SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

疾患バイオマーカーとしてのマイクロRNAと診断応用

商品No.
R02V0992
出版月
2022年 6月
価格

印刷タイプ 72,600円 (税込)

ページ数
B5判 276ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・さまざまな疾患の発症・増悪への関与が明らかとなってきたマイクロRNA(miRNA)!
 ・血中で安定に存在しているmiRNAを診断バイオマーカーとして応用する動きが加速!
 ・miRNAと各種疾患との関連性、miRNA検出技術について最新知見を詳述!

■概要■
 マイクロRNA(miRNA)は、約20塩基程度の短いncRNAで、アルゴノート(AGO)蛋白質と結合してmiRNA-induced silencing complex(miRISC)を形成し、AGOをmRNA上の標的部位に誘導する。標的とされたmRNAの蛋白質への翻訳を抑制的に制御することで、蛋白質製造プロセスのタイミングや速度を制御するための重要な役割を果たしている。
過去30年間の多くの研究により、miRNAの機能と生合成の分子的な詳細が明らかにされ、miRNAの発現異常は、がんや神経疾患など様々な疾患と関連しており、そのmiRNAの機能に注目することで疾患の診断への応用開発が驚くべきスピードで進捗している。
 本書では、各疾患におけるmiRNAに関する研究について第Ⅰ編に、またmiRNA測定技術の開発状況について第Ⅱ編に、当該分野をリードしておられる先生方にご執筆頂いた。本書を通じてmiRNA研究の最先端の興奮を体感していただければ大変幸甚である。
-CONTENTS-
【第Ⅰ編 miRNAと疾病】

<消化器系>
<1>歯周病とmiRNA

<2>口腔がん
1.背景
2.危険因子とmiRNA
3.発がんとmiRNA
4.がん促進型miRNA(Onco-miR)
5.がん抑制型miRNA(Suppressor-miR)
6.腫瘍組織中でのmiRNA
7.唾液中でのmiRNA
8.血漿中でのmiRNA
9.血清中でのmiRNA
10.全血中でのmiRNA
11.局所再発とmiRNA
12.予後とmiRNA
13.治療抵抗性とmiRNA
14.バイオマーカーとしてのmiRNA
15.おわりに

<3>頭頸部扁平上皮癌・マイクロRNA発現プロファイルに基づく、癌抑制型マイクロRNAの探索
1.頭頸部癌について
2.頭頸部扁平上皮癌・マイクロRNA発現プロファイル
3.頭頸部扁平上皮癌・部位型マイクロRNA発現プロファイル
4.頭頸部扁平上皮癌における癌抑制型マイクロRNAの探索
5.新規癌抑制型マイクロRNA(パッセンジャー鎖の同定)
6.おわりに

<4>食道がん
1.食道がんにおけるmiRNAの異常発現
2.組織
3.血液
4.尿・唾液

<5>大腸がん
1.早期発見のためのバイオマーカー
2.リンパ節転移予測のためのバイオマーカー
3.遠隔転移・長期予後・再発のためのバイオマーカー
4.マイクロRNAを臨床応用する際に考慮すべき事項

<6>慢性肝疾患におけるmiRNA発現の意義
1.肝臓におけるmiRNAの役割
2.肝疾患に関係する代表的なmiRNAの疾患における役割
3.循環血中のmiRNAにおける肝疾患診断
4.miRNA/exosomeを用いた核酸創薬の可能性

<7>膵臓がん・胆道がん
1.膵臓がん・胆道がんの概要
2.膵臓がん・胆道がんの腫瘍マーカー
3.血中マイクロRNAを用いたがん検出検査
4.血中マイクロRNAを用いた膵臓がん・胆道がん診断の現状
5.血清マイクロRNA検査による膵臓がん・胆道がん診断開発への取り組み

<循環器系・生活習慣病>
<8>不整脈
1.はじめに
2.不整脈基質
3.心房細動
4.心室性不整脈
5.マイクロRNAを不整脈のバイオマーカーとして用いる際の留意点
6.不整脈のリスク評価におけるマイクロRNAの位置づけ
7.結語

