SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

バイオスティミュラントハンドブック

〜植物の生理活性プロセスから資材開発、適用事例まで〜

商品No.
R04P0247
出版月
2022年 4月
価格

印刷タイプ 59,400円 (税込)

ページ数
B5判 500ページ
発行<調査・編集>(株)エヌ・ティー・エス
備 考
申込フォーム
お問合せ
レポート内容
■ポイント■
 ・植物に対する非生物的ストレスの制御を可能にするバイオスティミュラント、その基礎から応用実施例を体系的に掲載!
 ・農薬や肥料に次ぐ「第三の農業資材」としての注目のバイオスティミュラントを徹底解説!!
 ・植物やその周辺環境が本来持つ自然な力を活性化するバイオスティミュラントについて、現状と普及に向けた課題、実施例などを詳解する!
-CONTENTS-
【序論 バイオスティミュラントの現状と普及に向けた今後の課題】
 ・環境ストレスと戦う日本の農業の歴史
 ・環境ストレス応答研究の農業への貢献-研究者の視点から
 ・バイオスティミュラントの開発と普及の現状-開発者の視点から
 ・本書のねらい

【第1編 植物生理】
<1>気候変動と農業
1.気象予測から見る日本農業の未来
 ・日本における温暖化・気候変動の現状と将来予測
 ・地球温暖化と10年規模海洋変動からの観点 など
2.気候変動と植物の環境ストレス応答
 ・地球規模の気候変動
 ・想定される環境ストレス など

<2>環境ストレスに対する植物の応答メカニズム
1.高温環境下で光化学系活性が低下する2つの異なるメカニズム
  -障害と応答-
 ・光化学系を構成するタンパク質複合体群
 ・チラコイド膜内での2つの電子の流れ
  -リニア電子伝達系とサイクリック電子伝達系- など
2.高温ストレスにおける炭酸同化系の応答
 ・ルビスコのカルボキシレーション反応とカルビン回路
 ・ルビスコのオキシゲネーション反応と光呼吸 など
3.植物の環境応答とレドックス制御:活性酸素と活性カルボニルの意義
 ・植物細胞では活性酸素は大量に生成し、大量に消去されている
 ・環境ストレスと活性酸素 など
4.水ストレスが植物に与える影響と植物の応答
 ・浸透圧と水ポテンシャル
 ・過剰害あるいは過湿害 など
5.高CO2環境が植物生理に与える影響
 ・高CO2環境が作物の生産生理に及ぼす影響
 ・高CO2応答と遺伝子発現変化 など
6.塩ストレスが植物に与える影響と適応機構
 ・塩ストレスにより誘導される葉緑体傷害
 ・適合溶質による塩ストレスへの適応 など

<3>ストレス応答に関わる植物ホルモン
1.乾燥・高温ストレスに関わる植物ホルモン
 ・植物ホルモンと環境ストレス応答
 ・乾燥ストレス応答に関わる植物ホルモン など
2.根圏のストレス応答に関わる植物ホルモン
 ・根寄生雑草
 ・根の伸長阻害 など
3.生物ストレスに関わる植物ホルモン
 ・SAを介する生物ストレス応答
 ・JAを介する生物ストレス応答 など

<4>遺伝子による環境ストレス制御メカニズム
1.HSP遺伝子活性化物質による高温耐性向上メカニズム
 ・植物の高温ストレス応答機構
 ・HTLEsとその作用 など
2.DREB1遺伝子発現制御による低温ストレス耐性メカニズム
 ・植物の低温ストレス耐性および馴化獲得機構
 ・DREB1/CBF転写因子を介した低温ストレス応答機構 など
3.5-アミノレブリン酸(5-ALA)による遺伝子発現と環境ストレス耐性メカニズム
 ・テトラピロール合成系の遺伝子発現と5-ALA合成制御構
 ・5-ALA投与による非生物的ストレスへの
  耐性増強効果と遺伝子発現 など

<5>植物の環境ストレス応答における分子メカニズム
1.環境ストレスに対抗する植物イオンチャネル制御メカニズム
 ・イオン輸送体とその駆動力
 ・環境ストレスとイオンチャネル制御形式
2.植物の温度感知とカルシウムシグナルを用いた低温馴化制御メカニズム
 ・植物はどのように季節を知るか
 ・温度感知と低温馴化制御
3.高温登熟による玄米白濁化メカニズム
 ・デンプン分解酵素が玄米白濁化に関与する
 ・高温登熟はデンプンの代謝バランス異常を引き起こす など

<6>植物-微生物共生システム
1.メタオミクス解析を活用した植物有用微生物の単離およびその機能の解明
 ・植物微生物相互作用におけるメタオミクス解析
 ・メタオミクス解析を用いた植物と相互作用する
  微生物の同定およびその機能の推定 など
2.マメ科植物の生育を促す根粒菌の多様性解明
 ・マメ科植物と根粒菌の共生関係の多様性
 ・根粒菌との共生関係に存在する特異性とその分化 など

<7>植物免疫システム
1.植物の免疫を活性化するプラントアクチベーターとしてのプロベナゾール
 ・プロベナゾールの防除作用の特徴
 ・プロベナゾールとサリチル酸情報伝達系 など
2.植物共生微生物により誘導される病害抵抗性とプライミング
 ・植物の免疫機構
 ・根圏微生物との相互作用による病害抵抗性の誘導 など
3.抵抗性タンパク質ペアによる病原体認識・抵抗性発現メカニズム
 ・植物による病原体の認識
 ・エフェクターを認識する受容体 など
4.植物の免疫システムを活性化する微生物の簡便な評価手法の開発
 ・植物培養細胞とエリシターを利用した植物免疫活性化微生物の評価手法
 ・植物免疫を活性化するコマツナ内生菌のスクリーニング など
5.植物ホルモン受容体「バイアス型アゴニスト」による病原菌感染耐性メカニズム
 ・植物ホルモン受容体の遺伝的冗長性と機能分化
 ・植物ホルモンミミックの立体異性体を用いる
  受容体サブタイプ選択的アゴニストの開発

