システムによる個別化がんワクチンTG4050の開発
 ・はじめに
 ・がん免疫の仕組みとがん免疫療法
 ・個別化がんワクチンTG4050の第I相臨床試験の概要
 ・NECのAIを用いたネオアンチゲン予測方法
 ・おわりに
2.AI-ロボット駆動型科学による中・高分子医薬品設計
 ・はじめに
 ・AI-ロボット駆動型科学による中・高分子医薬品設計
 ・AIフレンドリーなスクリーニング自動ロボット群「HAIVE」
 ・おわりに
3.サブセット・バインディングによる患者層別化AIの開発
 ・背景
 ・ARM
 ・SB法
 ・実データでの検証
 ・まとめ
4.AIプロテオミクスによる診断、治療、創薬支援
 ・はじめに
 ・プロテオミクス
 ・AIプロテオミクス
 ・AIプロテオミクスによる診断
 ・AIプロテオミクスによる治療支援
 ・AIプロテオミクスによる創薬
 ・実施例:敗血症
 ・将来の展望
5.RNA情報科学・AI技術を融合したAIアプタマー創薬技術の開発
 ・導入
 ・AIアプタマー創薬実現に向けた基盤技術
 ・AIアプタマー創薬の実例
 ・AIアプタマー創薬の今後
 ・まとめ
6.創薬におけるHPC、機械学習、量子コンピュータでのクラウド活用
 ・はじめに
 ・創薬研究におけるクラウド活用の特徴・利点
 ・Amazon Web Services におけるHigh Performance Computing
 ・Amazon Web Services におけるAI・機械学習
 ・Amazon Web Services における量子コンピュータ
 ・まとめ
7.機械学習自動化パッケージの開発とAI創薬への適用事例
 ・はじめに
 ・KNIMEとは
 ・機械学習を自動化する
 ・機械学習自動化パッケージ
 ・機械学習自動化パッケージのカスタマイズ
 ・今後の展望

<6>製薬各社におけるAI創薬の取り組み
1.武田薬品工業におけるAI創薬の取り組み
 ・はじめに
 ・武田の創薬研究デジタルエコシステム
 ・ポリファーマコロジー創薬へのAI活用
 ・おわりに
2.田辺三菱製薬におけるデータ駆動型創薬の取り組み
 ・データ駆動型創薬によるプロセス変革
 ・バイオインフォマティクスと自然言語処理AIによる
  創薬標的探索・適応症探索
 ・AIドラッグデザインと分子シミュレーション
 ・画像解析AIを活用した薬効評価・スクリーニング
 ・仮想患者モデルを用いた臨床試験シミュレーション
 ・投資対効果の評価
 ・まとめ
3.住友ファーマ株式会社におけるAI創薬の取り組み
 ・はじめに
 ・当社におけるAIの実用
 ・今後の展望;インシリコ創薬の未来
4.中外製薬におけるAI創薬の取り組み
 ・中外製薬のデジタル戦略〜AI技術を活用した新薬創出〜
 ・機械学習技術を用いた抗体医薬品設計
 ・機械学習技術を用いた病理組織学的評価

<7>AIベンチャー企業におけるAI創薬の取り組み
1.ElixにおけるAI創薬
 ・はじめに
 ・AI創薬プラットフォーム「Elix DiscoveryTM」
 ・すべての人にAIを
 ・生成モデルと予測モデルの強化
 ・データセットのサイズとアクセスの拡大
 ・おわりに
2.Preferred NetworksにおけるAI創薬
 ・Introduction
 ・PFNの創薬プラットフォーム
 ・スコア計算モジュール・化合物生成モジュール
 ・化合物生成結果の登録・確認
 ・実創薬プロジェクトにおける活用例
 ・おわりに
3.ワールドフュージョン社におけるAI創薬
 ・はじめに
 ・辞書(オントロジー)について
 ・BERT-NER「深層学習手法」を使った作用機序(MoA)新規語彙の収集
 ・BERT-MNLI「深層学習手法」を使った遺伝子-疾患関連性の検出
 ・まとめ
4.SyntheticGestalt社におけるAI創薬
 ・はじめに
 ・技術開発における設計原則と開発方針
 ・開発方針とAI創薬技術
 ・おわりに

■監修者■
小長谷 明彦
東京工業大学名誉教授
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