<9>メタボリックシンドローム
1.はじめに
2.肥満とmiRNA
3.脂質異常症とmiRNA
4.高血圧とmiRNA
5.IRとmiRNA
6.おわりに

<呼吸器系>
<10>肺がん
1.はじめに
2.肺癌におけるmiRNA発現異常
3.miRNAを用いた肺癌治療
4.今後の展望

<11>気管支喘息
1.はじめに
2.各種疾患とmiRNA
3.喘息バイオマーカーとしてのmiRNAの可能性
4.気道炎症の指標としての喀痰中miRNAの可能性
5.喘息病態形成因子としてのmiRNAsの役割およびそのバイオマーカーとしての可能性
6.miRNAの喘息治療への応用
7.おわりに

<生殖器・泌尿器系>
<12>腎疾患とmicroRNA
1.はじめに
2.腎線維化を修飾するmicroRNA
3.糖尿病性腎症を修飾するmicroRNA
4.急性腎障害を修飾するmicroRNA
5.おわりに

<13>microRNAと膀胱がん
1.概要
2.はじめに
3.膀胱がんにおけるリキッドバイオプシー
4.膀胱がんにおけるmiRNAの発現異常
5.膀胱がんの診断と予後におけるエクソソームのmiRNA
6.おわりに

<14>前立腺がんに対するmiRNA診断薬の開発の現状
1.はじめに
2.miRNAによる悪性化形質制御
3.核酸医薬の開発
4.分泌型miRNAによる機能
5.バイオマーカーとしての分泌型miRNA
6.おわりに

<15>卵巣がん臨床におけるマイクロRNAバイオマーカー実現への期待
1.卵巣がん検診?
2.がん診療バイオマーカー
3.バイオマーカーとしてのマイクロRNA
4.課題と今後の展望

<16>子宮内膜症の病態形成におけるマイクロRNAの役割
1.はじめに
2.子宮内膜症におけるマイクロRNAの発現異常
3.子宮内膜症において発現が減少しているマイクロRNAとその意義
4.子宮内膜症において発現が増加しているマイクロRNAとその意義
5.マイクロRNAを標的とする薬剤
6.バイオマーカーとしてのマイクロRNA
7.おわりに

<内分泌器系>
<17>乳がん
1.乳がんにおけるマイクロRNA
2.マイクロRNAの乳がん診断への応用
3.マイクロRNAの乳がん治療への応用
4.展望

<18>甲状腺疾患におけるマイクロRNAと臨床応用
1.序論
2.MicroRNAと生体試料
3.甲状腺がんとmicroRNA
4.自己免疫性甲状腺疾患とmicroRNA
5.まとめ

<19>副腎疾患とマイクロRNA
1.はじめに
2.副腎ホルモン産生腫瘤とマイクロRNA
3.副腎悪性疾患とマイクロRNA
4.バイオマーカーとしての血中マイクロRNA
5.おわりに

<免疫・アレルギー系>
<20>皮膚疾患
1.乾癬
2.アトピー性皮膚炎
3.薬疹/中毒疹
4.全身強皮症
5.多発筋炎/皮膚筋炎
6.悪性黒色腫
7.有棘細胞癌

<21>マイクロRNAと炎症性腸疾患
1.はじめに
2.自然免疫制御におけるmiRNAの役割
3.獲得免疫制御におけるmiRNAの役割
4.IBDにおけるmiRNA
5.miRNAの治療応用
6.最後に

<神経・運動器系>
<22>miRNAと認知症
1.はじめに
2.認知症
3.血液バイオマーカーの探索とレトロスペクティブな発症予測モデルの開発
4.効果的なmiRNAと遺伝子機能アノテーション
5.AD発症・移行を予測するプロスペクティブな予測診断システムの開発
6.データベース構築
7.おわりに

