SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

米国のマイクログリッドの動向 2021年

商品No.
R07V0003
出版月
2021年 1月
価格

印刷+PDFタイプ 330,000円 (税込)
印刷タイプ 297,000円 (税込)
PDFタイプ 297,000円 (税込)

ページ数
A4判 145ページ
発行<調査・編集>クリーンエネルギー研究所
備 考
※PDFデータはダウンロードにより御提供いたします。
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レポート内容
■概要■
 米国の電力業界は、集中型システムから、分散型・双方向型のシステムへとシフトしつつある。その一方、インフラの老朽化、大規模自然災害の頻発、再生可能エネルギー発電の増加率が原因で、停電が起きやすくなっている。
 また、新しい技術と、それを支える規制の変化と、再生可能エネルギー統合にかかる価格の大幅な低下によって、エネルギー(電力)を作り、送り、配り、貯め、管理し、共有し、使う際の選択肢と自由度が増えてきている。
 これらの変革の最中にある米国の電力業界において、「エネルギーの地産地消」、「リスク低減」、「レジリエンシー強化」、「分散電源統合」、「社会インフラ再構築」に関わるソリューションの一つが「マイクログリッド」である。
 停電が起きた場合に電力グリッドから「分離」でき、サバイブできる機能が、マイクログリッドと他の分散型ソリューションの大きな違いであり原動力となっている。そのほか、エネルギーコストの安定、温室効果ガス排出量の削減、電力会社(配電事業者)から見て切り離しが容易といったメリットも大きい。
 「マイクログリッド」という言葉は、システム規模や形態などは定義されておらず、「機能の多様性」と、「所有者や利益を受ける人」によってその位置付け・目的・価値・エコシステムが異なり、柔軟さと多様性が特徴である。
 本レポートで取り上げる「コミュニティーマイクログリッド」でも、遠隔地向け、小規模集合住宅向け、大規模都市再開発向けとバラエティに富み、また時代とともに著しく進化を遂げている。
 なお、本レポートでは、「大きな意味でのマイクログリッド」をまず俯瞰してマーケットやプレイヤーやビジネスモデルを論じ、その後で自治体・コミュニティーを主体とした「コミュニティーマイクログリッド」の特徴・目的・技術・規格・経済性・エコシステムを扱い、最後に「事例」をいくつか紹介する。
-CONTENTS-
1.はじめに
2.マイクログリッドとは
 ・マイクログリッドの定義
  -エネルギー省による定義
  -CERTSによる定義
 ・マイクログリッドの広がり
 ・マイクログリッドは協調動作が鍵
 ・マイクログリッド導入の目的
3.マイクログリッドの背景としての停電の多さ
 ・米国における停電の多さ
 ・電力信頼性に重大な影響を与えうる潜在的要因
 ・東海岸を襲う大型ハリケーン
  -Harricane Irene:2011年8月
  -Harricane Sandy:2012年10月
  -Harricane Mattew:2016年10月
  -Harricane Michael:2018年10月
 ・カリフォルニア州計画停電
4.電力会社のマイクログリッドへの関与
 ・マイクログリッドは双方にとってメリット
 ・電力会社の関与
5.マイクログリッドのマーケット
 ・世界の動向
 ・米国の動向
  -米国での一般的な動向
  -2010年から2025年までの設置量(MW)の実績と予想
 ・カリフォルニア州
 ・米国のマイクログリッドのサイズ・件数・使用燃料の動向
 ・マイクログリッドの所有モデルの動向
6.マイクログリッドの顧客
 ・商業/産業用
 ・大学/研究機関
 ・コミュニティ
 ・公共・交通機関
 ・軍
7.マイクログリッド・アズ・ア・サービス(第三者所有)
 ・デューク・エナジーのケース
8.デベロッパー
 ・マイクログリッドのエコシステム
 ・色々な種類のデベロッパー
9.統合されたマイクログリッド環境を持つ会社
 ・Tesla 社(Solar City 社)
 ・Bloom Energy 社
 ・PowerSecure 社
 ・Enchanted Rock Ltd.,
 ・Scale Microgrid Solutions
 ・BoxPower
10.コミュニティーマイクログリッド
 ・コミュニティーマイクログリッドとは
 ・コミュニティーマイクログリッドの特徴
 ・通常のマイクログリッドとの違い
11.コミュニティーマイクログリッド開発のためのステップと関係者
 ・開発ステップの例
 ・関係者
12.コミュニティーマイクログリッドで必要な機器とその所有者
 ・コミュニティーマイクログリッドで必要な機器
