SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

医薬品添加剤における開発および製剤設計・評価の新展開

商品No.
R02V0984
出版月
2022年 4月
価格

印刷タイプ 72,600円 (税込)

ページ数
B5判 285ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・ご好評いただいた2016年発行『医薬品添加剤の処方設計と物性評価』の続編!
 ・服薬アドヒアランス向上のための、易服用性・識別性を高める医薬品添加剤の処方設計・製剤技術を解説!
 ・日々進化する治療法や病態の解明により複雑化する製剤開発に、医薬品添加剤の材料開発・設計・評価から迫る!

■概要■
 医薬品を製剤として投与する時には必ず医薬品添加剤が使用されており、この添加剤の選択、すなわち処方設計が主薬の有効性、安定性、機能性に大きく影響する。日本薬局方では、製剤総則の製剤通則に「添加剤は製剤に含まれる有効成分以外の物質で、有効成分及び製剤の有効性を高める、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、又は使用生を向上させるなどの目的で用いられる。製剤には、必要に応じて、適切な添加剤を加えることができる。ただし、用いる添加剤はその製剤の投与量において薬理作用を示さず無害でなければならない。
また、添加剤は有効成分の治療効果を妨げるものであってはならない。」と規定されている。医薬品添加剤には実に多くの種類と使用用途があり、医薬品の品質を一定に保ち機能を十分に発揮するためにはなくてはならない。
 2016年1月に「医薬品添加剤の処方設計と物性評価」というタイトルでシーエムシーより出版し、医薬品添加剤のさまざまな用途、処方設計への応用、製剤化技術などを解説したが、医薬品添加剤を利用した製剤化技術の発展には目覚ましいものがある。
 難溶性医薬品の溶解性改善のために工夫された製剤、放出制御あるいは機能性製剤として開発された製剤、新しい発想で創製される口腔内崩壊錠、使用性を考慮した新規剤形、患者にやさしい剤形、小児用製剤など、新たな発想で創生された製剤が次々と上市されている。それと同時に医薬品産業の国際化にともない国際標準となる製剤開発が求められている。
科学技術の発展に伴う新たな医薬品製造技術や医薬品製造装置の開発が重要なことはもちろんであるが、医薬品添加剤の役割はとても大きいため、各製剤に適した医薬品添加剤の材料開発が活発に行われている。
製剤開発には適正な品質を有する製品を設計し、意図した機能を有する製品を常に一定の品質で供給するような製剤工程を設計する必要がある。医薬品添加剤は製品の品質特性を左右する重要な役割を有しているにも関わらず、医薬品添加剤の特性や機能を体系的にまとめられた書物はあまり見られない。
 本書は医薬品添加剤に関する研究で活躍されている製薬企業、医薬品添加剤メーカー、医薬品機器製造メーカー、さらにはアカデミアなどで基礎研究をされている研究者に添加剤の材料開発、添加剤の機能性評価、処方・製剤設計、製剤化技術、製造技術、品質管理などを体系的にまとめていただいた。貴重な原稿を執筆いただいた各位に深謝したい。
 どうか、本書を処方設計、製剤設計、医薬品製造に十分に活用していただきたいと願っている。
 なお、本書に関する読者各位の忌憚のないご意見を賜るようお願いする次第である。
-CONTENTS-
【第Ⅰ編 医薬品添加剤の動向】
<1>医薬品添加剤概論
1.はじめに
2.医薬品と添加剤に係る歴史
3.添加剤は何から作られるのか
4.どうやって添加剤を選択するのか
5.医薬品に使用される添加剤の品質と課題
6.添加剤供給業者管理のポイント
7.添加剤GMPの現状と課題
8.まとめ

<2>日本薬局方における医薬品添加物の機能性に関する検討などを含めた動向
1.はじめに
2.日本薬局方と医薬品添加物の国際調和
3.医薬品添加物の機能性に関する検討について
4.一般試験法「2.66元素不純物」に基づく元素不純物管理への対応
5.おわりに

【第Ⅱ編 材料開発】
<1>新規低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC(R))の開発
1.はじめに
2.低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC(R))
3.動的画像解析法によるL-HPC(R)の粒子形状解析技術
4.L-HPC(R)の新グレード開発1* - *新規開発品SAC-01
5.L-HPC(R)の新グレード開発2* - *新規開発品SAC-02
6.おわりに

<2>高機能性医薬品添加剤の開発(多孔性無機添加剤)
1.はじめに
2.多孔性無機添加剤
3.おわりに

<3>MEGGLEの直接打錠用コ・プロセス添加剤
1.はじめに
2.Cellactose(R) 80、MicroceLac(R) 100
3.StarLac(R)、CombiLac(R)
4.RetaLac(R)、Reta M(R)
5.おわりに

<4>RADIFIL(R)技術を応用したOD錠用フィルムコーティング技術の開発
1.開発の背景
2.OD錠用フィルム処方設計の課題
3.OD錠用高伸度遮光フィルム処方の設計
4.OD錠用高伸度遮光フィルム処方の応用事例
5.OD錠用防湿フィルム処方の設計
6.OD錠用防湿フィルム処方の応用事例
7.まとめ

<5>OD錠用コプロセス添加剤製品
1.はじめに
2.OD錠用コプロセス添加剤
3.ダイセルのOD 錠用コプロセス添加剤
4.GRANFILLER-D、HiSORADの用途例
5.おわりに