<23>miRNAと骨代謝
1.はじめに
2.In vivoにおけるmiRNAの骨代謝制御
3.骨粗鬆症
4.転移性骨腫瘍
5.骨折/再生
6.おわりに

<24>miRNAと筋分化,筋再生,筋萎縮
1.はじめに
2.筋肉に関係する筋肉特異的miRNAと筋肉非特異的miRNA
3.細胞外miRNA
4.老齢の血中で減少する筋分化誘導能をもった細胞外miRNA
5.miR-199-3pの筋分化誘導
6.筋再生におけるmiR-199-3pの効果
7.老齢筋萎縮に対するmiR-199-3pの効果
8.miR-199-3pの筋疾患に対する治療効果
9.おわりに

<25>老化とmicroRNA
1.細胞老化とは
2.細胞老化に関わる分子とマーカー
3.細胞老化を制御するmiRNA
4.老化制御機構を標的とした治療戦略について

<その他>
<26>miRNA機能解析技術の進歩
1.miRNAの発現プロファイリング
2.バイオインフォマティクスアルゴリズムによるmiRNAターゲットの予測
3.細胞ベースのレポーターライブラリーアッセイを用いたmiRNAのターゲットスクリーニング
4.CLIPによるmiRNAとターゲットの相互作用

<27>エクソソームと臓器連関
1.はじめに
2.Exo-miRNA放出器官としての脂肪組織
3.肥満におけるExo-miRNAを介した臓器連関
4.Exo-miRNAによる膵β細胞増殖
5.おわりに

<28>RNA修飾と疾患
1.はじめに
2.N6-Methyl Adenosine(m6A)修飾酵素と疾患
3.N7-Methyl Guanosine(m7G)修飾酵素と疾患
4.N1-Methyl Guanosine(m1G)修飾酵素と疾患
5.5-Methyl Cytosine(5mC)修飾酵素と疾患
6.N4-Acethyl Cytosine(ac4C)修飾酵素と疾患
7.Pseudo Uridine(ψ)修飾酵素と疾患
8.おわりに

【第Ⅱ編 miRNA検出・診断技術】
<1>次世代シーケンサーによる細胞外miRNA測定
1.はじめに
2.細胞外解析サンプル
3.細胞外miRNA抽出及びクオリティーチェック
4.細胞外シーケンスライブラリー調整
5.細胞外miRNA-Seqのシーケンスデータ
6.おわりに

<2>DNAチップによる血漿・血清中miRNA測定
1.はじめに
2.血中miRNAの測定技術の課題
3.血中miRNAの抽出精製技術
4.血中miRNAの測定技術
5.おわりに

<3>ナノワイヤデバイスによる尿中miRNA測定
1.はじめに
2.リキッドバイオプシーの低侵襲性・簡便性
3.リキッドバイオプシーの網羅性
4.細胞外小胞
5.ナノワイヤの開発
6.ナノワイヤデバイスにより抽出した尿中miRNAの解析
7.ナノワイヤとAIによる尿中miRNA解析と脳腫瘍の早期検知
8.おわりに

<4>ナノポアテクノロジーによるmiRNAおよびエクソソームの検出
1.はじめに
2.ナノポア技術を用いたmiRNAの直接検出
3.MinIONによるmiRNA検出
4.ナノポア技術によるエクソソームの検出
5.おわりに

<5>ビーズ濃縮によるmiRNA定量技術
1.はじめに
2.バイオマーカーとしてのマイクロRNA
3.測定技術基盤
4.まとめ

<6>AIを用いたマイクロRNAと診断応用への実際と課題
1.はじめに
2.ゲノム分析からプロテオミックスなどを網羅的に分析するAIを用いたがん診断
3.深層学習の基本特徴
4.AIをがん診断に利用する際の問題点
5.実用化へ向けた転移学習の利用
6.深層学習による学習のプロトコールと実際

■監修■
落谷 孝広
東京医科大学
松﨑 潤太郎
慶應義塾大学
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