 ・各機器の所有者と管理者
13.コミュニティーマイクログリッドの経済性
 ・コストとベネフィット
 ・初期投資費用の確保
 ・補助金の活用
14.電力料金からの回収
 ・一般的な考え方
 ・電力を卸販売し、設置コストを回収する
 ・優先順位を分け、Tier毎にkWhを上乗せする考え方
 ・回収窓口
 ・電力会社が負担した費用
 ・RCAMの場合の費用の切り分け
15.コミュニティーマイクログリッドのコスト
 ・マイクログリッド全体のコスト
 ・マイクログリッドコントローラのコスト
 ・太陽光発電施設のコスト
 ・エネルギー貯蔵(バッテリー)のコスト
  -RCAMでの試算
 ・自然エネルギーと化石燃料の発電装置
16.レジリエンシーの金銭的換算
 ・FEMAが提唱するレジリエンシーの金額的な換算ツール
 ・EPRIが提案する停電回避の効果の換算率
 ・過去の停電による被害額をもとに考える
 ・RCAMでのレジリエンシー効果額計算実例
  -換算手法
  -想定される停電と災害
  -RCAMにおける停電の被害金額の換算(年額)
17.マイクログリッドコントロールシステム
 ・必要とされる機能
 ・マイクログリッドコントローラの複雑さのレベル
18.大規模マイクログリッドの階層的制御
 ・3階層を用いた制御
 ・一次制御(主制御)(Primary Control)
 ・二次制御 Secondary Control
 ・三次制御(Tertiary Control)
19.マイクログリッドコントロールシステムへの参入会社
20.停電からの回復とマイクログリッド内の電力品質
 ・電力ネットワークと保護回路の要求と問題点
 ・マイクログリッド内の電力品質に必要な項目
21.マイクログリッドに関する標準IEEE 2030.7
 ・IEEE 2030.7の概要
  -概要
  -目的
  -制限事項
  -定義するMicrogridの構成
 ・ディスパッチ機能
  -「Dispatchモード」と「Transitionモード」の変遷
  -ディスパッチ機能の機能仕様
  -Grid-connected operation
  -Island operation
  -Transition modes
  -ディスパッチ機能の要件、特性、メトリクス
  -Grid-connected operation
  -Islanded operation
 ・安定な状態(State)とトランジション(Transition)の関係
 ・安定な状態(Steady State)
  -SS1:STEADY STATE GRID CONNECTED
  -SS2:STEADY STATE ISLAND
 ・トランジション機能(遷移Transition)
  -「トランジション機能」の必要条件、特徴、メトリックス
  -T1「グリッド連携モードから計画外アイランド状態へ遷移」
  -T2「グリッド連携モードから計画されたアイランド状態へ遷移」
  -T3「安定したアイランド状態からグリッド連係モードへ遷移」
  -T4「ブラックスタートして安定したアイランド状態へ遷移」
  -「トランジション機能」のテストのシナリオについて
22.IEEE2030.8マイクログリッドのテスト
 ・概要
  -範囲
  -目的
  -制限事項
 ・コア機能のテスト
  -中核機能テスト-一般的な考慮事項
 ・試験シナリオの開発-一般的な考慮事項
 ・コア機能のテスト
  -一般的な試験条件
 ・ディスパッチ機能のテスト
  -グリッドに接続された安定した状態(steady-state)でのディスパッチ
  -アイランド時の安定した状態(steady-state)でのディスパッチ
 ・トランジション機能のテスト
  -計画されたアイランド状態へのトランジションのテスト
  -計画されないアイランド状態へのトランジションのテスト
  -再接続のテスト
23.マイクログリッドの実際のテスト
 ・Hardware in the Loop (HIL) テストとは
  -C-HIL
  -P-HIL
 ・HILを用いた実験室でのテスト
 ・BCMマイクログリッドのテスト方法
24.事例(イリノイ州 Bronzeville Community Microgrid:BCM)
 ・概要
 ・フェーズ分けについて
 ・マイクログリッド管理システム
 ・ゴール
 ・BCMマイクログリッドの設計と構成
  -設計に当たって考慮したこと
  -3階層のマイクログリッドコントローラー
  -PMU(Phasor Measurement Unit)の導入と活用
 ・BCMマイクログリッドのテスト方法
25.事例(ニューヨーク州LICMP)
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