SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

携帯電話基地局及び周辺部材市場の現状と将来予測 2024年版

〜総務省発表値を基に2023年度のセルラーキャリアのLTE-A/5Gインフラ戦略及び投資動向と周辺部材市場をキャリアやベンダ、エンジ会社など多角的な視点から総合的に分析〜

商品No.
R03V0094
出版月
2025年 3月
価格

PDFファイル 220,000円 (税込)

ページ数
222ページ
発行<調査・編集>(株)エムシーエイ
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■概要■
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 セルラーキャリア各社の2023年度決算をみると、各社の設備投資額はNTTドコモが5,593億円、KDDI(au)のモバイルは3,446億円、ソフトバンクの移動通信が2,528億円、楽天モバイルは1,776億円となった。
2022年度に比べ、NTTドコモとKDDI(au)は微増、ソフトバンクと楽天モバイルが大幅減となり、UQコミュニケーションズとWireless City Planningを含めたモバイルキャリア各社の設備投資合計は前年度比12%減となる1兆3,609億円になっている。2024年度は楽天モバイルによる投資抑制により、同6.2%減の1兆2,770億円に落ち込むが、2025年度以降は楽天モバイルによる投資回復で1兆3,000億円規模で推移する見込みである。
機器市場に関し、無線機市場はKDDI(au)と楽天モバイルの5G展開が盛況となった。第1位のエリクソン・ジャパン、第2位のノキアソリューションズ&ネットワークス、第3位のサムスン電子ジャパンの好調さはKDDI(au)の旺盛な5G展開による影響が大きい。第4位のNECもNTTドコモでの堅調さ、楽天モバイルでの5G展開が奏功している。
 また、附帯設備は無線機に比べ、市場規模が小さいため、投資の浮き沈みの影響を受けにくい状況にあるが、電源と蓄電池市場は拡大した。
エンジニアリング(通信建設)は投資額よりも、キャリア各社の基地局展開に大きな影響を受け、2023年度はKDDI(au)と楽天モバイルの旺盛な5G展開があったものの、市場規模自体は横ばいになった。
 本調査企画は基地局及び周辺部材市場の現状やキャリアのインフラ戦略について、キャリアやベンダ、エンジ会社などへの多面的な取材を通じ、実態を把握し、予測することを目的としている。キャリアのインフラ戦略及び投資動向以外に、無線機やアンテナ、ケーブル、電源、蓄電池といった周辺部材、エンジニアリング市場の実態を明らかにする。
-CONTENTS-
<1>モバイルキャリアの現状
1. 契約者数/業績/ARPU推移と予測(2022〜2027年度)
 ・2023年度の携帯電話契約数は前年度比5.2%増(年間純増1,084万)の2億1,833万契約
 ・2024年度Q2期に5G契約比率は45.7%へ上昇
 ・2023年度の国内携帯市場の年間純増数は前年度比298万増の1,084万 など
2. 設備投資額推移と予測(2022〜2027年度)
 ・2023年度は前年度比12%減の1.3兆円規模
 ・大手3社の基地局投資は1,500〜2,000億円が続く
 ・現在は5Gがメインとなる大手3社の基地局投資
3. 基地局数推移と予測(2022〜2027年度)
 ・2023年度の国内屋外基地局数は約115万局に拡大
 ・2023年度の撤去分をカウントしない国内屋外基地局新局数は10万局弱
4. 通信方式別基地局数推移と予測(2022〜2027年度)
 ・2023年度は約22万局の3G屋外基地局が稼働
 ・2023年度はLTE屋外基地局数が約71万局が稼働
 ・2023年度は5G屋外基地局数が約23万局に拡大
5. 現状の周波数帯保有状況
 ・4.9GHz帯割当で大手3社の保有帯域幅が同規模に
6. 周波数帯別基地局数推移と予測(2022〜2027年度)
7. 追加割当周波数帯などの現況
 ・総務省の動向
 ・2024年12月に2024年度版の周波数再編アクションプランを公表
 ・2024年12月にソフトバンクへ4.9GHz帯を割り当て
 ・KDDI(au)による2.3GHz帯の運用計画
 ・楽天モバイルによる700MHz帯の運用計画
8. 基地局投資額推移と予測(2022〜2027年度)
 ・基地局投資は2,000億円規模で推移
 ・今後も5G投資は1,800億円規模で推移
 ・今後の大幅な投資縮小は回避
 ・コアNW向けは300億円規模で推移
 ・2023年度の基地局投資はピーク並み など

