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既存市場を変革する戦略的後発参入〜後発でも成功する新規事業の進め方〜
4月14日(月)
(株)リーディング・イノベーション 代表取締役社長
新規事業開発上級職人
芦澤 誉三(あしざわ よしぞう) 氏
一般に、後発参入と聞くと、「後発ではシェアが取れない」「儲からない」というネガティブな印象を持つ方は多いのではないでしょうか。確かに、同じ商品・サービスカテゴリーで同じようなビジネスモデルでは価値の差別化が難しく、先のような意見が出るのは当然と思われます。
しかし、後発参入にも2つのパターンがあります。ひとつは、同じようなビジネスモデルでの参入。もうひとつは、既存の市場を変革するようなビジネスモデルでの参入です。私共では、後者の参入形態を戦略的後発参入と呼んでいます。基本的には、新たなビジネスモデルにより既存の市場を置き換えるという方向性になります。
現実には、このような参入は意外に多くあります。分かりやすい例としては、店舗が並ぶ商店街から大型のスーパーマーケットへ、さらにはネットショップへと販売店の業態はビジネスモデルが変化してきています。さらに、小規模無人店舗など、新たな業態が生まれる可能性があります。このように、ニーズの違いへの対応や高度なニーズを実現できるような新たなビジネスモデルが次々に生まれ現れてきており、そして市場の活性化が続いています。
このような新たなビジネスモデルは、技術と新たな着想との組み合わせから生まれることは多いのですが、それを生み出していく考え方や進め方の体系は、あまり知られていないと思われます。
なお、企業内での新規事業開発は、自社らしさや自社の優位性があるテーマの発案が望ましく、このことを実現することを考慮に入れることが必要になります。
本セミナーは、自社らしい事業をつくることを考慮に入れた上で、戦略的後発参入による新規事業開発の考え方と進め方について事例を交えながら解説します。
新規事業開発という難しい課題に取り組んでいるものの行き詰まり間を感じている、また、新たな進め方手法を探している方々の一助になることを目指した講座となっています。
1.戦略的後発参入について
・後発参入には2つのパターンがある
・新市場はどのように生まれるのか
・戦略的後発参入の事例
・ニーズが変化するのではなく技術がニーズを変化させる
・“変化が激しい時代”とは何が変化しているのか
・「新規事業って何」と聞かれたらどう答えるか
・新規事業から見た事業の特性分類
・事業の特性分類と戦略的後発参入との関係
2.新規事業テーマ探索の進め方手法の長所と短所
・新規事業開発が難しい理由の本質
・成長分野、成長トレンドからテーマを探す
・アイデア発想によりユニークなテーマを発案する
・技術のトレンドからアプリケーションを探す
・未来社会のトレンド予測からテーマを発案する
・デザイン思考とSDGsと新規事業
・未来のニーズや不連続のトレンドは考察できるのか
・新規事業の常識と進め方手法との関係
3.自社らしい事業とは
・自社の強みが活かせることが自社らしい事業ではない
・新規事業探索に必要な自社らしさとは
・素材事部品、最終製品、サービス事業と自社らしさ
・技術の特徴と自社らしさ
・目的型事業と機能型事業
・発想力は情報の質量と比例関係にある
4.戦略的後発参入のポイントは高度なニーズの実現
・事業の基本はニーズとシーズとビジネスモデル
・“強みを活かせ”の発想からの脱却が必要
・先発する事業より高度なニーズを狙う
・高度なニーズの見つけ方
・ニーズギャップ仮説と戦略的後発参入との関係
・ニーズギャップと自社らしさの関係
5.戦略的後発参入による新規事業開発の進め方
(1)進め方の全体像
・進め方の全体像と推進ステップ
・最初にトレンド分析や市場調査を行わない理由
(2)自社らしさで探索領域を決める
・目的観点で自社らしさを決める
・技術的観点で自社らしさを決める
(3)後発参入するターゲット市場を発掘する
・ビジネス構造マップのつくり方とポイント
・ニーズギャップ仮説の抽出とターゲット市場の発掘
(4)ニーズギャップ仮説を埋めるアイデア(実現手段)の検討
・ニーズとシーズの組み合わせのアイデア
・ビジネスモデルの分かりやすい体系
・高度なニーズを満たすための目的発想
・顧客価値の差別化をつくるビジネスモデル
(5)事業特性分析と競争優位戦略
・事業特性分析の使い方と分析のやり方
・事業特性と競争優位戦略(カテゴリーNo.1戦略)
・事業特性分類とテーマ評価の関係
6.質疑応答/名刺交換
1982年 早稲田大学理工学部卒業。石油開発のエンジニアリング会社を経て、日本能率協会コンサルティングに入社し、約13年間、新規事業開発およびマーケティング関連のコンサルティングを行う。その後、一部上場メーカーにて新規事業開発に携わり、別会社として独立し取締役に就任。ソフトウェアベンチャーの役員を経て、現在、(株)リーディング・イノベーションの代表取締役/新規事業開発上級職人として、大手・中堅の新規事業開発、研究所発の新規事業開発、スピンオフベンチャーの創出など、新規事業プロデュースの支援を行っている。
【主な著書・論文】
「事業化プロデューサー養成講座」明日香出版社/「ビジネスレイヤー別新規事業開発実践ガイド」企業研究会/「技術シーズの新規事業開発への結びつけ方」(経営センサー)東レ研究所/「新規事業に立ちはだかる壁に挑む(16回連載)」(ビジネスリサーチ)企業研究会/「顧客満足を先取りする“提案開発アプローチ”」(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス)ダイヤモンド社他多数