SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

カロテノイドの科学-基礎、研究の新展開、生理活性-

商品No.
R02V1059
出版月
2024年 3月
価格

印刷タイプ 64,900円 (税込)

ページ数
B5判 275ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・カロテノイド科学について纏めた数少ない専門書!
 ・カロテノイドの分布や合成経路、単離や分析方法などの基礎から動物やヒトへの生理活性、医療・食品などへの応用まで詳解!
 ・科学的・分子レベルで解明されつつあるカロテノイドの生理作用!第一線で活躍する研究・開発者が執筆!

■概要■
 カロテノイドの研究は分析機器の開発・発展や他分野の研究方法の開発などにともなって進展した。19世紀に古典的な有機化学的な手法による研究が始まり、20世紀前半には分子式、中央部分の共役二重結合、両側の末端基の構造が決められ、中頃にはカロテノイドの全化学合成が行われた。また核磁気共鳴や質量分析などの分析機器が使われ始めた。天然物化学としての研究の時代である。その後、分子生物的・分子遺伝学的な手法の発達に伴い、カロテノイド合成遺伝子や合成経路の研究がなされて、現在の合成制御や大量合成の研究につながった。
 21世紀に入りいくつかのカロテノイドの動物やヒトに対する生理作用が科学的・分子レベルで解明されはじめた。これがサプリメントの使用につながった。ただしあるカロテノイドの生理作用について他のカロテノイドと十分な比較検討ができていない例もある。
 本書は最新のカロテノイド科学をまとめたもので、第1編で基礎的なカロテノイドの分布や合成経路、単離や分析方法を解説する。第2編ではカロテノイドの関連分野につながる新しい基礎的な研究をいくつか紹介する。カロテノイド関連の研究のブレークスルーになる可能性がある。第3編では動物やヒトに関連したいくつかのカロテノイドの生理活性を解説する。医療的な手法に使われたり、抗酸化活性などのエビデンスに基づいたサプリメントに使われたり、またその基礎研究がなされている。本書がカロテノイド研究のさらなる発展の一助となることを願っている。
-CONTENTS-
【第Ⅰ編 カロテノイドの基礎研究】
<1>カロテノイド合成生物におけるカロテノイド分子種と生合成経路の分布
1.はじめに
2.フィトエンからリコペンの合成:細菌型経路と植物型経路
3.リコペンの環化(β-カロテン、α-カロテン合成)
4.非酸素発生型光合成細菌の多様性
5.酸素発生型光合成生物のカロテノイドと合成経路
6.非光合成生物
7.おわりに

<2>動物におけるカロテノイドの分布-食物連鎖、代謝、機能
1.水生動物のカロテノイド
2.陸生動物のカロテノイド
3.動物におけるカロテノイドの存在意義
4.動物のカロテノイドの分析、構造解析の注意点

<3>カロテノイドの抽出、精製、同定方法と問題点
1.はじめに
2.カロテノイドの抽出と精製
3.カロテノイド同定に必須な3項目
4.カロテノイドの構造決定

<4>カロテノイドの機器分析:NMR、MS、CD分析
1.はじめに
2.核磁気共鳴(NMR)分析
3.質量(MS)分析
4.円偏光二色性(円二色性)(CD)分析

【第Ⅱ編 カロテノイド研究の広がり】
<5>光合成系におけるカロテノイドの役割
1.はじめに
2.光合成系の分子構築
3.光合成におけるカロテノイドの生理機能

<6>人工光合成:カロテノイドを利用した光エネルギー変換系
1.はじめに
2.人工光合成・物質変換におけるカロテノイド
3.ポルフィリン-カロテノイド結合系によるエネルギー変換
4.カロテノイド/クロロフィル系を光増感剤とする水素生産
5.まとめ

<7>微細藻類から発見された水溶性のアスタキサンチン結合タンパク質-AstaP
1.序
2.AstaPの発見
3.AstaPの構造的な特徴
4.AstaPの生物分布
5.AstaPオルソログの機能
6.AstaPのアスタキサンチン嗜好性
7.AstaPの機能
8.AstaPの産業利用
9.最後に

<8>カイコの遺伝資源を利用したカロテノイドの体内輸送を担う分子の同定
1.はじめに.-カイコの繭の色-
2.黄血遺伝子は細胞内のカロテノイド結合タンパク質CBPである
3.黄繭遺伝子と肉繭遺伝子は二回膜貫通型タンパク質である
4.他のカロテノイド系繭色遺伝子
5.今後の課題

<9>カロテノイド由来の植物ホルモン-ストリゴラクトンとアブシジン酸
1.植物ホルモン
2.アブシシン酸の生理作用と生合成
3.ストリゴラクトンの生理作用と生合成
4.ストリゴラクトンを用いた根寄生雑草防除
5.その他のカロテノイド由来生理活性物質

<10>レチナールと種々なロドプシンの機能
1.微生物型ロドプシンの発見とその分布
2.海洋微生物の持つ多様なロドプシン機能の発見
3.ロドプシンとレチナール
4.集光アンテナとして機能する新たなカロテノイドの発見

<11>微生物によるカロテノイド高生産とメタボローム解析の応用
1.はじめに
2.緑藻ヘマトコッカスでのアスタキサンチン高生産
3.カロテノイド高生産化のための変異導入と実験室進化
4.シアノバクテリアを利用したカロテノイド高生産
5.動的メタボロミクスによる代謝メカニズム解析とカロテノイド高生産化への応用
6.ハプト藻パブロバを利用したフコキサンチン生産
7.今後の展望