【第2編 バイオスティミュラント開発事例】
<1>バイオスティミュラント事業化動向
1.バイオスティミュラント素材の開発動向とビジネス展開
 ・無機元素-バイオスティミュラントとして認められているケイ酸
 ・バイオスティミュラントとしてのフルボ酸、フミン酸
2.バイオスティミュラントの海外動向
 ・世界のバイオスティミュラント(BS)の動向
 ・BSの製品数の多い地域、国および市場規模 など

<2>腐植物質、有機酸(腐植酸、フルボ酸など)系素材開発
1.エタノールなどの化合物による環境ストレス耐性強化
 ・ケミカルプライミングによる環境耐性強化
 ・エタノールによる環境ストレス耐性強化 など
2.腐植物質資材によるバイオスティミュラントの開発
 ・腐植物質とは
 ・作物生育に対する腐植物質の効果 など
3.酢酸バイオスティミュラント剤の意義と利用法
 ・環境、気候変動の概略
 ・農業・園芸における酢酸の利用 など

<3>海藻および海藻抽出物、多糖類系素材開発
1.持続可能な作物生産とトレハロース
 ・トレハロースとは
 ・バイオ製剤とトレハロース など
2.トレハロースによるピーマン、ナスの低温・高温耐性の反応と
バイオスティミュラントの開発
 ・低温期におけるピーマンへの効果
 ・高温期におけるナスへの効果 など
3.かに殻由来の機能性成分・低分子量キチン(LMC)
 ・キチンとキトサン
 ・LMCと病原抵抗性 など
4.琵琶湖由来水草堆肥のバイオスティミュラントとしての利用
 ・琵琶湖と水草
 ・水草の農業利用の歴史 など
5.バイオスティミュラントとしての海藻抽出物
 ・農業用市販商品
 ・効果 など

<4>アミノ酸およびペプチド系資材開発
1.微生物分解した大豆タンパク質由来ペプチドの根毛増殖
 ・大豆タンパク質と肥料効果
 ・大豆タンパク質分解微生物の探索 など
2.酸化型グルタチオンを用いたバイオスティミュラント資材の開発
 ・酸化型グルタチオンの農業資材への活用
 ・グルタチオンとは など
3.アミノ酸による植物生育への作用メカニズム
 ・作物生育にとってのアミノ酸
 ・アミノ酸のスクリーニング など
4.5-アミノレブリン酸の農業利用に関する研究
 ・5-アミノレブリン酸(5-ALA)の植物への作用に関する研究
 ・5-アミノレブリン酸が農業資材として応用される場面の実際

<5>微生物系資材開発
1.アーバスキュラー菌根菌の力を利用するバイオスティミュラント資材の開発に向けて
 ・リン肥料と黒ボク土
 ・AM菌とは など
2.バイオスティミュラントとしての昆虫病原性細菌Bacillus thuringiensis
  -トマトにおけるPGPR効果と病害抑制効果-
 ・材料と方法
 ・結果 など
3.根圏微生物叢を制御するバイオスティミュラント
 ・植物特化代謝物により形成される根圏微生物叢
 ・イソフラボンによる根圏微生物叢形成 など
4.マメ科作物の安定生産に有用な微生物資材の開発
 ・マメ科作物と根粒菌
 ・根粒菌普及事業 など
5.微生物由来の揮発性バイオスティミュラントの開発
 ・微生物由来バイオスティミュラント:技術、植物科学、農業の現状
 ・植物との相互作用における微生物由来揮発性化合物(mVC):
概念、多様性、作用機序、応用 など

<6>その他素材開発
1.作物の高温耐性を高める揮発性バイオスティミュラント「すずみどり」
 ・光合成生物であるがゆえに環境ストレスの影響を受けやすい植物
 ・高温・酸化ストレス応答シグナルとして機能するRSLV など
2.乳酸菌培養液由来バイオスティミュラントの開発
 ・乳酸菌とその応用
 ・ボカシ肥料中発根促進物質 など
3.ビール酵母由来素材によるバイオスティミュラントの開発
 ・開発の経緯
 ・植物への作用:抵抗性誘導と側根誘導 など
4.鉄吸収向上バイオスティミュラントの開発
 ・鉄の役割と欠乏症
 ・鉄の吸収メカニズム など
5.微量要素を主成分とするバイオスティミュラント資材
 ・生長と防御応答のトレードオフ
 ・微量要素の働き など

<7>適用事例
1.バイオスティミュラントの効果的活用法の提案
 ・BSの分類と期待される効果
 ・バイオスティミュラントの活用法について など
2.トリコデルマ・ハルジアナムT-22を利用したバイオスティミュラント資材「トリコデソイル」の農業利用
 ・バイオスティミュラントに利用される主な微生物群の分類
 ・微生物型バイオスティミュラントの主な機能例 など
3.バイオスティミュラント資材の民間活用事例
 ・具体的な効果例
 ・近年の状況
4.有機土壌環境と木酢液の植物病抑制効果
 ・化学土壌環境と有機土壌環境
 ・木酢液 など

■監修者■
山内 靖雄
神戸大学 大学院農学研究科 准教授
須藤 修
日本バイオスティミュラント協議会 事務局長/アリスタライフサイエンス(株) プロダクトマネージャー
和田 哲夫
日本バイオスティミュラント協議会 技術顧問/ジャパンアイピーエムシステム(株) 代表
申込フォーム
お問合せ