<2>注目すべきキーワード
1. キャリア各社の5Gの取り組みと現状
 ・2023年度末の全国の5G人口カバー率は98.1%
 ・2023年度にLTE周波数帯のNR化の導入は約12万局
 ・キャリア各社のLTE周波数のNR化の状況
 ・キャリア各社のLTE周波数のNR化の開設計画
 ・5G局数の90%がMassive MIMOの楽天モバイル
 ・NTTドコモの動向 など
2. Open RAN/vRANの動向
 ・2024年12月にソウルで日韓ICT政策対話(局長級)を開催した総務省
 ・NTTドコモの動向
 ・2024年4月にNECとOREX SAIを設立
 ・2024年2月にOpen RANのフィールドトライアル実施に合意
 ・2024年2月にSK Telecomと仮想化技術に関する
  ホワイトペーパーを共同作成 など
3. Beyond 5G/6Gの動向
 ・2024年6月に標準化を完了したRelease 18
 ・2024年4月に6Gの正式ロゴが承認
 ・アッパーミッドバンドが6Gの主力周波数に急浮上
 ・総務省の動向
 ・2024年11月に東京で日独ICT政策対話(第8回)を開催 など
4. シェアリングの動向
 ・インフラシェアリングの取り組みに関する調査結果を発表した総務省
 ・2024年8月にJTOWERを公開買付すると発表したDigitalBridge Group
 ・JTOWERの動向
 ・2026年度に売上高300億円を目指す
 ・2024年11月に三菱HCキャピタルと業務提携継続の覚書を締結 など
5. カーボンニュートラルの動向
 ・NTTドコモの動向
 ・2024年12月から東北の通信ビル向けにバイオマス発電所から電力を供給
 ・2024年11月に1,200V級の太陽光発電で基地局電力を賄う実証実験を実施
 ・2024年7月から自社ビルに太陽光とバイオマス発電を導入
 ・2024年6月に四国内の基地局やショップの蓄電池を活用したDRの運用を開始
 ・2024年5月から基地局に自家消費型水力発電活用実験を開始 など
6. キャリア各社における災害対策
 ・災害に備えた通信インフラの強化などを進める総務省
 ・2024年12月に大規模災害発生時におけるNW早期復旧に向けた協力体制を強化
 ・NTTドコモの動向
 ・2024年12月に海洋高等学校と連携協定を締結
 ・2025年度末までに基幹伝送路を2ルートから3ルートに増強
 ・KDDI(au)の動向
 ・2024年11月に鳥羽商船高専と災害時の船舶型基地局の運用を開始
 ・楽天モバイルの動向
 ・2024年3月に首都高速道路と災害発生時の連携に関する協定を締結
7. 3Gサービスの終了

<3>基地局関連機器・部材の動向とベンダシェア
1. 無線機
 ・2023年度はKDDI(au)と楽天モバイル向けが盛況
 ・5Gネットワークのエリア拡大はLTE周波数のNR化が肝要
  -市場動向
 ・NTTドコモの動向
 ・2025年度までに4G/5Gコアネットワークを完全仮想化
 ・海外ベンダからMassive MIMOを調達 など
2. アンテナ
 ・2023年度は激減した国内アンテナ市場
 ・失速する基地局向けアンテナベンダ2強
  -市場動向
 ・電気興業の動向
 ・2024年11月からサブテラヘルツ帯
  水平オムニアンテナの受注を開始 など
3. ケーブル
 ・KDDI(au)による恩恵を受けたFDC
 ・キャリアからの突発需要に対応しやすい海外ベンダ
  -市場動向
 ・2024年4月にFDCへ導体事業承継したフジクラ
 ・無線機を除く製品すべてをワンストップ提供できるCommScope
  -ケーブルの動向・特長、主要製品の主な仕様
  -キャリア別ベンダシェア(金額)
4. 電源
 ・上位3社で60%強のシェアを占有
 ・電源需要はリプレースがメイン
  -市場動向
 ・2025年4月に機構改革を実施する新電元工業
 ・基地局向けに電子ブレーカー販売を強化するアースインフィニティ
  -電源の動向・特長、主要製品の主な仕様
  -キャリア別ベンダシェア(金額)
5. 蓄電池
 ・KDDI(au)による恩恵を受けたGSユアサ
 ・楽天モバイル特需終息でリプレース需要にシフト
  -市場動向
 ・2024年10月にEV電池スマートユース協議会が発足
 ・ドローンに搭載する新たな水素燃料電池の開発に着手したOKUMA DRONE
 ・亜鉛二次電池を開発中の日本ガイシ など