<12>進化分子工学とカロテノイド
1.はじめに
2.進化分子工学とは
3.カロテノイド生合成経路の進化
4.カロテノイドのおかげで進化した非カロテノイド合成酵素たち
5.カロテノイド生合成を利用したテルペン合成酵素の進化工学
6.上流経路の分子育種
7.IPP/DMAPP比の分子育種技術
8.おわりに

<13>大腸菌によるカロテノイドの生合成
1.はじめに
2.大腸菌で生産可能なカロテノイド
3.大腸菌を用いたカロテノイド生産方法
4.大腸菌によるカロテノイド生産に影響を与える因子
5.大腸菌を用いる利点と問題点
6.まとめ

<14>非天然C50・C60カロテノイドの生合成工学
1.諸言
2.自然界のカロテノイド生合成経路
3.非天然C50骨格カロテノイドの生合成経路デザイン
4.CrtMの進化工学によるC50-フィトエンの生合成
5. CrtMとFDSの更なる進化工学:C50-フィトエンを選択的に生産する経路の構築
6.CrtIの進化工学:C50骨格に共役二重結合を入れる
7.カロテノイド末端修飾酵素の共発現による非天然C50カロテノイド経路の多様化
8.非天然C60骨格の生合成と今後の展望
9.おわりに

【第Ⅲ編 カロテノイドの生理活性と応用展開】
<15>リコペン異性体:異性化方法と体内吸収性・生理活性
1.リコペンの異性体について
2.異性化がリコペンの体内吸収性に及ぼす影響
3.異性化がリコペンの生理活性に及ぼす影響
4.リコペンのシス異性化方法
5.シス型リコペン素材の実用化における課題

<16>リコペンの前立腺がん予防作用・血中脂質改善作用
1.はじめに
2.リコペンの前立腺がんに対する予防作用
3.リコペンの血中脂質に対する改善作用
4.おわりに

<17>カンキツ果実におけるβ-クリプトキサンチンの生合成機構およびヒトへの機能性
1.β-クリプトキサンチン蓄積の品種間差異
2.β-クリプトキサンチン蓄積のメカニズム
3.βクリプトキサンチンの機能性

<18>ルテイン、ゼアキサンチンの眼における働き
1.はじめに
2.黄斑の構造と機能
3.黄斑に加わる光酸化ストレス
4.黄斑色素による光酸化ストレスに対する防御
5.黄斑色素の測定法
6.黄斑色素に影響をもつ要因
7.ルテイン、ゼアキサンチン摂取と加齢黄斑変性
8.おわりに

<19>褐藻フコキサンチンの非アルコール性脂肪肝炎予防効果と生体利用率の向上
1.はじめに
2.非アルコール性脂肪肝炎に対する予防効果
3.フコキサンチンの生体内代謝と組織蓄積
4.フコキサンチンの生体利用性の向上
5.おわりに

<20>緑藻シフォナキサンチンの機能性に関する基礎研究
1.はじめに
2.がんに対する作用
3.皮膚に対する作用
4.脂肪組織に対する作用
5.肝臓に対する作用
6.消化管吸収
7.組織分布
8.炎症反応に対する作用
9.その他の生物活性
10.おわりに

<21>パプリカのカロテノイドのヒトへの生理活性
1.はじめに
2.パプリカに含まれるカロテノイドパプリカ色素
3.脂肪組織からのアディポサイトカイン分泌の調節作用
4.脂肪細胞での慢性炎症の抑制作用
5.パプリカカロテノイドによるそのほかの健康機能性
6.おわりに

<22>アポカロテノイドの動物細胞への生理活性
1.はじめに
2.β-カロテン関連アポカロテノイド
3.リコペン関連アポカロテノイド
4.フコキサンチン関連アポカロテノイド
5.アスタキサンチン関連アポカロテノイド
6.おわりに

<23>アスタキサンチンの機能性に関する基礎研究
1.はじめに
2.アスタキサンチンとは?
3.アスタキサンチンの基本的活性
4.機能性評価
5.おわりに

<24>ヘマトコッカス藻のアスタキサンチン生産とヒトへの種々な生理活性
1.はじめに
2.アスタキサンチンを生産する生物とその代謝
3.商業的なアスタキサンチン資源:ヘマトコッカス藻
4.ヘマトコッカス藻アスタキサンチンからわかってきたアスタキサンチンの有用性
5.エネルギー代謝・フレイルに対する作用
6.アスタキサンチンの肥満時の骨格筋に対する有用性
7.アスタキサンチンの脂肪組織に与える影響
8.運動抵抗性とアスタキサンチン
9.アスタキサンチンの加齢に関するインパクト
10.ヘマトコッカスアスタキサンチンの臨床結果

<25>パラコッカス菌を用いたカロテノイドの商業生産と飼料への用途展開
1.はじめに
2.Paracoccus carotinifaciensについて
3.カロテノイドの生産性向上
4.P. carotinifaciensが生産できるカロテノイドの種類
5.Panaferd(R)の製造と色調改善効果
6.Panaferd(R)の色揚げ以外の効果
7.総括と今後の展望

■監修■
高市 真一
東京農業大学
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