SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

有機半導体の開発と最新動向

商品No.
R02V1056
出版月
2024年 3月
価格

印刷タイプ 79,200円 (税込)

ページ数
B5判 400ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・有機EL、有機電界効果トランジスタ、有機太陽電池などの先端有機デバイス開発に欠かせない有機半導体!
 ・【第1編:各論】では固体物性、材料開発、分光技術、太陽電池開発などについて詳述し、【第2編:応用】では今後注目される先端デバイスの研究動向について解説!
 ・ウェアラブル端末や各種センサーに代表されるIoTデバイスの普及が進むなか、有機デバイス需要はますます拡大!

■概要■
 1980年代に、三菱電機の肥塚らによるポリチオフェン系材料を用いた有機FET(OFET)の報告やE. Kodak社のC.W. Tangらによる積層型OLEDや太陽電池(OSC)に関する萌芽的な報告がなされた。その当時、有機半導体材料・デバイスに関する研究は、多くの研究者の興味を引きつけたものの、萌芽的な視点での研究も多く、工業的な展開は決して容易ではなく、一体、どのような研究開発展開を辿るのかは全く不透明な状況であった。
 その後、OLEDは軽量・薄膜・高効率化が可能なことから、液晶を凌駕する画質と形状創出が可能となり、約10年程度の開発の月日を経て、1990年代後半には最初の商品化に至った。2010年以降は本格的なOLEDの量産が進み、現在では、携帯電話から薄膜大型TVまで、幅広い実用化が進展している。OLEDの成功は、非常に難易度の高い素子耐久性の問題、100nm程度の超薄膜を用いるプロセスに付随する難課題を乗り越え、有機材料が本格的な電子デバイスとして実社会で十分に活躍できることを実証した。現在では、ポストOLEDとして、有機半導体レーザーの研究も活発化している。究極の半値半幅、高い指向性はXRディスプレー用途に最適なデバイスであり、今後の開発展開が大きく期待される。
 本書では、これらの先端有機デバイスにおいて、基礎的な側面からの構造制御による固体物性解明、先進分子設計に基づく新材料開発、有機デバイスを解析するための先端分光技術についての研究、さらには、今後、期待される先端デバイスの研究開発動向についても、研究の最先端の場でご活躍されている第一線の先生方にご執筆をお願いした。
 本書が次世代の有機半導体科学技術の発展の方向性を与えることができれば編集者として大変嬉しく思う。
-CONTENTS-
【第1編:有機半導体各論】
[構造制御]
<1>高移動度有機半導体を実現する結晶構造制御法の開発
1.はじめに
2.メチルチオ化による結晶構造制御の可能性
3. β位にメチルカルコゲノ基を持つアセンジカルコゲノフェンの結晶構造
4.縮合多芳香族炭化水素へのメチルカルコゲノ化
5.結言

<2>高い層状結晶性を有する塗布型有機半導体の開発
1.はじめに
2.π電子骨格-直鎖アルキル連結系:高い層状結晶性とその起源
3.気液界面を介した薄膜結晶成長とデバイス特性
4.高度化に向けた分子設計と分子開発
5.まとめ

<3>有機半導体薄膜における温度による結晶構造の変化
1.はじめに
2.X線構造解析に用いた有機分子と測定方法
3.有機低分子薄膜における格子定数の温度依存性解析結果
4.有機低分子薄膜における熱膨張現象についてのまとめと考察
5.おわりに

<4>静電反発を克服した同種荷電π電子系の積層による半導体特性の発現
1.はじめに
2.電荷種分離配置型集合体
3.集合化形態による電気伝導性への影響
4.電荷種分離配置型集合体中での相互作用
5.おわりに

<5>有機共結晶の構造と光物性
1.はじめに
2.有機共結晶を利用した光物性の開拓
3.有機共結晶を利用した光学センサ材料の開発
4.酸塩基複合体の構造と光物性

<6>非晶質有機半導体薄膜における分子凝集状態
1.非晶質有機半導体薄膜
2.分子配向の分析手法
3.膜密度の分析手法
4.凝集状態の制御手法と形成機構

[分子の合成・設計]
<7>P3HTを基軸とする有機太陽電池開発と農業用途への応用
1.はじめに
2.高い短絡電流密度を示す非フラーレン型アクセプターの開発
3.混合膜内での混和性制御に向けた設計指針
4.農業用ハウスへの搭載に向けた緑色光波長選択型OSC
5.緑色光波長選択型OSCに向けた新規アクセプター材料の開発
6.おわりに