<6>粒子加工技術を応用した医薬品添加剤
1.はじめに
2.流動層造粒技術を応用した直打用賦形剤(1)
3.流動層造粒技術を応用した直打用賦形剤(2)
4.遠心転動造粒技術を応用した製剤用核粒子
5.おわりに

<7>小児用製剤開発のためのBASFの医薬品添加剤
1.はじめに
2.クロスポビドン
3.口腔内崩壊錠向け直打用賦形剤
4.まとめ

<8>ドラッグデリバリーシステム基剤:ヒアルロン酸ナノゲル
1.はじめに
2.ヒアルロン酸ナノゲルとは
3.ヒアルロン酸ナノゲルの構造
4.ナノゲルの機能
5.結言

<9>結合剤にPOVACOATを用いた新規プレミックス賦形剤「オディフル」
1.はじめに
2.膨潤型結合剤であるPOVAの有用性
3.オディフルの製造方法とその特徴
4.第5世代OD錠への適用
5.安定性評価
6.おわりに

【第Ⅲ編 処方・製剤設計】
<1>微粒子コーティングのための添加剤・処方設計
1.はじめに
2.材料面から見た微粒子コーティングの課題
3.コーティング用材料
4.製剤添加物・処方設計の事例
5.乾式プロセス
6.おわりに

<2>添加剤の特徴をふまえた過飽和型経口製剤設計
1.はじめに
2.固体分散体製造の観点からの高分子選択
3.物理安定性確保の観点からの高分子選択
4.過飽和能維持の観点からの高分子選択
5.おわりに

<3>薬物含有球形顆粒造粒技術(OPUSGRAN(R))
1.薬物含有球形顆粒の重要性及び本球形顆粒の特性
2.薬物含有球形顆粒の製造方法、造粒機構及び添加剤の役割
3.添加剤による薬物含有球形顆粒の機能化
4.添加剤ごとの造粒工程制御方法
5.総括

<4>経皮吸収製剤の特性と添加剤
1.はじめに
2.経皮吸収製剤の特性
3.皮膚の特性と薬物の皮膚透過
4.経皮吸収製剤の種類
5.粘着剤
6.粘着剤以外の添加剤
7.支持体
8.製剤設計の現状と今後の課題

<5>錠剤の嚥下性向上を目的としたプレミックスフィルムコーティング剤Opadry(R) EZの開発
1.はじめに
2.嚥下性向上のためのアプローチ
3.フィルムコーティング錠の湿潤下での滑りやすさの実験的検証
4.フィルムコーティング錠の嚥下性に対する臨床的評価
5.Opadry EZの最適コーティング条件
6.まとめ

<6>OD錠を含めた製剤設計へのフローライトの応用例
1.はじめに
2.FLORITEについて
3.予備実験
4.応用実験
5.まとめ

<7>EMA小児製剤開発ガイドラインをもとにした添加剤アセスメント
1.はじめに
2.EMA小児製剤開発ガイドラインに準拠した添加剤アセスメント
3.EMAガイドラインにて言及されている添加剤
4.EMAガイドラインの添加剤アセスメントに対する解説と今後の課題
5.EUの小児医薬品開発計画(PIP)に記載する添加剤情報
6.最後に

<8>小児用製剤の開発における添加剤選択の留意点
1.はじめに
2.医薬品添加剤の使用目的
3.小児用製剤の設計と添加剤選択の留意点
4.薬物相互作用の観点から留意すべき添加剤
5.小児の安全性に配慮した製剤設計
6.おわりに

【第Ⅳ編 有用性評価】
<1>TOF-SIMSおよびXPSによる表面・界面分析とイメージング
1.はじめに
2.飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法
3.X線光電子分光法(XPS)
4.おわりに

<2>口腔内崩壊錠、フィルムの吸水及び崩壊挙動に関する研究
1.はじめに
2.ODTの崩壊特性と崩壊剤
3.ODTの吸水特性評価
4.口腔内崩壊フィルム剤(ODF)の崩壊特性とその評価
5.おわりに

<3>口腔内崩壊錠の服用性に関する臨床評価
1.はじめに
2.OD錠の臨床的機能性と医薬品添加物
3.OD錠の医薬品添加物が服薬アドヒアランスへ与えるインパクト
4.OD錠の医薬品添加物が左右する服用性の向上
5.おわりに

<4>ゴーセノール(TM) EGの湿式造粒バインダーとしての有用性評価
1.はじめに
2.ポリビニルアルコールについて
3.ゴーセノール(TM) EGについて
4.実験
5.結果
6.まとめ

【第Ⅴ編 装置】
<1>インクジェット式錠剤印刷機「OMNITO」と可食インク開発
1.はじめに
2.SCREENホールディングスの成り立ちと医薬分野への展開
3.錠剤印刷機「OMNITO」の開発コンセプト
4.錠剤搬送技術
5.外観検査技術
6.印刷・印刷検査技術
7.インクの種類と組成
8.印字物の性能
9.経口安全性の保証
10.おわりに

<2>3Dプリンターによる製剤技術
1.はじめに
2.ZipDose(R)錠生産システムの概要
3.製剤の品質変動について
4.製剤の特徴
5.推奨される原材料の特性
6.今後の展開(次世代型ZipDose(R)錠について)
7.終わりに

■監修■
寺田 勝英
高崎健康福祉大学
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