<4>エンジニアリングの動向とエンジニアリング会社シェア
1. エンジニアリング
 ・全国系大手エンジ会社3社のシェアは60%強
 ・グループ内再編や組織整備が進む大手エンジニアリング会社
 ・2024年4月に組織改正を実施したKDDIエンジニアリング
 ・コムシスビジョンNEXT STAGE 2023を1年間延長したコムシスHD
 ・2025年1月に組織を改編したサンコム など
2. 基地局工事体制・形態
 ・NTTドコモはエンジ会社への直接発注とドコモCS経由の2種類
 ・KDDI(au)もエンジ会社への直接発注とKDDIエンジ経由の2種類
 ・RAが復活したソフトバンクの基地局工事発注
 ・ソフトバンクにおける基地局設置までの大まかな流れ
 ・50数社の元請エンジ会社を抱える楽天モバイル など
3. キャリア別エンジニアリング会社シェア(金額)
  表:キャリア別エンジニアリング会社シェア(2023年度、金額ベース)

<5>モバイルキャリア戦略及び基地局市場・部材市場の総括と将来予測
1. モバイルキャリア各社のインフラ戦略総括
2. 通信方式別投資額の推移と予測(2022〜2027年度)
 ・今後の基地局投資は横ばい
 ・2023年度で一段落した5G投資
3. 基地局投資額の内訳推移と予測(2022〜2027年度)
 ・60%強を占める工事費と無線設備
 ・コアNW投資は800億円規模で推移
4. 基地局市場の総括と将来動向
 ・2023年度は1兆3,600億円となった設備投資額
 ・今後の5G展開はNTTドコモとソフトバンクに期待
5. 基地局部材市場の総括と将来動向
 ・新周波数帯割当時に需要が高まるアンテナ
 ・ケーブル需要は無線機/アンテナ一体型が向かい風
 ・電源需要は基地局新設時とリプレース
 ・鉛蓄電池が主流の中でリチウムイオンも台頭
6. エンジニアリング市場の総括と将来動向
 ・KDDI(au)と楽天モバイルの5G展開で市場は微増
 ・グループ内再編が続く全国系大手エンジ会社

■調査対象■
<キャリア>
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイル、UQコミュニケーションズ、Wireless City Planning

<ベンダ>
 ・無線機
  エリクソン・ジャパン、ノキアソリューションズ&ネットワークス、サムスン電子ジャパン、NEC、富士通、エアースパン・ジャパン、KMWなど
 ・アンテナ
  電気興業、日本電業工作、コムスコープ・ジャパン、Tongyu Communication、日本アンテナなど
 ・ケーブル
  フジクラ・ダイヤケーブル、コムスコープ・ジャパン、プロテリアル(旧日立金属)など
 ・電源
  GSユアサ、華為技術日本、パナソニック、エナーシス ジャパンなど
 ・蓄電池
  GSユアサ、パナソニック、華為技術日本、エナーシス ジャパンなど

<エンジニアリング会社>
コムシスホールディングス
(日本コムシス、サンワコムシスエンジニアリングなど)、エクシオグループ、ミライト・ワン、京セラコミュニケーションシステム、ドコモCS、KDDIエンジニアリング、SBエンジニアリング、楽天モバイルエンジニアリング、楽天モバイルインフラソリューション、レンドリース・ジャパンなど
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