<8>Brickwork型結晶構造のシミュレーションに基づく高移動度有機半導体探索
1.はじめに
2.Brickwork型結晶構造
3.Brickwork型結晶構造シミュレーション
4.固体の電子構造評価
5.新規の高移動度有機半導体材料探索

<9>π電子系有機分子において硫黄原子の位置が有機電界効果トランジスタ特性に与える影響
1.はじめに
2.BBTBDT誘導体の合成
3.DFT計算によるフロンティア軌道の算出
4.光学および電気化学特性
5.DSCおよびTG-DTA測定による熱安定性の調査
6.OFET素子への応用
7.薄膜構造解析
8.GIWAXS測定
9.PYS 測定によるイオン化ポテンシャルの算出
10.まとめ

<10>NDIユニットからなる新規n型有機半導体の合成と物性評価
1.はじめに
2.NDI高分子の合成
3.NDI高分子の電荷輸送特性
4.NDI高分子デバイスの大気安定性
5.おわりに

<11>ナフタレンフラックス法による巨大π共役分子の単結晶育成
1.はじめに
2.ナフタレンフラックス法
3.ペンタセンの例
4.難溶性有機分子の結晶構造決定
5.結晶構造を用いた理論的移動度評価
6.有機FET作製
7.今後の課題

<12>環状TADF有機分子の合成と光物性・OLED物性評価
1.はじめに
2.環状TADF分子の発展経緯
3.ジベンゾフェナジンを電子アクセプターとするD-A-D-A環状TADF分子の合成
4.D-A-D-A環状TADF分子の光物性
5.おわりに

[材料開発]
<13>液晶性で実現するプロセス適合性を有する有機半導体材料
1.有機半導体材料としての液晶物質
2.液晶性による結晶粒界方向の制御
3.液晶性による薄膜の水平配向制御
4.液晶性による平坦な多結晶薄膜の実現
5.高秩序液晶相を有する有機半導体材料
6.液晶性によるディップコート法での高速製膜
7.まとめ

<14>チエノチオフェン構造を有する高導電性n型有機系半導体の開発
1.はじめに
2.熱電変換デバイスに向けた導電性有機金属材料の合成と成膜
3.まとめ

<15>高性能かつ大気安定なアンバイポーラ型分子性半導体材料の開発
1.はじめに
2.結果と考察
3.結論と展望

<16>アズレン骨格を有する有機トランジスタ材料
1.はじめに
2.アズレンを両末端に持つチオフェン類縁体
3.テルアズレン異性体
4.ビアズレン異性体
5.アズレンを両末端に持つ1,3,4-チアジアゾール誘導体
6.おわりに

<17>液晶性n型半導体を用いた光電池の安定性向上
1.はじめに
2.液晶性を示すn型半導体と光電池
3.まとめ

<18>有機・無機ハイブリッドペロブスカイト系半導体のキラリティ制御による光電変換物性の開拓
1.はじめに
2.非線形電気伝導現象
3.キラル・極性半導体におけるバルク光起電力効果
4.キラル半導体における円偏光ガルバノ効果
5.おわりに

[各種特性の予測と評価]
<19>機械学習による分子設計に向けた迅速過渡発光分光計測装置の開発
1.はじめに
2.TCSPCの概要とMI応用に向けた課題点
3.迅速過渡発光分光計測装置の概要
4.TADF材料および過渡発光データの機械学習の最新動向
5.まとめと謝辞

<20>ケルビンプローブによる有機薄膜の電気分極構造の解析
1.はじめに
2.ケルビン法の原理と測定装置
3.ケルビン法によるバンドの曲がりの観測
4.ケルビン法による自発配向分極現象の観測
5.さいごに

<21>Time-of-Flight法による液晶性有機半導体の電荷移動度測定
1.はじめに
2.Time-of-Flight(TOF)法による電荷移動度の測定
3.液晶性有機半導体の電荷移動度測定の実際
4.まとめ

<22>高速インピーダンス分光系と機械学習による有機デバイスの瞬時電子物性評価
1.はじめに
2.高速インピーダンス測定系
3.電子物性評価のための複素インピーダンススペクトルの機械学習
4.結果
5.おわりに

<23>有機半導体の電子構造における多体効果

<24>有機半導体の伝導帯バンド構造の実測と電子伝導機構
1.はじめに -有機半導体の電気伝導機構とエネルギーバンド構造-
2.角度分解低エネルギー逆光電子分光の開発
3.有機半導体の伝導帯バンド構造の実測
4.ポーラロン形成
5.まとめ

<25>赤外分光法による有機半導体高分子の光安定性評価
1.はじめに
2.FT-IR測定を用いた有機半導体高分子の光安定性の観測
3.反応速度論による光劣化の解析
4.F8BTの熱安定性と窒素雰囲気下での光安定性の評価
5.光劣化のメカニズムとポリマー骨格構造による光安定性の違い
6.まとめ

[太陽電池への展開]
<26>拡張π電子系骨格を有する半導体ポリマーの開発と有機太陽電池の高効率化
1.はじめに
2.有機半導体の進化
3.局所的に高い秩序を有する半導体ポリマーの開発
4.今後の課題と展望

<27>半導体単層カーボンナノチューブを正孔輸送層に添加した有機薄膜太陽電池
1.はじめに
2.種々の半導体単層カーボンナノチューブ
3.半導体単層カーボンナノチューブを含む正孔輸送層を用いた有機薄膜太陽電池
4.有機薄膜太陽電池の条件最適化
5.有機薄膜太陽電池の特性向上についての解析的研究
6.まとめ

<28>有機半導体における光誘起ラジカル生成と太陽電池評価への応用
1.はじめに
2.低分子太陽電池のESR研究
3.高分子太陽電池のESR研究
4.おわりに

【第2編:デバイス開発に向けた応用】
<29>高効率・高耐久性を有するハイパーフルオレッセンスOLEDの材料・デバイス設計
1.はじめに
2.光物性およびOLED特性
3.結論

<30>有機半導体レーザー分子の耐久特性の向上
1.はじめに
2.レーザーの原理
3.有機固体レーザー材料
4.耐久性向上のためのレーザー材料の分子設計
5.耐久性向上のための添加剤
6.三重項励起子を活用するための方法
7.まとめ

<31>ポリマー球体およびイオン液滴マイクロ光共振器による高感度センシング
1.はじめに
2.ポリマー球体マイクロ光共振器の作製と光閉じ込めによる共鳴発光
3.ポリマー球体マイクロ光共振器のセンシング応用
4.イオン液滴レーザーによる微小気流センシング
5.まとめ

<32>有機マイクロ共振器中におけるポラリトンBose-Einstein凝縮とポラリトン緩和過程
1.イントロダクション
2.有機マイクロ共振器中における励起子ポラリトン
3.有機マイクロ共振器中におけるポラリトンBose-Einstein凝縮特性
4.励起子ポラリトンおよびそのBEC領域の動力学とそのポラリトン緩和メカニズム
5.結論

<33>電流駆動有機半導体レーザー
1.はじめに
2.光共振器
3.レーザー媒質
4.励起源
5.まとめ

<34>超低電圧で駆動する有機ELの開発
1.はじめに
2.超低電圧で発光する有機EL素子の開発の歴史
3.高効率かつ超低電圧で発光する黄色の有機EL素子の開発
4.超低電圧で発光する青色有機EL素子の開発
5.まとめと今後の展望

<35>変位電流評価法による有機発光素子の特性評価
1.はじめに
2.変位電流評価法
3.励起子消光特性評価
4.LECの過渡特性解析

<36>光誘起電荷分離を利用した有機蓄光システム
1.はじめに
2.有機蓄光の発光メカニズム
3.エネルギー移動機構による電荷再結合発光過程の改善
4.電荷トラップ機構による電荷保持過程の改善
5.材料
6.酸素による消光機構(電子移動とエネルギー移動)
7.刺激応答発光

<37>カフェ酸の有機半導体デバイス応用
1.有機デバイス電極表面の修飾
2.電極修飾層への応用
3.ユニバーサルな電極仕事関数の増加
4.電流密度増加の検証
5.まとめ

<38>有機半導体材料を用いたバイオイメージングプローブとしての高発光性有機ナノ粒子
1.はじめに
2.会合誘起発光
3.会合誘起発光を利用した生体内物質センシング
4.会合誘起発光を利用した発光性ナノ粒子
5.熱活性化遅延蛍光材料を用いた高発光性ガラス状有機ナノ粒子
6.X線シンチレータとしてのTADF材料の利用

■監修■
安達 千波矢
九州大学
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